【2017年5月16日】世界最大の印刷関連機材展「drupa2016」以降のデジタルプリントについて、デジタル印刷機メーカーから話をきいているこのシリーズも6回目となった。
メディアテクノロジージャパンは、SCREENホールディングスの国内販社として、製版やそのシステムの販売を手掛けてきた会社。デジタルへの取り組みは約10年前からで、主力機の「Truepress Jet520(TP-J520)シリーズ」は特にフォーム印刷関連での導入が多い。
今回はメディアテクノロジージャパンVP営業統轄部の松永邦愛統轄部長に話を聞いた。
「シリーズ デジタルプリント」第6回 メディアテクノロジージャパン<後編>
――デジタルプリントに関して概況を教えてください
弊社のデジタル印刷に関するこれまでの取組みを簡単にお話しします。
当社のデジタル印刷機で主力となるのは2007年リリースのフルカラーインクジェット「Truepress Jet520(TP-J520)シリーズ」です。
TP-J520を含めたカラーバリアブルプリンターの活用は、この10年で劇的に拡大し、今では日々当たり前のように「圧着はがき」や「各種通知物」「学参物」などフリカラーバリアブルの印刷物が自宅に届く時代になりました。
しかし2007年当時は、フルカラーバリアブル業務などほとんど無く、私どももTP-J520がどういう使われ方をするものか、どうしたら仕事が創れるのか、520ユーザーに教えていただきながら、少しずつ勉強し、機械を改善していきました。
2010年8月、東京の科学技術館で、プライベートショーを行い、コンベンショナルな印刷とデジタル印刷のつながりを、目に見える形で紹介したところ「こういう環境が常設されたらビジネス創出の場になる」と非常に良い反応をいただきました。
その実現のため、2011年、他社に先駆けて「フロントからバックエンドまで一気通貫でソリューションを体感いただける」ショールーム(ホワイトカンバス MON-NAKA:東京都江東区越中島1-1-1)を開設、各種加工機も設置しながら、付加価値印刷を実感いただける場所として、今も多くのお客様にご来場いただいています。
現在、日本のフルカラー連帳インクジェット印刷機の稼動シェアは、当社がトップだと考えていますが、この普及には、データプリント市場で実績のあった昭和情報機器様から、TP-J520の販売代理店としてノウハウを提供いただいたことも、大きな後押しになったと感じています。
――貴社の強みは
印刷機本体、検査装置、RIPのすべてを自社開発しています。
このため、新たな業務創出に向け、ユーザー様の要望に合わせた改良・改善が迅速におこなえる点が強みではないかと感じています。
また、弊社はプリプレスの世界から入ったので、データや、カラーマネジメント(CMS)の技術の蓄積がありました。
データプリント分野でもPDF運用が増加、またフルカラーバリアブル印刷に移行していく流れの中で、PDF運用とCMSのノウハウをビジネスフォーム業界のお客様にご提供できた事も、弊社の大きな強みだったように思います。
さらにトータルワークフローの「EQUIOS」は、CTPワークフローとIJ技術が融合したさまざまな処理で、デジタル印刷の使いやすさを実現しています。
――かなり、実績と実力を蓄えられてきたということですね
と言いつつも、2007年からの10年間は、お客さまに教えられながら、過ごした10年でもありました。
まずTP-J520の稼働安定性は、初期段階の課題でした。
ユーザーが行っているトランザクション業務は、休日や深夜も待ったなしでの稼働が求められます。繁忙期に24時間休まず機械を動かすユーザーに「対応できるのか」「しっかりとバックアップできるのか」というテーマを持っての挑戦でした。
「実績はないが理論的にはいける」とは考えていました。
しかし、運用実績が出てこないと見えない部分もあるので、当初は緊張の毎日でした。
当時はすぐに対応できるよう、枕元に携帯電話を置いて寝ていましたね(笑)。
現在は数々の経験を積んだ専任技術者が多数育ち、安心してTP-J520シリーズをお使いいただける体制が構築できました。
おかげさまで、今ではほとんど私に緊急電話が入ることもなくなりました。
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