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「プロダクションデジタル印刷/POD 市場コンファレンス 2018」レポート キーポイントインテリジェンス主催

【2018年11月15日】キーポイントインテリジェンスは11月14日、東京コンファレンスセンター・品川で「プロダクションデジタル印刷/POD 市場コンファレンス 2018」を開催した。

キーポイントインテリジェンス PODコンファレンス

「プロダクションデジタル印刷/POD 市場コンファレンス」は、トナープリンタやインクプリンタなどに関して、同社が調査した統計や資料を元に、日米の同社アナリストが毎年この時期に報告を行っている。

 

ゲストスピーカー講演

今回はゲストスピーカーとして、グッドクロスの原田大輔社長が登壇。オンデマンド名刺印刷とコールセンター事業などをマルチに行う同社の取り組みについて、インタビュー形式で発表した。

キーポイントインテリジェンス PODコンファレンス

原田社長の講演内容は以下の通り。

――自己紹介を
IT系の仕事をしていて印刷業に参入しました。業界内では、いまだにアウトサイダーと言われます(笑)。
我々のような業界外の人間でも、デジタルプリント機器が登場することによって、印刷業界への参入障壁が下がったので、このようなことができていると感じています。

――このほかに留学支援やコールセンター事業、決済事業も行っているが売上比率は?
コールセンター60%、印刷が20%、決済10%、その他10%です。
印刷ビジネスも柱の一つになっています。

電子決済市場の特徴は、コンビニ決済をメインで取り扱ってきました。開始当時は、若年層がクレジットカード持たない時代で、コンビニが利用された。銀行が24時間営業になる時点で難しくなるかなと思っていたが、キャリア決済に変わってきています。

――ウェブでの名刺印刷は草分け的?
そうですね。特に定価で名刺を印刷するサービスは当時ありませんでした。
また、先払いを採用している会社が多く、私はそこに抵抗感がありました。なので、定価、後払いを徹底していました。

――親の写真集を作る「オヤボン」や活版印刷を行う「紙成屋」事業は
だいたい、若手がやりたいというのでやっています。
やりたいと言って機器を買っても、ほっぽり出されることもありましたが、楽しいことをしていくのが重要なので、行っているというのが実態です。

――コールセンター事業概要と印刷業の連携は
クライアントは、ネット販売系やメーカー、外食、リクルート、マスコミなど多岐にわたります。
コールセンター事業では、食えアイアンとのキーマンが出てくるので、さまざまな話の中から必要であれば印刷に繋げられます。
「コールセンター×印刷連携」というのは可能性があると思いますし、よく印刷業がハブになりえると言いますが、コールセンターも同じです。

――事例を紹介してください
インフルエンザが大流行した年。緊急でワクチン接種の呼びかけが必要となったのですが、行政機関なら準備に1、2週間かかるところ、当社では2、3日で用意できました。
また、ガソリンスタンドが対象のアンケートでは、印刷と送付だけでは20%台だった回収率を、コールセンターを組み合わせることで80%台まで回収率を上げました。

キーポイントインテリジェンス PODコンファレンス

生意気な言い方になるかもしれませんが、このようなチャンスを、多くの印刷業が拾えていないと感じます。
色がきれいにのっているかなども非常に大事ですが、それはオペレーターさんの仕事であって、幹部の方たちは顧客のサービスの中身を知ることが大事で、それができれば、その内容まで提案できるのではないかと思うのです。

――複数の会社のデジタルプリンタを繋いで、安全保障をする構想があるとか
インターネット普及の中でPCがスタンドアロンからネットつながりました。
一方、デジタル印刷機はLANポートが付いているのに、スタンドアロンであるケースが多い。
当社のような小規模会社は大量の受注をプリントしきれず断るケースもありますが、これをネットワークし仕事を分散すれば機会損失がないですし、会社にデジタルプリンタを置いておくだけで勝手にプリントし稼いでくれるというビジネスも可能になると思うのです。
これを印刷業組合などの団体が行えばBPO対策にもなります。

 

「印刷業界の大量マスカスタマイズ」

「印刷業界の大量マスカスタマイズ」ではリアン・マクビー氏が「マスカスタマイゼーションの実現には何が必要なのか」について以下のように報告した。

キーポイントインテリジェンス PODコンファレンス

印刷会社は少量が多くなってきたと悩んでいるが、リーダー企業は自動化して効率化を高めている。

マスカスタマイズできる企業は
「ジョブのオンボーディングが得意」
「文章化、標準化されたプロセスでできる」
「オーダーを受けた時にSMARTなソフトを使ってプリントできる」
「今あるプロダクションの技術を使える」
といった特徴がある。

キーポイントインテリジェンス PODコンファレンス

マスカスタマイズの実現には、コントロールするシステムが使いやすくなり、スマホのアプリくらいの感覚で、ダウンロードし使用できるようになればいい。

このほか、プロダクションデジタルプリンタに関する「市場予測」「国内市場」「中国市場」「調査ハイライト」などが報告された。
同社ではこれらの調査内容をレポートでまとめており、販売も行うほか、さらに詳細な調査の依頼も受け付けている。

詳細は以下から
http://keypointintelligence.jp/research-consulting/domestic/index.html

 

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