【2018年4月18日】日本印刷産業連合会(日印産連)は4月17日、東京都千代田区の如水会館で「2018 JPC贈賞式」を開催した。
「2018 JPC贈賞式」は「第57回ジャパンパッケージングコンペティション(JPC展)」の入賞者を表彰する式典。JPC展は日本で商品化され、販売された商品パッケージの優秀性を競うもので、今回は163点の応募があり、41点が入賞した。
贈賞式では最優秀賞にあたる経済産業大臣賞の「スマートホルダー& ラクラクeco パック」(花王株式会社)と「KOIKEYA PRIDE POTAT」(湖池屋)をはじめ、各賞受賞者に表彰状と記念品が贈られた。
受賞者を代表し、花王の吉田勝彦代表取役専務執行役員は次のようにあいさつした。
コンペの全参加者を代表し、審査員の皆さまには時間をかけて審査いただいたことに、お礼を言いたい。
花王の文化として「エコパック」「詰め替えパック」は、もっとエコに、ユニバーサルデザイン視点にしたいという思いがあった。
今回の受賞作品は、使用する樹脂量を減らした上、きれいに詰め替えられ、最後まで出切るようボトル型にした。
また、このパッケージにはもう一段大きな意味合いを持たせた。それはパッケージデザインに多様性があるということ。花王がこれまで得意としてきたのは、マスブランディング、マスマーケット、マスプロダクションだったが、多様化が進む時代に平均値のデザインではいけないということを考え、今回のパッケージをつくった。現在、ボトルは40種類以上のデザインがあり、増え続けている。
工場見学に来てくれた子どもたちには、マイデザインもできるようにシールを用意するといった取り組みもしている。
マスで大きくなって来た花王なので、ブランドがないデザインをすることに心配だったが、強みのマスマーケティングを捨てて、パッケージングの力を借りて、このチャレンジを進めていきたい。
審査していただけるような商品を開発しているので、次回もぜひここに立ちたいと思う。
日印産連 山田雅義 会長
「JPC展」は1961年に始まり、今回で57回目を数える。多くのコンペで出品作品が減る中、前回を上回る163点の出品があり、大いに盛り上がった。
包装は単に包むだけでなく、商品の良さを直感的に伝えるデザインが、また廃棄までのリサイクルを考えたツールとして、店頭ではPOPとしても活用されている。
JPC展では、技術と機能、マーケティングを総合的に評価しているが、今年も素晴らしい作品が目白押しだった。
多様なニーズを理解した上で多くの機能を盛り込み、積極的な包装を提供して行くことを通じ、さらに社会へ貢献しよう。今後も包装の新たな機能を紹介していきたいと思う。
経済産業省商務情報政策局コンテンツ産業課 矢野泰夫 課長補佐
包装は、包んで運ぶ機能だけではない。日々変化する環境では、ニーズやスタイルが変わる中で、生活に密着したパッケージが求められる。
審査にも参加したが技術やアイデアを散りばめられた作品、消費者のために工夫された商品が多く心強いと感じた。今後も多数の素晴らしい作品が出ることを、消費者の1人としても楽しみにしている。
千葉大学 宮崎紀郎 名誉教授
審査は「楽しく」そして「苦しく」だった。
経済産業省大臣賞の湖池屋はブランドイメージ高める一段上のパッケージ。花王はボトルの付け替えを積極的に捉え、暮らしに溶け込むデザインを持っていた。
以前、雑誌にパッケージについて「向こう側を見せることが重要」という記事を書いた。
パッケージは、保護性や安全性、環境配慮を備えながら、向こう側をみせることにより、楽しさや生きることの素晴らしさ、暮らしへの提案を行うものだ。
パッケージは社会を変える力がある。小さな力かもしれないが、少しずつ力を蓄積して、暮らしや社会を変え、歴史を作って行こう。
今日の受賞者は、その最前線の精鋭だ。ぜひ「向こう側」を見せて欲しい。
受賞作品の詳細は以下から
https://www.jfpi.or.jp/topics/list/id=3798
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