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デジタルテキスタイル研究部会が講演会を開催 大野彰得氏「インクジェットで川上・川下はなくなる!」


【2018年8月24日】デジタルテキスタイル研究部会講演会「デジタルテキスタイルが切り開くファッション産業の新たな潮流 [Part2]」が8月23日、東京都渋谷区代々木の文化学園大学で開催され、100人以上が参加した。
主催はファッションビジネス学会デジタルテキスタイル研究部会。

デジタルテキスタイル研究会

デジタルテキスタイル研究部会は、2017年4月設立の研究会。企業と消費者との関係が変化する中、ファッション産業の新しい飛躍を目指して、情報提供や意見交流を行うことを目的に立ち上げられた。

今回も世界的な潮流となっている「デジタルテキスタイル」に関して、3人の専門家やメーカー担当者が最新の情報を発信した。

『世界のデジタルテキスタイル動向』大野インクジェットコンサルティングの大野彰得代表が世界にインクジェットの潮流に関して話した。

 

世界のデジタルテキスタイル動向

私がインクジェットプリントを進めるのはその環境性。
捺染プリントの現場では、やはり工場環境が問題とされている。写真は中国の捺染工場だが、非常に汚い。職場を選ぶ基準として「そこで自分の子どもを働かせたいか」という言葉があるがどうだろう。このような環境が劣悪な工場は日本には残らないはずだ。

デジタルテキスタイル研究会

機器の現状では、ワンパス機はスピードや画質などは成熟し始め、伸びしろは少ないが、細かい改善点は出てくるはずだ。中国では、昇華転写プリントが数の上で広がりつつある。

Tシャツなどにプリントするガーメントプリンタは、Amazonや楽天などの物流センターが購入し、注文されたデザインをプリントし片っ端から配送していくというビジネスが確立されつつある。

◇世界のIJインクジェット市場
世界のインクジェット市場はどのくらいか。
世界の布の市場がすべてで200億m、300億平米(関東)と言われている。これを100とするとインクジェットの生産量は3%ほど。このうち置き換わりが1.5%、新規事業が1.5%となっている。

デジタルテキスタイル研究会

インクジェット市場にいる我々は、今どこにいるのか。
すべての布の生産の中の10%が捺染で、その捺染の中の3%がデジタルプリントと言われている。これはすべて業界の川中だけの話だ。
インクジェットの用途は、川中の捺染にとどまらず、織物や編物、単色染めに広げていくこともできるはずだ。

◇業界の壁を打ち破る
テキスタイルの世界は「川上」と「川中・川下」がしっかり分かれていて、大きな壁があるが、インクジェットでこれを打ち破ろう。

デジタルがもたらすのは以下のものがある。
第一段階は「プリント技術の革命」で、無版化、環境対応、表現力の広がり、省人化、遠隔データ送信がある。そして、我々は今、このあたりで止まっており、あくまで川中の中で、動いているに過ぎない。

第二段階は「既存のビジネス。流通の破壊」になるだろう。
起こることは
「個からネット経由の直オーダー:従来流通チャネルを中抜き」
「個からネットのオーダーデータ:製造プロセスまで一気通貫」
「個からネット経由の個別データ:デザインやサイズのカスタマイズ」
「デザインのアップロード:デザイナーの解放、エンド顧客との直マッチング」
「デザインのクラウド化:デザインデータの活用」

今朝、面白い記事を見つけた。「高校野球のスコアをTシャツにする」というもので、スコアに商標がないことから、インクジェットを使ってこのようなアイデアが形になる。
こういったアイデア勝負では、川上や川下はない。

デジタルテキスタイル研究会

◇あなたには何ができるか?
私はインクジェットプリントの発展で、このようなことができるかを考えている。
「川上(捺染)の合理化を狙うのか」
「Amazonのやっていることは壮大な中抜き」
「川中・川下までの統合モデルを狙うのか?」

加速するには何をすればいいのか、垣根を意識的に取り除かないといけない。ガラパゴスの引きこもり日本メーカーにそれができるのかが問われている。
「あなたは何をやりますか?あなたにそれができますか?」と問いたい。

デジタルテキスタイル研究会

 

同イベントではこのほか、「『型絵染』の魅力と,伝統にとどまらない可能性」(文化学園大学 染織研究室 教授 佐藤百合子氏)、「ホールガーメントRとフラットベッド型インクジェットプリンティングマシーンの活用事例」(島精機製作所 SIP販売グループ 課長代理 山本展宏)などの講演が行われた。

 


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