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【工夫と創造のこの企業】富安金属印刷 「オリジナル缶」が話題 大判プリンタで1個から作成可能


【2019年6月24日】「オリジナル缶」は、ペール缶と呼ばれる大型の缶の外周に、独自のデザインを1個からプリントできるという画期的な商品。この商品を開発した富安金属印刷は1964年創業の老舗印刷会社。缶をはじめとした金属への印刷では、その技術力や多様な缶への対応力で定評がある。埼玉県草加市の本社工場のほか、大阪工場や広島工場を持つなど全国に規模で事業を展開している。
昨年発表された「オリジナル缶」について、その開発の経緯や製品の特徴、今後の展開などを、同社技術開発部の高山聖一部長に聞いた。

――高山さんが所属する「技術開発部」について教えてください
新しいマーケット開拓をするために、「営業開発部」と「技術開発部」が2年前に発足されました。自分自身が、オフセット印刷時のCTP立ち上げや印刷物を検査する検査装置の立ち上げなど、デジタルにかかわる部分を得意としているため、IJP「Acuity Select28」の導入(2018年11月)や立ち上げ、活用を各部署と協力しながら行っています。

――生産用の機種は最初から富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ(FFGS)の「Acuity Select 28」を導入する前提ですすめたのですか
いえ。当初は別の大判IJPも考えており、テストを繰り返してきました。しかし、缶を作るための金属板という特殊な素材なので、他社のIJPではどうしても希望した品質にならず、試作を繰り返しながら機種を絞り込み「Acuity Select 28」が適していると判断しました。

――「オリジナル缶」開発の背景は
当社は、技術力には自信がありました。その技術はオフセットによるものです。
しかし、オフセットで大量に缶への印刷を行う市場は成熟しており、今後は急激に伸びるわけではありません。そんな中で1つの商品に大きな付加価値を付けられると考え、この「オリジナル缶」を企画したのです。

もう一つ、この製缶業界は分業制で「クライアント」→「製缶会社」→「印刷会社(富安金属印刷)」という流れで仕事がきます。当社は材料預かって、工賃をいただくので、在庫を持たず、リスクの少ない事業です。一方で、クライアントの意向を直接知ることができず、製缶会社からの発注を待つ、受注産業でもありました。
これを「オリジナル缶」という自社ブランドを持つことで「クライアント」→「当社」→「製缶会社」という新たな商流を作れるとも考えています。
クライアントの顔を直接見られる仕事になるので、当社としては非常に勉強になる取り組みとも言えます。

――商品の特徴は
「オリジナル缶」に使用するペール缶は、高さ365㎜、上面の直径305㎜と大きさがあり、デザインする面が広いため、遊び心やさまざまなコンセプトを持った使い方が可能です。
使い方も、中にモノを入れる保存用の缶としてはもちろん、重ねたり、並べたりでディスプレイとして、上面部分にはクッションが付いているので椅子としての活用も可能です。
UV硬化型IJPは、そのクッションにも出力できるので、缶全体へのデザインが可能です。
缶に今を印刷する「CANOW(カナウ)」やインテリアとして使用して頂ける「CANTERIOR(カンテリア)」というシリーズの提案もしています。
(CANOW/CANTERIOR は商標登録済み)
ペール缶は常時生産しているので、製造ロスも少なくこのような商品が実現できています。

――どのような用途につかわれていますか
少年スポーツの卒団などの記念に使われています。サッカーや野球などでは、チームの集合写真をプリントすることで、記念品としてもらえるケースが多いです。
また、七五三などの記念にお子さんやお孫さんの写真、ペットなどと一緒に撮影して、プリントするという需要もあります。
大別するとスポーツ、アニバーサリー、プレゼント、販促品、ディスプレイなどになります。

――BtoBとBtoCどちらが多いですか
まだ、事業自体が立ち上がったばかりなので、どちらがというのは言い難いですが、基本的にはイラストレーターなどが使用できる企業と取引が多くBtoBが中心になります。当社でもテンプレートなどを用意していますが、まだ個人の方ではハードルが高いかもしれません。もちろんBtoCでもデータ作成いただければ、こちらで出力可能です。

――製造の面での特徴や優位点は
金属そのものにプリントしていますが、IJPをそのまま使用できるわけではなく、金属板にアンダーコートをしてから出力しています。
この点はオフセット印刷の時から培った技術を応用しており、他社では真似できないものでしょう。
製造技術に関しては、ペール缶のトップ企業であるジャパンペールとともに特許を出願しています。

また、当社はさまざまな製缶会社との取引があります。
印刷会社から提案することにより、さまざまな缶の大きさのバリエーションを展開できると考えています。

 

富安金属印刷
http://tomikin.co.jp/

 


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