【2017年4月10日】お酒のおつまみ、映画を見ながら、食べたくなるあのスナックといえば、そう「ポテトチップス」だ。
起源は19世紀の米国、「ポテトフライが厚すぎる」という客のクレームで作り直しをさせられた店主が、嫌がらせでフォークに刺せないほどの薄切りのフライドポテトを出したことからという。
そして日本でこの食べ物をここまで広めたのは間違いなくカルビーだろう。
カルビーでは発売当初、ポテトチップスが店頭に並んだあとに酸化し、味や香りが劣化してしまうという課題を抱えていた。
発売当初からの包装の変遷や今の商品の包装について、カルビー 研究開発本部食品法務部の澤田遍範氏に話を聞いた。
【この人に聞きたい!】スナック菓子のパッケージを変えたカルビーの鮮度政策って?後編 カルビー研究開発本部食品法務部 澤田遍範氏
当社が「ポテトチップス」を発売したのは1975年のことでした。
当時使っていたパッケージはバリア性がなく、外気を通してしまうため、油菓子であるポテトチップスは酸化しやすく、お客様からさまざまなご指摘をいただきました。
ご指摘の内容は「油の酸化によるにおい」「食べると苦いといった味の変化」などがありました。
さらに「ほかの商品ににおいがつく」といったご意見もあり、これは「かっぱえびせん」などの他の商品でもいただいていたそうです。
ポテトチップスを日本で売り出すにあたり、包材は変えなければならないということで、当社では「鮮度政策」という取り組みをはじめました。
その一つがパッケージの変更です。
パッケージには「VM-PET」と呼ばれるアルミ蒸着フィルムを使用したのですが、流通や小売からはもちろん、社内からも反対があったそうです。
「中身が見えないお菓子は売れない」というもので、
今では考えられないことですが、お菓子であっても食品は中身を見せて売るのが当たり前でした。
当時のお菓子のパッケージは、せんべいなどでみられるような透明フィルムで、中身が見えている時代。
もちろん、初代ポテトチップスも発売当初は、中身が見えていました。
しかし、そこに先ほど言ったような苦情が来るわけです。
「VM-PET」にはもう一つの問題がありました。
当時使用していた軟包装フィルムに比べて、非常に価格が高いということです。
「VM-PET」は着物などの包装に使われていた高級包材で「1袋100円のお菓子にこれを使って、採算が合うのか」という声もあったのです。
ただ、「鮮度政策」で一番需要なのは、お客さまに「おいしい」と言って食べていただくこと、また、他の商品ににおいが移るなどというのも商品を売るうえでは大問題です。
当時の担当者とパッケージ会社の方たちが懸命に努力し、他社にはなかった「OPP」「PE」「VM-PET」「PE」「CPP」の5層構造を作り上げました。これにより、酸素だけでなく紫外線の透過率も1%程度に抑えられるようになりました。
【この人に聞きたい!】スナック菓子のパッケージを変えたカルビーの鮮度政策って?後編 カルビー研究開発本部食品法務部 澤田遍範氏
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