【2025年12月5日】電通グループは、世界56市場のデータに基づく世界の広告費成長率予測をまとめ、2025年見通しの更新と2026年の新規予測を公表した。同予測では、デジタル広告の拡大と大型イベントの影響により、広告市場が引き続き成長を維持する見込みであると示している。
2025年の世界の広告費は5.5%増の9,891億米ドルとなる見通しで、デジタル広告が8.7%増と全体をけん引する。
地域別では、日本が3.7%増、米州5.5%増、欧州・中東・アフリカは3.8%増、アジア太平洋は6.4%増と、いずれもプラス成長を維持する。
2026年の広告費は、世界全体で5.1%増の約1兆392億米ドルに達し、市場規模が初めて1兆米ドルを超えると予測した。
ミラノ・コルティナ冬季オリンピック、FIFAワールドカップ、米国の中間選挙など国際的イベントが広告需要を押し上げ、世界経済の成長率を上回る拡大が見込まれている。
また、2026年はアルゴリズムによる広告配信が本格化する“アルゴリズム時代”の到来が予測され、AIを活用した広告ソリューションの普及が効果向上につながるとしている。
地域別では、アジア太平洋が5.4%増の3,764億米ドルとなり、世界の36.2%を占めることが見込まれる。特に中国は6.1%増、インドは8.6%増と高成長が続く予測である。
米州は5.2%増の4,605億米ドルとなり、世界全体の44.3%を占める見通し。ブラジルは9.1%増と、主要12市場の中で最も高い成長率を示した。
欧州・中東・アフリカは4.2%増の2,023億米ドルと堅調に推移し、英国が5.7%増と地域内で最も高い伸びを見込む。日本も2025年に3.7%増、2026年に2.9%増と安定した成長が続く。
媒体別では、2026年のデジタル広告費が6.7%増となり、全体の68.7%を占める見通しで、リテールメディア、オンライン動画、ソーシャル領域が伸びをけん引する。
テレビは2025年にマイナス成長が見込まれるものの、2026年には2.4%増と緩やかに回復する。OOHは4.1%増、シネマは2.2%増で推移する一方、新聞・雑誌は3.0%減と縮小が続く見通しだ。
業種別では、AIを活用した新製品・サービスの投入やコネクテッドエコシステムへの投資が追い風となり、テクノロジー分野が10.3%増と最も高い成長が予測される。次いで官公庁・社会・政治・団体が10.1%増、飲料が10.1%増とされる。
同予測は、2025年10月までに収集したデータを基に恒常為替レートで算出しており、年2回の更新を基本としている。
世界の広告費成長率予測(英語)
https://insight.dentsu.com/ad-spend-dec-2025/
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