【2018年2月14日】クリエイティブ市場の総合商社Tooは1月25日、東京・虎ノ門のToo本社内The Gallery Tooで「インハウスデザイナーの可能性 ― 私たちはいかにして外部クリエイティブと強いブランドをつくりあげたか―」を開催。メーカーやデザイン会社のデザイナーやアートディレクターを中心に約100人が参加した。
同セミナーは、パッケージデザインに関する特別無料セミナーで、12月に行われた内容が非常に好評であったため、追加開催されたもの。
当日は、明治、キリンビバレッジ、コーセーという国内トップブランドオーナー3社のインハウスデザイナーを講師に迎え、インハウスデザイナーが、どのように外部のクリエイターと関わりながら商品開発、デザインを行っているのかを講演。
強いブランドづくりに成功している3社の事例を、インハウスデザイナーの視点から具体例をあげて語った。
冒頭、今回のセミナーをコーディネートしたコーセー宣伝部クリエイティブディレクターの山崎茂氏が「メーカーのインハウスデザイナーは、かつては一方的に発注することが主流だった。しかし今は外部と一緒になって仕事をするケースが多くなっている。そんな今、インハウスデザイナーがどういった仕事をしているか、メーカーやデザイン業界がどのような方向に向いているかを知っていただきたい」と企画理由を述べた。
講演の概要は以下の通り。
明治コミュニケーション本部 デザイン企画部 アートディレクターの井田紀美子氏
同社は「明治 ザ・チョコレート」のヒットにより、大人の嗜好品「プレミアムチョコレート(明治ではスペシャルティーチョコレートと呼ぶ)分野を開拓した。
「明治 ザ・チョコレート」は「Bean to Bar(ビーン・トゥー・バー)」というカカオ豆からこだわって製品づくりをしている商品。製品開発ではこのこだわりを伝えるため、パッケージづくりにも力を入れた。
デザインは1社に依頼し、100ほどの候補から社内で2~3案に絞り決定したもの。
「商品コンセプトの作成」に約半年、同時に「商品設計」に約半年、「イメージボードを含むオリエン準備」に1週間前後、「デザイン決定まで」に4カ月前後という流れで商品の形ができ上がった。
キリンビバレッジ株式会社 マーケティング本部 マーケティング部 商品担当 主任 水上 寛子氏
「キリン 生茶」は2000年にデビュー。「お茶にも生があったんだ。」というキャッチコピーで、新しい本格緑茶としてヒットしたが、その後、参入した競合にシェアを明け渡し下降していった。
2014年夏に「新・生茶プロジェクト」がスタートし、デザインはDRAFTという会社にお願いした。
デザインだけでなく、企画からDRAFTが入り議論を重ね、「お茶の生命力をまるごと引き出した緑茶」というコンセプトを打ち出し、まるでガラス瓶のようにみえるパッケージや一貫性のあるコミュニケーションで、ブランドイメージを新生させた。
コーセー 商品デザイン部 デザイン室 クリエイティブディレクター 赤井尚子氏
「DECORTE(デコルテ)」は幅広い年齢層を持つハイブランド。
デザインには世界的なアートディレクターのマルセル・ワンダース氏(オランダ)を起用し、「グローバル価値」を追求した。
2017年の新デザインでは、ラグジュアリー感はそのままに、少しモダンなイメージにシフトした。
ワンダース氏との打ち合わせはアムステルダムまで出向き必ずフェイス・トゥー・フェイスで行う。その際は化粧品ボトルのモデルも持ち込み、それを見ながら議論をかわす。
デザインに納得できない時は、納得のいく仕上がりになるまで再提案をお願いする。
この後、各セッションの講師3名と、同セミナーの企画&コーディネートを担当した山崎茂氏によるトークセッションが行われた。
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