【2025年7月17日】TOPPANエッジは、相続手続きを完全オンライン化するSaaS型サービス「オンライン相続受付WEB」を、銀行や証券会社、信用金庫向けに提供開始した。
申請から完了通知まで、すべて非対面で完結する仕組みで、金融機関向けとしては国内初の提供となる(同社調べ)。
このサービスは、PCやスマートフォンから相続手続きに必要な登録や書類提出を行えるのが特徴。利用者は自宅などから必要書類をアップロードし、進捗状況を確認できる「マイページ」も用意されている。不備対応もオンライン上で完了するため、窓口への再来店や書類の再送付が不要となる。
従来、1件あたり平均約50分かかっていた相続の簡易手続きが、約20分に短縮される見込み。業務にかかる人的・時間的負荷の軽減により、金融機関は他の業務へリソースを振り分けることが可能になるとしている。
利用者に配慮した画面設計も特徴の一つだ。手続き画面では、日本グリーフケア協会の監修のもと、死別直後の申請者に負担をかけないよう、簡潔な設問や表現の選定がなされている。冒頭にはお悔やみの言葉が掲載され、「死亡」など直接的な表現は可能な限り避けるなどの工夫も加えた。
背景には、死亡者数の増加と、それに伴う相続関連業務の拡大がある。2023年の国内の死亡者数は157万人を超え、2025年には団塊の世代が全員75歳に達することから、相続手続きの需要は今後も高まるとみられている。
金融機関側では、業務の専門性の高さから人材不足が顕著で、書類の不備や申請者との連絡の煩雑さなどが課題となっていた。部分的なオンライン化は進んでいるものの、手続き全体がオンラインで完結するサービスの導入は進んでいなかった。
TOPPANエッジは、これまで金融機関の事務処理を受託してきた実績を生かし、関連業務をトータルに支援する体制も整えている。例えば、手書きや崩し字の戸籍を解読して相続人を特定する「相続相関図作成支援サービス」なども組み合わせることで、より高度な業務支援が可能としている。
導入費用は初期700万円から、運用費用は月額50万円から。オプション機能によって別途見積もりが必要となる。
同社は本サービスを今後、主に銀行や証券会社を中心に展開し、関連するBPOサービスと合わせて2028年までに約17億円の売上を目指す。また、相続業務のDX・BPO支援を強化する「Hybrid-BPO」サービス群の展開も予定している。
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