【2022年12月19日】電通グループはこのほど、世界58市場から収集したデータに基づき、「世界の広告費成長率予測」を発表した。
同予測は、毎年2回を基本として実施しており、今回は2022年、2023年、2024年予測の更新と2025年の新規予測を行っている。
なお、前回7月発表の予測から、将来予測および過去データに遡及し、ロシア市場の数値を除外して算出している。
2022年の成長率は8.0%を見込む
2022年の世界の広告費成長率は、先行き不透明な経済状況が及ぼす消費活動の減少により、前回7月の予測から0.7pt下方修正した8.0%となり、市場規模は7,136億米ドルになると見込んでいる。
引き続き市場成長を牽引するデジタル広告費は、2022年の成長率が13.7%となり、総広告費に占める割合が55.3%となる見通し。
2023年は3.8%の成長、初の100兆円へ
2023年の世界の広告費については、インフレ率や金利の上昇とそれによる企業および個人消費への影響といった複合的な要因を鑑み、2022年ほどではないが、3.8%の成長を見込み、市場規模は7,409億米ドル(約100兆円:1米ドルは約135円で換算)になると予測している。
地域としては、中東を除く、北米、西ヨーロッパ、中央および東ヨーロッパ、アジア・パシフィック(日本含む)、ラテンアメリカでプラス成長となり、市場規模のトップ5は、2022年と変わらず米国、中国、日本、英国、ドイツとなる。
2024年、2025年も順調な成長を予測
今後、世界の広告市場は順調に拡大し、2024年には4.8%増の7,769億米ドル、2025年にはさらに4.5%増の8,116億米ドルになると予測している。
2023年の世界の広告市場(媒体別)
媒体別では、2022年に13.7%成長予想のデジタル広告費が、2023年においても7.2%と高成長を維持。世界の総広告費に占めるデジタル広告費の割合は57.1%に達する。
その成長を牽引するのは、動画広告(+7.1%)、ソーシャルメディア広告(+13.5%)、検索連動型広告(+7.2%)と予想している。
また、テレビ広告費は0.2%、ラジオは2.0%、映画館(シネアド)とOOH(屋外/交通)は、それぞれ6.1%、2.0%の成長を予想。一方、新聞と雑誌は、それぞれマイナス成長(△3.7%、△3.4%)となる見通し。
※将来予測及び過去データに遡及し、ロシア市場の数値を除外
日本の広告市場動向
2022年の日本の広告市場は、デジタルを中心に好調に推移したことから、前回7月予測から2.8pt上方修正となる3.6%の成長を見込む。また、2023年も1.5%の成長を予測しており、引き続きデジタル広告が成長を牽引すると見ている。
業種としては、人の移動を伴う経済活動等の活発化に伴い、「交通・レジャー」や「外食・各種サービス」などの出稿増が期待される。
世界の広告費成長率予測の概要
世界の広告費成長率予測は、2022年11月下旬までに、世界の58市場からデータを収集し、各市場における専門的な知見を取り入れて作成している。対象媒体は、デジタル、テレビ、新聞、雑誌、OOH(屋外/交通)、ラジオ、シネマとなる。
広告費は、交渉によるディスカウントやエージェンシー・コミッションを差し引いた金額で、現地通貨建てで提供され、全世界および地域の数値は2022年11月の平均為替レートで米ドルに換算している。
※「米州」: 北米、ラテンアメリカ、「EMEA」:ヨーロッパ、中東、その他、「アジア・パシフィック」:日本を含むアジア太平洋
同予測は年2回を基本として発表しており、実績値と最新の予測値はすべて恒常為替レートに基づき修正している。
詳細レポート:「2023 Global Ad Spend Forecasts」
https://www.dentsu.com/reports/ad_spend_january_2023
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