【2020年6月30日】ミヤコシは6月30日、新製品の高速デジタル印刷機「MJP30AXF」に関して、オンライン記者発表と実機デモンストレーションを開催した。
同機は、水性顔料インクを採用のインクジェット印刷機。水性インクの採用により食品包材の印刷を可能とし、食品をはじめとした幅広い分野での活用が見込まれる。
印刷幅は750mmで、印刷速度は毎分50m。最大印刷解像度は1200×1200dpiで、4ポイントの小さな文字でもシャープに表現できる。
インクはCMYK+白を装備し、透明素材の隠蔽性も確保している。
記者発表では冒頭、宮腰亨社長が以下のようにあいさつした。
コロナの終息が見えない中、世界が変わり始めている。こういった発表も展示会や内覧会が通例だが、これらの場はいま最も避けなければならない密を生み出す。
今日発表する「MLP30AXF」は「Drupe2020」で発表するはずだった製品だが、同展示会は来年に延期になったことから、オンラインでの発表の場を設けた。
水性インキ搭載のインクジェット印刷機は「IGAS」で開発を発表し、そこから2年の開発期間をかけて全世界に発売となった。2年という時間をかけたのは、フィルム基材に水性インクを確実に定着させることの技術的な難しさがあったからだ。
最大の特長である水性インクは、環境負荷低減や課題だった多品種・少量対応ができるといった効果がある。
本日は、画面越しではあるが軟包装印刷にデジタル革命をもたらすポテンシャルをご覧いただきたい。
製品説明では、同社の高橋健次技術開発副本部長が、軟包装パッケージ製作の事例を示しながら製品について説明を行った。
これによると、同プリンタは、水性顔料インクを使用し、溶剤をほぼ使用していないことから、生産環境にも寄与する。印刷は、専用プライマーをフレキソ印刷で塗布後、コロナ処理しその後にインクジェットプリントする。インクジェットヘッドは1200dpiの循環ヘッドを使用しており、白インクは2度打ちで隠蔽率を確保する。
リリース時は、PETとOPが主な基材と想定している。
デモンストレーションでは、機体の各部を紹介。プライマー部、コロナ処理部から、インクジェットプリントで熱風乾燥し、巻き取るまでを紹介。このほか、±0.1㎜以内の検討合わせを実現している検討合わせカメラの内蔵についても説明があった。
担当者は「水性顔料インクジェットインクは、比較的安価なため、コスト面でも優位性がある」と紹介した。
Q裏刷り専用機のようだが、表刷りは?ラミネートは?
Aラミネートはソルベント、ノンソルの両方に対応。表刷りはオーバーコートでテストを進めている。
Q性能的には印刷速度100mまで可能なはずだが、50mに抑えているのは?
A後工程でのラミネートが必要なことから、乾燥時間を十分に保つために速度落としている。いずれは100mの速度も考えている。
Q幅広機は発売しないのか?
A将来は検討したい。
Q自動検討措置はリアルタイムで補正できるのか?
A専用のトンボを読み込み、ズレ量を計測しリアルタイムで調整している。
Q白インクのデジタル印刷のメリットと2度打ちの意味は?
A小さな文字も品質確保できる。また2度打ちは隠蔽率に若干不安があり、2回にした。
Q販売目標と本体価格は?
A直近は年間10台を予定しており、将来的には年間30台したい。本体価格は、仕様や運用形態により異なる。
Q従来のコンベンショナルと比較してメリットあるボリュームゾーンは?
Aグラビアとフレキソによって異なるが、おおよそ3000㎡から4000㎡。
Qインクの販売価格は、白インクは安いのか?
A商談ケースによって異なるため、回答できない。白インクはランニングコストに影響するので、安価での提供を考えている。
MJP30AXF
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