【2019年3月27日】日本印刷産業連合会(日印産連)は3月26日、東京中央区の日本印刷会館で「『デジタル印刷の現状と展望』に関する調査報告会」を開催。印刷関係者や報道など100人以上が参加した。
今回のセミナーでは、日印産連が実施したデジタル印刷機のアンケートについて報告。またメディアテクノスの井上秋男氏が、デジタル印刷やその後加工に特化した展示会である「HunkelerInnovationdays2019」の視察報告。さらにデジタルに造詣の深い4氏をパネラーに印刷の価値についてのパネルディスカッションを行った。
「印刷業界におけるデジタル印刷に関するアンケート調査」報告では、郡司秀明氏(日本印刷産業連合会・デジタルプレス推進協議会座長、日本印刷技術協会専務理事)と花房賢氏(日本印刷技術協会担当部長)が報告を行った。
郡司氏は「印刷・出版ビジネス自体が変わってきている。コストだけで考えてオフセット印刷というのはもう違う。新しい印刷ビジネスが立ち上がるという風に考えた方がいい」と前置きした上で概要を解説。
報告によると売り上げ全体に占めるデジタル印刷割合は11.6%と前年度10.6%から微増。1社の平均導入台数は4.28台だった。
また「デジタル印刷がオフセット印刷などの従来印刷を超えることなない」とする回答が68.7%と昨年の60.6%から大幅に増えたことなども報告された。
また「Hunkeler Innovationdays(フンケラー イノベーティブデイズ)2019」の視察報告と題して、井上秋男氏(メディアテクノス代表取締役)が、2月にスイスで行われた印刷後加工機メーカーHunkelerの大規模内覧会についての以下のように報告した。
「Hunkeler Innovationdays2019」は、1994年に始まり2年に1回行われている。
出展は約100社で、40のデジタル印刷のソリューションが展示され、期間中約6500人が訪れた。
特徴的だったのはデジタル印刷機専用の後加工機をインラインで接続し印刷から後加工までを一貫して行う実演が目立ったこと。
「デジタル印刷ソリューション展」として、印刷した後どういう風に加工し使うのかを提案する展示会だった。
また、現地では来年行われる「drupa2020」の話題が多く出ていたという。
最後にパネルディスカッション「印刷の価値が変わる。どのように」のテーマで郡司秀明氏がモデレーターを務め、パネリストとして花井秀勝氏、岡本幸憲氏(グーフ代表取締役CEO)、山口実氏(日本フォーム印刷工業連合会専務理事)、井上秋男氏の4氏が登壇し、意見を交換した。
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