【2025年10月8日】国内最大級の包装関連見本市「JAPAN PACK 2025 日本包装産業展」が10月7日から10日(金)までの4日間、東京ビッグサイト東展示棟4〜8ホールで開催されている。
主催は日本包装産業展組織委員会。
同展は、包装機械、包装資材、食品加工機械、医薬・化粧品製造機器、物流機器など、包装関連産業の最新技術と製品が一堂に会する総合展示会。
今回のテーマは「BEYOND|包むで創る 人と未来と(Create the Future of Packaging Together)」で、包装技術を軸に未来社会の持続的成長を目指す。
プリント&プロモーションでは、デジタルプリンティングや後加工に関する出展を中心に各ブースをレポートする。
SCREENグラフィックソリューションズとSCREEN GPジャパンは、電子写真方式ラベル印刷機「BIZ Press13R」を展示。最大印刷幅は320mmで、最大印刷速度が7.2m/分、設置面積が約1.5㎡(畳1帖程度)と省スペース。補助金活用により約1,000万円で導入可能という。補助金申請により1000万円程度で購入できるという。
ミマキエンジニアリングは自社の大判プリンタとカッティングプロッタを出品している。
「UCJV300-107」はUVインクを搭載し、素材を選ばずプリントできるため、実際の印刷用紙やOPPフィルムでサンプル作成が可能。グラビア印刷での大量生産の前に、実際に使うアプリケーションで色味を確認できる。
また「UJV300DTF-75」では、UV-DTFを使ったデカールによるグッズプリントを紹介。
UV-DTFはフィルムに、UVインクと糊を転写し、それを加飾したい素材にさらに転写する方式で、切り抜き不要・加熱不要で転写可能な点が特長。擦るだけで転写可能なため、一部で置き換えが進んでいる。
担当者は「印刷業界ではまだ知られておらず、DTFとは何か?というところから説明が必要。それだけに伸びしろがある」と話す。
カッティングプロッタでは「CFX」シリーズで、強化ダンボールを加工している。
富士フイルムグラフィックソリューションズは、プロダクションプリンタ「Revoria Press SC285S」でのパウチ印刷をデモした。
グラビア印刷では数十万袋単位の発注が必要だったパウチを少量・多品種・短納期でプリントできるという。
トライテックは、自社のインクジェット印刷機によるさまざまなプリント例をサンプル展示。ステンレスへやガラス、PETなど素材を超えて出力できることをアピールした。
中でもステンレスボトルへのプリントは凹凸などの影響を受けず、メタリックな仕上がりで来場者からは「どこで購入できるのか?」という質問も飛んでいた。
ミヤコシはサンプル展示で、自社のデジタル印刷機を紹介している。
ブース正面には「MJP ADVANCED 45X for FILM」で印刷したサンプルを展示・配布。ブース内のパネルや動画で、印刷機や加工機の活用に関して体系的に説明している。
オーシャンテクノロジーは水性インクジェットプリンタやカッティングプロッターのほか、工場用のシーリングファンとミストシャワーを展示。ロボットアームによるスタックを実演するなど自動化や無人化への対応もPRしている。
シンクラボラトリーは、自社の軟包装用デジタル印刷機「FXIJ」で印刷したサンプルを多数出品。中でも大手菓子メーカーのブルボンで実際に使用した「贅沢ルマンド」のパッケージなどが注目された。
モトヤは省力化のロボットアームを展示している。
ロボットは台湾のTechman(テックマン)社で、もともとは半導体などの電子部品を作る際に使われていたもの。
ブースではアクリル製のカードを治具に並べる作業を実演。担当者は「協働ロボという安全柵なしで人と働けるマシンで省人化に貢献する」と話す。
会場では最大稼働速度の約5%で稼働中。価格は本体のみで300万~400万円。
光文堂の段ボール製箱機「KBD AUTO SLOTTWERAB2500」は、7~8秒で1枚のカットと筋押しが可能。強化ダンボールにも対応しており、素材対応の幅が広い。
レーザー加工機は「KBD Pro-vision 349SⅡ」を出品している。
日本製図器工業が参考出品したラベル印刷機「GrandPrint GR350S」は、UVインク搭載で出力速度は30m/分。担当者は「今回で感想を聞いて今後の発売を決定したい」と述べた。
またダンボールケースマシン向け少量用製箱機「intelligentBox」や縦型カッティングプロッターなども展示している。
日本テクノロジーソリューションの「Super Tornado(スーパートルネード)」は、PET素材のシュリンク装置。従来機の温風方式に加えて、蒸気混合送風が可能なため、より密着性が高くきれいに装着できるという。
奥村印刷は自社の特許製品「beak」の新製品を紹介している。
「beak」は、折り紙の技術を応用した紙製食器。仕様前はA4サイズの紙で、災害時に必要な高機能を持ちながらもコンパクトに保管できる。
今回の新製品は、商品の箱がそのまま器になるというもので、ブースでは大型のサンプルが展示され、担当者が食器組み立ての実演を行った。
製品は輸送中に破損しないようにハーフカット部分に曲線を使用し、組み立て時には食器のふちに折り返しをつくることで強度を増している。また、折り方を示す指示にはクリアトナーを使用して視認性を向上した。
なお、同製品は今年の「パッケージアワード 包装資材関連カテゴリー」の「最優秀賞」を獲得した。
大阪シーリング印刷(OSP)は、自社製品をゾーニングして展示。社員のアイデアや顧客要望を取り入れた印刷製品で注目を集めた。
ぺたリキッド」は液体100mlを入れられる薄型パウチで、箱に入れて包装することで日本酒を軽量な土産用パッケージとして展開できるという。奈良の酒造メーカーの依頼で作った製品は人気で、今後エア員や調味料などでも採用を見込む。
このほか、粘着剤のムラが見えない「高透明ラベル」や、冷蔵や結露の影響がない「チルド用ラベル」、摩擦に強い「ちぎり和紙ラベル」、特殊な加飾の「デジタルバーニッシュ」「ハジキニス加工」、粘着剤が点状で貼り剥がししやすく軽量な「ドットタック」など多数展示している。
参考出品では指紋がつきづらい封緘ラベルがあった。
機材ではラベリングマシンをデモンストレーション。缶やラベルに自動ラベリングできる小型のマシンをアピールしている。
サトーは、デジタル印刷機を使ったシール・ラベル製造技術を多数出品している。
「擬似ホログラム」はコールド箔を使った加飾技術で、箔やホログラムを貼ったような効果を得られる。
スタンドパウチでは、12μのPET素材にプリントして、パウチの基材に貼り合わせている。
いずれも印刷はHPのデジタル印刷機「Indigo」で行われており、グラビア印刷では不可能な技術が含まれ、少量・多品種の生産が可能という。
また、「CertiEye(サーティアイ)」で、QRコードとアプリを使った真贋判定とマーケティングも紹介している。
ジェイビーエフサプライの「ノンラミパック」は、同社が2023年に発売した袋製品。ラミネートを使わず、フォーム印刷と加工技術を使用し、紙とOPPを貼り合わせており、プラスチック使用量を削減しコストダウンも実現している。
同製品は過去に「パッケージアワード」の「日用品部門賞」を受賞している。
Copyright © 2025 プリント&プロモーション . ALL Rights Reserved.