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メディアテクノロジージャパンセミナー ソニー包装設計課 田部井有子氏が講演「ソニーが見るパッケージのトレンドと、校正の重要性」


メディアテクノロジージャパン(MTJN)は1月20日、江東区中島のホワイトカンバスMON-NAKAで、「紙器パッケージ分野向け トータルワークフローセミナー」を開催。印刷関係者など約70人が参加し、3者が登壇した。

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「ソニーが見るパッケージのトレンドと、校正の重要性」では、ソニーサウンド&プロダクツ 共通設計部 包装設計課の田部井有子氏が以下のように講演した。

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包装の役割
当社はソニーが進める分社化の中で生まれた会社で、主にヘッドフォンやポータブルオーディオ関連を事業領域としている。

当社が包装に求める役割は
「製品品質の保護(品質保持や寿命増加)」「輸送効率の高さ(効率的な輸送効果や届けやすい形状)」。
そしてこれが非常に重要なのだが「情報伝達の役割」だ。
包装にかかわる購入パターンでは

「商品の内容記載を見て」
「パッケージデザインを見て」
「パッケージの写真を見て」
などに分類される。

パッケージデザインが良くなければ売り上げに響くのは間違いない。
特に最近はパッケージの写真を見て購入されるお客さまが多く、欧州ではパッケージの写真と商品の色が違うという理由で返品になったこともあった。パッケージデザインは会社の顔になっている。

パッケージが売り上げを左右
デザインで気を付けている点は、
「商品をよりよく見せる」
「商品カテゴリーの統一感」
「商品やパッケージの色味」
お客さまが店頭で最初に目にするのが商品の包装。パッケージには商品広告の役割が大きいと感じている。
商品はカラーバリエーションを多く用意することが当たり前になってきている。メーカー側が「この色しかありません」というのではなく、ユーザーがほしい色をリサーチし用意する。当然この多くのカラーバリエーションに合わせてパッケージも用意する。

当然パッケージと商品の色味があっていることが大事。

黒の背景に黒のアンプというパッケージは「どんな商品かわからない」という理由で売れなかった。
次期商品は配色に気を使いベースを白にすることで、しっかり商品が見え、売り上げは2倍になった。
商品写真をCGにした四角いラジオ。これは全く売れなかった。
お客さんは目が肥えてきておりCGの安っぽさに気づいてしまう。これ以降、当社のパッケージではCGは禁止になった。

パッケージデザインのフローと課題
デザインから版下会社に製版依頼し、その製版データをもとに色校正を作成する。当社ではこれが1年間800版で、1億円くらい使っている。

印刷は生産拠点のある中国や東南アジアで行っているが、色校正で上がってきた印刷物は大概がNG。毎回「全然大丈夫です」というが、一発で出てきたことはない。

結局、中国に行って立ち合い、夜中まで色校正。それは非常に大変で費用もかかる。
理由は印刷会社のオペレーターのスキルが低いことや、ベースとなる紙とインク、機械の違いなど。また、人の見た目の違い、感性の違いがあることも理由だ。

現在、当社ではカラーマネジメントを強化しはじめている。
行うのは
「必要な環境を整える」
「必要なパラメーターは数値で管理」
「環境統一のために用いる規格」

専門家ではないため、色の数値管理が非常に難しい。仕様書にパラメーターを用意し指示を出そうとしているが、どのように管理したらいいのか。今日はアドバイスをいただきに来たという面もある。新たな取り組みでは、デジタル印刷オンリーでのパッケージ生産を前提に、ソニーストアで限定版モデルを販売している。こういった取り組みも増やしていきたい。

 

MTJNから2氏が講演
「メディアテクノロジー ジャパンが提案する紙器パッケージワークフロー」では、MTJN営業本部ソリューション統轄部グラフィック事業推進部の奥村建担当副部長が「印刷の当たり前を変えていく」というテーマを打ち出している自社の製品を紹介した。

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デザイン設計部門には「CAD Mark-EV」は120万円という低価格なCADソフトを提案。
紙器パッケージのプレゼン用にはパソコン上で仮想のモックアップを検討できる「CreativeEdge IC3D」がある。
また、プルーフ用やプレゼン用には各種インクジェットプリンタ(IJP)を用意している。

このほか、製版部門向けに特色の網点変更をジョブごとにできるようになった「EQUIOS」や在阪フィルムのデジタル化が可能なワークフロー、Adobeのデータそのままで製版処理できる「Pack#」なども紹介した。
「紙器パッケージ用校正システム:LabProof SE+Proof Jet F780のご紹介」のテーマでMTJN営業本部ソリューション統轄部グラフィック事業推進部の徳田尚子氏が「LabProof SE + Proof Jet F780」を紹介した。

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同機は本紙対応のプルーフシステム。四六全判まで対応しており、最大用紙サイズは788×1,091mm、最大印刷サイズは736×1,040mm。出力解像度は720×1,440dpi。

水性インクで膜厚が薄く、網点出力対応していることから、本紙に近い校正が可能だ。

 

この日はセミナー後に、紹介した製品を実演。参加者が実際の出力の様子やシステムの操作を熱心に見学、それぞれの製品に質問する姿が見られた。


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