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【ちょいとコラム】「2024年新春大予言」 今年起こりそうな4つのこと!(前編)

【2024年1月15日】2024年。元日にいきなり地震、2日には大きな事故が続くというとんでもない年の始まりになってしまい、本当に驚きと悲しい気持ちでいっぱいです。

記者の実家(新潟)は、震度5強の揺れがあったそうですが、大きな被害はありませんでした。しかし、母は一晩、近所のお寺に避難することになり、そこには100人ほどの近隣の方がいたそうです。また、墓石が倒れ、がけ下に転落するという被害がありました。
能登地方ではまだ救援を待つ方、被災されて避難先で過ごされている方がいらっしゃると思います。どうか一人でも多くの方がご無事で、安全に救出されることを祈ります。

さらには2日には、航空機事故も起こりました。
日航機の脱出劇が賞賛されていますが、亡くなった方もおり、凡ミスの後のスーパーファインプレーという感じで、何か割り切れないものがあります。

こんな、2024年のスタートですが、未来に向けて予言をしていきたいと思います。

 

脱印刷から活印刷へ

凸版印刷が昨年10月1日、「TOPPAN」という、元ネタが何かわからないような社名に変わってしまったのは記憶に新しいと思います。「TOP PAN(トップ パン)」ならベーカリーショップになりそうですが、実際に同社の仕事の内容はどんどん印刷から離れています。


ウチに届けられるプレスリリースでも、TOPPANは半分以上が印刷以外という印象。
ここ最近のだけを並べても

TOPPAN、同時通訳技術を活用した博物館などへの遠隔ガイドサービスの実証実験を実施

東京国立博物館とTOPPAN、2024年新春に「TNM & TOPPAN ミュージアムシアター」でVR作品『江戸城の天守』を上演

TOPPANとFPTグループ、メタバース事業拡大に向けて協業

TOPPAN、介護施設向けオンライン初詣イベント「増上寺と雅楽で迎える新年のしらべ」を上演

と、どこが印刷屋さんなんだ、むしろパン屋さんでもおかしくないだろうという内容です。

これは大日本印刷(DNP)も同じ、

DNPグループの社員3万人を対象に「アンコンシャス・バイアス研修」を開始

MaaSで気軽におでかけできるまちに向けて実証実験開始!

デザインの力で再生プラスチックの価値を高める「Recycling Meets Design展」を開催 ― 

パスポートのオンライン申請向け顔写真フォーマット機能を証明写真機アプリに搭載

メタバースで企業と顧客のコミュニケーションが活性化する新機能を提供開始

生成AIの回答精度を向上させる独自のデータ整形技術を開発

と印刷と直接関係ありそうなのは、証明写真機のニュースくらい。
もはや印刷会社じゃないようです.
まず一つ目の予言は、大日本印刷が今年「D-AINIPPON(ディーアニップオン)」に社名変更することです(もちろん冗談です)。

このように印刷の上位2社が印刷から離れていく中で、業界全体も印刷離れするのは当然でしょう。
皆さんご存じでしょうが、印刷の市場規模は1997年の約9兆円をピークに下がり続け、現在は5兆円を割り込んでいます。つまり印刷の市場規模は半分になったということです。

その中で、前述の2社の売上は半分になっているでしょうか。そんなことはなく、凸版印刷は約1兆6000億円、大日本印刷は近年、1兆4000億円前後で推移しています。
当然ながら、印刷の分野が伸びているのではなく、印刷以外の分野が伸びています。

TOPPAN事業構成比

大日本印刷事業構成比

話が変わりますが、昨今、日本で話題になっている「ライドシェア導入」。
テレビではコメンテーターが、新聞では解説員が「安全性は大丈夫か?」なんて、トンチンカンな批判をしていますが、導入した方がいいに決まっています。
「安全性」なんて全然心配ありません。


アメリカ西部、銃社会のダラスでUberを利用したことがありますが、まったく安全で問題ありませんでした。むしろアプリを使って乗車位置と目的地を知らせるので、タクシーのように言葉を話す必要がなく、現地語が大してできなくてもノンストレスです。客とUverのドライバーが相互に評価をするため、格付けの低い人は、排除されていく仕組みもできています。
日本で導入されない理由は、一言で説明できます。国会議員が「タクシー業界から金をもらっているから」です(与党も野党も)。

ここでタクシーの仕組みを分解して考えると、「自動車」と「無線」です。自動車を保有して無線で乗務員とつないで配車するというのがタクシー会社の持っている仕組み。
ガソリン自動車は1886年(蒸気自動車は1769年)、ドイツ人のゴットリープ・ダイムラーが発明し、無線は1895年、イタリアの発明家マルコーニが発明しました。
両方とも19世紀の技術なのです。

さて、今どき無線を使って人に会う人がいるでしょうか?今は電話さえ掛けると若者からはウザがられます。
Uverが証明したように、ネットとGPSを使えば、そんなものを使う必要がない、言葉さえ使う必要がないのです。タクシー会社の本部や配送係、車庫などもいらず、その分コストも下げられます。現在、課題になっているように、過疎地域ではタクシーどころか交通手段もないお年寄りも増えている(筆者の母もその一人)のだから、すぐにでも認めた方がいいのに…。

自動車が開発された頃、馬車屋は「あんな速度の速いものが走ったら、危ないから規制しろ!」と反対したそうです。実際に英国では蒸気自動車を規制する「赤旗法」が制定されたこともありましたが、もちろんそんなことが長く続くはずもなく、現代の英国では街で馬車を見かけることは無くなりました。
ちなみに、赤旗法を制定した英国では自動車産業がドイツやフランスに比べて大きく後れを取りました。日本のライドシェアも同じで、既得権益に配慮した結果、すでに大きく後れを取っています。

長々と他業界のお話をしましたが、印刷業界も同じです。「情報」を載せる媒体としての印刷物は20世紀の終わりに登場したインターネットのおかげで、ほぼ意味をなくしました。
皆さんも今、これを読んでいるのは、そのネットを使ってサイトをご覧になっていると思います。

さらに今世紀に入りスマートフォンの登場で、人間の目は完全に印刷物からデジタル媒体に移ってしまったと言えるでしょう。
脱印刷は当然のことで、トップ2社の売り上げの中身を見てもそれは当たり前のことだと思います。

紙を蔡倫が発明したのが西暦105年頃で、日本ではヤマトタケルノミコトのお父さんの時代。活版印刷をグーテンベルクが発明したのは1450年頃で、日本は室町時代から戦国時代に移る頃です。よくここまで頑張ったとほめてあげたい。

では印刷はどのように使われるのか?というと、人の「心」や「行動」を促すものとして使われると考えます。
例えばカタログ、高級車のユーザーに写真集のような新車カタログと試乗会の案内が来たら、豪華客船の旅を工夫を凝らした印刷でパンフレットしたものが届けられたら、心が動かされるのではないでしょうか(ベンツや高級マンションをポチる人ってまだほぼいないですよね。豪華客船はあるかもしれませんが)。
また、街中で見るお店の看板、店構えもふくめて「安そう」「高級そう」「おいしそう」「ボリュームがある」「デートにいいな」「接待で使えるな」などと分かり、来店を促します。
商品のパッケージやラベルも、「こちらの方がおいしそう」「有名なブランドだから安心」「アレルゲンが入っていないな」など、人に選ばせる仕掛けになっています。
印刷は、「情報を提供する」ではなく「情動を促す」ものになったと思うのです。

高級車のカタログはネットで転売されている

そこで、情動の「動」を支える、印刷周辺の仕事を増やす印刷会社が売上を伸ばしていくでしょう。もちろん、最も得意とする「印刷」「プリンティング」を軸として動いていくことになるのは間違いありません。
大手2社もそうですが、脱印刷ではなく、これまでのノウハウを使った「活印刷」で稼いでく会社の増加が加速するというのが最初の予言です。

プリント&プロモーションでも昨年から「シリーズ二刀流」という、印刷・プリンティング周辺の仕事やまったく異なる事業を始めた会社を紹介するコーナーを始めました。
今後も続々紹介する予定ですので、ぜひご覧ください。

シリーズ二刀流はこちらから

※今回は長くなりすぎたので前後編に分けます

【ちょいとコラム】「2024年新春大予言」 今年起こりそうな4つのこと!+少子化について(後編)
 

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