【2024年9月26日】「オーダーグッズビジネスショー2024(OGBS2024)」が9月25日、東京都豊島区のサンシャインシティ 展示ホールD(文化会館2F)で開幕した。
開催は今日9月26日まで。
同イベントは1981年「印章フェア」としてスタートし、2013年からは展示会名称を「オーダーグッズビジネスショー」とし、毎回、大判プリンタやその関連資材が多く展示されている。
今回も、テキスタイルプリント用のDTF(Digital to Film)方式のシステムが多く展示された。
ローランドディー.ジー.は、9月25日発表のDTF専用プリンタ 「TY-300」を世界初披露。
最大出力幅は736mm、シェイカーと連動しての無人運転も安定稼働できるという。未使用時は廃液が出ない構造で、冬場など稼働が少ない期間も、無駄なインクも使用しない。
ブースでは50回の洗濯を行ったプリントサンプルを用意し、デモンストレーションでは10.9㎡での運転を行っている。
担当者は「このコーナーには、ひっきりなしにお客さんが来てDTFの勢いを感じる」と話す。
「BD-8」は、グッズプリントなどで活用されているデスクトップ型フラットベッドUVプリンタ。今回は長屋印刷が開発したサードパーティソフト「omakase」を紹介。アクリルのキーホルダーやスタンド、ゴルフボールなどへのプリントを、イラストレーターなどを使用せず、写真シール機のような感覚で行える。アクリルは白を必ず入れるといった操作も自動で行うため、熟練のオペレーターが必要ない。また、タブレット端末でその場で撮影すれば、面付けまで行える。
長屋印刷の中川社長は「我々もプリンタのユーザーなので、使い勝手が分かって作った。希望があればECの決済システムとの連動も可能」と話す。
ロールタイプのUVプリンタ「TrueVIS MG-300」では、インクの一つを粘着剤に変えて「UVデカール」を出力。このほかUVフラットベッド機の「 VersaOBJECT MO-240」も展示している。
ミマキエンジニアリングは、セルカム、シンクイノベーションと共同の展示構成。
3Dプリンタ「3DUJ-2207」は、移動組み立て型のスキャナー「マジカルスキャナー」(シンクイノベーション)とともに展示した。また、多くのフィギュアをサンプル展示している。
DTFプリンタ「TxF300-1600」は9月発売の新製品で、ユーザーからの希望が多かった高生産性モデル。出力幅が広がり、従来機に比べ最大約4倍量を生産できる。
このほか、「UJF-6042MkⅡe」ではアクリルへ、「JFX200-1213」ではボードへのプリントを披露している。
ダイヤモンドマークもミマキのDTFプリンタ「TxF150-75」を展示していた。
トーヨーコーポレーションもミマキの「TxF150-75」を展示している。
パイオテックでもミマキ「TfX300-1600」をシンプルシェイカーと組み合わせて展示。
エプソンの「SC-F1050」もデモンストレーションした。
イメージ・マジックは、パウダーレスのDTFシステム「TransJet DTTS-6000」を世界初出品。従来のDTFプリンタでは、プリント後にパウダーを撒布するシェイカーが必要だった。パウダーレスでは、この工程が不要となるため、繰り返し行われるパウダーの追加投入作業がなく、連続運転や省人化が可能となる。
従来のDTFシステムに比べ、膜厚が薄くプリント面が柔らかい上、高い洗濯耐久性がある。
発売は10月を予定している。
ブースでは、従来機の「DTS-602」も展示している。
サンプル展示では、9月に同社が販売契約を発表した中国の大手3Dプリンタメーカー「Sailner3D」の出力物を陳列。さらにオランダのRIPソフトメーカーであるPrintFactory(プリントファクトリー)の製品を紹介。8月から販売を始めており、価格は22万円~。
宝來社もイメージ・マジック「TranceJet」を展示していた。
アステムもパウダーレスDTFシステムを参考出品した。プリンタの「ARYJET EX AJ-0120」、シェイカー「ARYJET EX AJ-0220」で構成されている。
出力幅は600mmだが、システムの詳細などはまだ非公開だが、実稼働し展示を行なっている。
武藤工業は自社のプリンタとインクなどをサンプルとともに紹介している。
UVプリンタ「XpertJet 461UF」は、グラボテックレーザー加工機を組み合わせて展示。同社のUVインクはアクリルへのプリントを行い、レーザー加工機でカットした場合、インク部分が割れることがなく、縁なしカットができる。
フラットベッドタイプのUVプリンタ「XpertJet 1462UF」は、合皮やボードへの出力を実演している。合皮への出力では、インクの柔らかさを強調。小物入れ風に加工したサンプルを配布している
「ValueJet 628MP」では、同社独自のMPインクを生かしたホログラムのステッカーを出力。「UVインクではホログラムの素材感が消えてしまうので、MPインクを使用したいというユーザーが増えており、ホロはキラーコンテンツに成長しつつある」と担当者。
上野山機工は、韓国MANPROTEK社製のDTFシステム「GRAVTY PRO」を展示した。同機は600㎜幅、5ヘッドで毎時30mのプリントができる。
担当者は「他社の従来製品に比べて1.5倍の出力速度がある。プリント品質も良く、薄くやわらかな風合いを実現した」と説明する。湿式ワイバーを採用しており、詰まりも低減するなどこれまでの課題を解決している。
「ProPlacelQ」は、プロジェクターが付属しており、投影可能なテキスタイル用ヒートプレス機。デザインを投影させることで位置合わせしやすく、作業効率を大幅に上げるという。プレスは自動式で、2台のプラテンを交互にプレスできる
「DTFは切り抜きの必要がないことから、形状が複雑なデザインが多く、位置合わせに苦労することが多い。同機はこれを解消する」と担当者。
エプソン販売は自社のプリンタを多数デモンストレーションしている。
「SC-F1050」は、DTG・DTF兼用プリンタで、モードの切り替えのみで両方のプリントに対応する。帳方式で出力したTシャツを触れて確認できる。
「SC-V1050」は卓上サイズのUVプリンタで、アクリルグッズの各種サンプルもあわせて展示している。
ユーロポートは各社のプリンタや加工機を展示。
展示品はUVプリンタではローランドディー.ジー.「MO-240」、エプソン「SC-V1050」。DTG・DTFプリンタではエプソン「SC-F1050」、ミマキエンジニアリング「TxF300-1600」「TxF300-75ep」はシェイカーと繋いで展示している。
ヴィヴィッドクローバーはDTF「SHT-400i」を展示。最大出力サイズは400㎜で、最大出力解像度は2400dp。プリンタとシェイカーが一体型になったコンパクトな設計が特長だ。
担当者は「すでに数台を販売している。置き場所が少ない狭小な工場でも設備可能」と話す。
システムグラフィの昇華転写プリンタ「TexStylus1900BS」は、毎時45㎡の高速プリントが特長。プリント前とプリント後それぞれに、転写紙を張るためのテンションバーを装備しており、転写紙を安定して搬送する。乾燥用ヒーターは、風量と温度が調整できる2台を搭載している。
DTF用のオリジナルロールフィルムも紹介している。
モノファクトリーの「MF200」は、自動缶バッジ製造機。材料を重ねて治具に入れれば、排出は電子マグネット式のアームが行う。完全国産で2年前から販売し、すでに50台以上を販売している。
ジェットグラフの新製品「バブルアップ」は熱を加えると膨らむイタリア製の素材。カッティングプロッターで切り抜いて、Tシャツなどに貼り付けることでさまざまな形を再現できる。色はメタリック系を中心に10種類。イタリアでは22種が販売されていることから、今後追加の可能性もある。
テクノプロモーションは、卓上プリンタでDTFを行うシステムやそのシートを提案。
プリンタでは家庭用改造の卓上ながらA3ワイドオールカットの製品を紹介。詰まりのない白インクを特長としている。
富安金属印刷とエイコーが共同出展。富安金属得意のペール缶印刷に加え、金属プリントを使ったメタルポスターも展示している。
ブラザー販売は「GTX Pro」にカメラとセンサーを付けた「DTEシステム」を参考出品している。
同システムは、刺繍を想定したもので、カメラで輝度差をエッジとして検出。これにより、位置合わせをせずに置くだけでプリントできる。
富士フイルムグラフィックソリューションズは、ジョブプランニング&面付けソフトウエア「Phoenix(フェニックス)」を使用したアクリルグッズの面付けを紹介している。
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