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速報②「ジャパン・デジタルテキスタイル・コンファレンス 2019」開幕 注目セッション2本 大野彰得氏と堀江健司氏を掲載


I’m 【2019年10月31日】「ジャパン・デジタルテキスタイル・コンファレンス 2019」は10月30日、東京都港区の富士フイルム本社で開幕した。
主催はワールド・テキスタイル・インフォメーション・ネットワーク(WTiN)、協力は大野インクジェットコンサルティング。
イベントは今日10月31日が最終日で、サプライヤーのショールームなどを視察する。

速報②では注目のセッションを紹介する。

 

注目セッション1

「DT市場の新たな発展(ITMA、SGIAからのアップデート)」のテーマで、今回日本側の主催者で司会進行も務めた大野インクジェットコンサルティングの大野彰得代表が話した。

テキスタイル業界は、「ITMA=川上」「TEX PROCESS=川中」「ParisCollection=川下」というイメージで分けられます。いずれもネットインフラが基盤になっているのは間違いありません。

「なぜ、テキスタイルのデジタル化が進まないか?」という問題に対しての答えの一つに「プリント柄はマイノリティ」というものがあります。「川中」の服地を加工する人にとってプリント柄はマイナーなもの。我々この「川中」の意識を変えることが必要と認識するべきなのです。

一方、アナログプリントだが、スクリーンは作業が大変で、グラビアは段取り替えの時間が長いのが特徴です。また、どの現場も作業環境が厳しく3Kと言われても仕方がない状況。
さらにリードタイムが長く、そのせいで天候によっては機会損失もあります。サステナビリティの観点からは汚染水の問題もあるのです。
これをインクジェットならミニマムにできます。

この15年で、IJのプリント速度は500倍に向上し、シングルパスが実現。価格も15倍になりましたが、コストに比べて速度が上回りました。今回のITMAでも、シングルパスが当たり前になっています。

ただ、台数はそれほど伸びていません。また、ここまで速くなり、価格も上がりましたが、「そこまでの性能が必要なのか?」という疑問も出ており、揺り戻しが来ているようです。
デジタルでのテキスタイルプリントは増えているのかという疑問がありますが、実は5年で3倍に増えており26億㎡、テキスタイル全体が300億に対して存在感を持っています。

まとめてしては以下のことがあげられます。
・あなた(御社)にとってデジタルテキスタイルとは何か
・既存の捺染工場のスクリーンを置き換えるのか
・あるいは既存のサプライチェーンを壊す中でポジションをとるのか
・サプライチェーンを壊す、単独でできると思ってはいけない

そして、一番やってはいけないことは
・部下に調べさせて決断しない
・結果的に何もしない
皆さんの会社では、こんな風にはならないでいただきたいのです。

 

注目セッション2

OpenFactoryの堀江賢司代表は「製造業のサプライチェーンのDX(デジタルトランスフォーメーション)を実現する」のテーマで以下のように講演した。

【関連記事】この人に聞きたい!OpenFactory 堀江賢司代表①

私は、堀江織物という会社の勤務のほか、OpenFactoryという新規事業で、デジタルファブリックマーケットサイト「HappyFabric(ハッピーファブリック)」や、業務用デジタルプリンタを利用できるものづくりショップ「HappyPrinters(ハッピープリンターズ)」を手掛けています。また、デジタルファブリケーション協会の理事も務めています。

ファッションをITなどのテクノロジーと組み合わせた「ファッションテック」が盛り上がりを見せています。ここでは服を縫製する人や、デザインする人をユーザー・クライアントとマッチングするサービス、デザインした布地をプリントするサービスなどが展開され、ファッションのパーソナライズ化が急速に進んでいます。
これによって、今まで印刷に接点がなかった人が直接プリントを利用できるようになりました。

今は高性能なプリンタがなくても、だれでも印刷を始められます。このような時代では、印刷業の競業者は、印刷業ではなく、アマゾンをはじめとしたIT企業、異業種なのです。

ネットの世界はユーザーエクスペリエンスが重視されます。一方、印刷の現場は技術志向です。顧客のエクスペリエンスを高めるためにIT投資をしなければなりませんが、印刷会社は技術志向なので、社内を説得できないケースが多いのです。

品質の顧客満足度を表す「狩野モデル」という理論があります。
このモデルでは品質の満足度を、不十分ならばクレームとなる「当たり前品質」、充足すれば満足だが、できなければ不満となる「一元品質」、そして充足ならば満足、そうでなくても不満にならない「魅力品質」に分けています。

実は、印刷がきれいなのは「一元品質」で、お客さんは「スマホで頼める」「だれでも簡単に頼める」というところを「魅力品質」と考えているようで、これからの印刷業は、「魅力品質」に力を入れるべきです。

そこで私は、インターネットと中小製造工場をつなぐプラットフォーム「Printio」を発足しました。

1個からつくれる、1社ではなく複数社でゆくれる、1個でも大量と同じ価格で作れるというところを目指して、このプラットフォームを提供します。
自立分散した全国の工場が集まってWEBにつなげることで、より快適なユーザーエクスペリエンスを提供しようという考えです。現在、4つのサイトが連携しており、人があまり関与せず、Web toで、安価に少量品を作れるようにしています。
このプラットフォームでは「工場をオープンにし、コネクトする。これによりイノベーションを起こすこと」を目指しています。

ぜひ、皆さんもご協力ください。

 


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