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【この人に聞きたい】第一印刷所のレーザー加工「き/ざ/む(KIZAMU)」 柳沢佳嗣取締役東京本部長&平田幹夫営業開発課長


【2021年10月4日】第一印刷所は1943年(昭和18年)創業の老舗印刷会社。新潟に本社があり、東京本部も1958年(昭和33年)に開設し、早くから東京進出を図るなど、積極的な展開をしてきた。

同社が開発した「き/ざ/む(KIZAMU)」はレーザー加工機を使用した紙加工商品。レーザー加工によるその繊細な装飾は、展示会などでも注目を集め、テレビ番組でも取り上げられた。

今回は印刷会社が挑むレーザー加工による装飾について、柳沢佳嗣取締役東京本部長と、平田幹夫営業開発課長に話を聞いた。


柳沢佳嗣取締役東京本部長(左)と平田幹夫営業開発課長(マルチメディアキッチン情報工房DOCで)

 

レーザー加工は和柄に合う

――「き/ざ/む(KIZAMU)」事業開始の経緯をお教えください
柳沢 2018年1月、レーザー加工機を導入し、これを活用してみたいということで、さまざまな加工を試し始めました。レーザー加工機の導入は初めてのことでしたので、どう使っていくかを使いながら試していったのです。当社はオフセット印刷がメインなので加工に関しては不得意な部分もありましたが、印刷物の加工仕事の一部をレーザーでできると感じました。

 

平田 そうですね。さまざまなことを試していきながら、事業としての落としどころを探しました。いざ加工をしてみたら、装飾品としての価値があることが分かりました。

――装飾品ですか。どのようなものをつくられましたか
平田 初期に採用されたのは和風クリスマスツリーの装飾です。作成してみると、なるほど和風の模様が似合うということも分かりました。

――加工されたものを見ると仙台七夕の短冊や飾りのようですね

柳沢 確かにそう見えますね。ツリーは関西の空港で採用されたものです。当社は地域貢献を大事にしている会社なので、このような形で採用されたことは非常に嬉しかったです。

平田 和風の柄を生かした引き合いでは、切り絵の御朱印が多くなっています。

――最近ブームの御朱印ですか。お寺や神社にどうやって売り込んだのですか
平田 特に売り込みをしたわけではないんです。レーザー加工機でつくったサンプルを当社のWebサイトにアップしたところ、『切り絵 御朱印』などで検索すると上位に表示されるようになり、そこから問い合わせがあり、仕事に発展するようになりました。

柳沢 切り絵御朱印は、有名な神社が作って世に出したところ、そこの御朱印に関して「どうやって作ったのか?」と寺社関連の業界で話題していただいたようです。そうした世の中の経緯もあり問い合わせが増えていきました。やはり、和のものと相性がいいというのは、こういったことからも伺えました。
御朱印ではないですが、相模原の商店街で使われた「七福神巡りスタンプラリー」も手がけました。抜きの和風柄と御朱印のような仕上がりです。

――確かにこれはすごい!御朱印関連はどのくらいの寺社仏閣から採用されていますか
平田 約20カ所からいただいており、実績をご覧になったほかの神社仏閣からも今も問い合わせをいただいています。

――リピートが多いのでしょうか
柳沢 同じデザインでリピートがかかるというものより「次は新しいものをつくりたい」というケースが多いですね。各地の神社仏閣は、参拝者を獲得したいという思いがありますから、一度来た方に、次は異なるデザインの御朱印を用意して、もう一度来てほしいという意味で新作をつくっているのだと思います。

――どのような機材を使われていますか
柳沢 Seiレーザーの「FLEXI(フレキシ)800」を使用しています。800×800㎜の加工サイズがあり、細かな加工はもちろん、比較的大判の加工も行えます。

――そもそも、なぜレーザー加工機を導入されたのでしょうか
柳沢 当社は新技術や新設備を他社に先駆けて導入する社風がありまして、レーザー加工機もその一環として導入したものです。
このほかに富士フイルムビジネスイノベーションの「Iridesse(イリデッセ)」なども導入しており、金銀を使ったデジタル印刷も行っています。
先ほどお見せした商店街の七福神巡りスタンプラリーの台紙も「Iridesse」を活用したものです。
このほかに富士フイルムの高精細で色の安定性も高いインクジェットデジタル印刷機「Jet Press 720S」も設備しています。

Xerox-iGen-5-150-Press 白トナー

「Iridesse」は金銀の使用が可能

 

「解決型」の仕事へ

――レーザー加工機とデジタル印刷の組み合わせでどのくらいの枚数を生産するのでしょうか
柳沢 200~500部ですね。多いものは1万部まで作成したことがありますが、あまり多いとコストパフォーマンスが悪くなるのでお勧めしません。ただ、1万部の時は、お客様がレーザーの細かな加工やデジタル印刷機の風合いを気に入っていただいたので、要望を受け入れてこの生産方式を取りました。

平田 やはり、2000部ぐらいまでがデジタルとレーザー加工機が生きる限界で、1000部以下くらいが最もコストパフォーマンスのいい数量です。
もちろん抜型でもいいのですが、レーザーと違い、抜型には抜ける形状や細かさに制限があります。また、抜き型をつくるコストもかかってしまうので、一度レーザー加工で満足されたお客様は、もう一度レーザー加工を選ばれるケースが増えていますね。

――このような形で再度注文が来るというのは素晴らしいですね
柳沢 ありがたいですね。もともと「付加価値の高い仕事をしていこう」という思いがあり、単純な価格競争に陥らないための技術として、新たな印刷方法や加工方法を求めてきたので、こういった仕事で認めていただくのはうれしいです。

平田 御朱印関係のようなお仕事は、特に付加価値が高く、当社にとってもありがたい仕事です。

――今後「き/ざ/む(KIZAMU)」でやっていきたい仕事などは
柳沢 東京本部としては、東京エリアで戦える、尖った強みとして、この「き/ざ/む(KIZAMU)」を活用していきたいと考えています。レーザー加工機を入れて本格的に稼働させている印刷会社は意外に少ないので、他とは異なる技術として差別化していきたいと考えています

今後は、やはり顧客の課題を解決する「解決型」の仕事をしていかなければならないと考えています。また、顧客がワンストップで発注できるBPOやフルフィルメントへの対応も始めており、レーザー加工機はもちろん、デジタル印刷機をはじめとした他の設備も役立てていきたいと考えています。
ぜひ、多くの方からテーマをいただきながら、「き/ざ/む(KIZAMU)」の事業を拡大していければと思っています。

 


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