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【開催中レポート】「ジャパン・インクジェット・テクノロジーフェア2023」 テーブルトップショーの見どころ紹介

【2023年10月31日】「ジャパン・インクジェット・テクノロジーフェア 2023(JITF2023)」が10月30日、東京都新宿区のTKP市ヶ谷カンファレンスセンターで開幕した。
開催は今日31日まで。  
主催は大野インクジェットコンサルティング。

同イベントは産業用インクジェットの専門展で、「テーブルトップショー」では製品や技術、サービスなどに関する展示が行われている。今回は40社・団体が参加し、開場と同時に大きな賑わいを見せた。

プリント&プロモーションではテーブルトップショーについて、見どころを写真とともに速報でお伝えする。

 

会場レポート

リコーデジタルペインティングは「ボトルプリンタ」を展示。インクは溶剤系で、プリント後のオーバーコート剤も搭載している。
このため、ボトルや缶に直接印字でき、擦過などにも強いという。

紀州技研工業は、研究用のインクジェットの調整用パッケージを提案している。
産業用の導電回路などを開発・作成するための小型装置で、少量のインクとノズルでさまざまな試験が可能。
担当者は「一般的なインクジェット装置は大型で高価だが、このマシンなら700万円~導入可能。非営利法人などお試しで使用したい場合は、当社が実験に協力することもある」とメリットを説明する。
装置はペロブスカイト対応太陽電池の開発などで採用されるなど実績も積んでいる。
また、産業用IJPとしては自社製の32chヘッドも有しているため、将来のマルチノズル対応も可能。

GENIXジャパンは、可食プリンタを紹介。販売初期はA4フラットベッドタイプが多く導入され、現在はコンベアで流して印字するタイプが導入されている。サンプルではケーキ用の装飾ピックやカードの可食タイプを用意し配布している。
また、今回は国産の可食ペン(フードペン)を展示。加飾ペンは中国やイタリア製のものが多かったが、「安心感のある日本製を投入することでさらに広めたい」と担当者。
ホームメイド用から、商用に市場が広がりを見せている。

理想科学工業はインクジェット印字ユニットC1を紹介。
物流現場などでの段ボール印刷などをイメージした展示を行っている。

エムエスティの「JP-400」シリーズは、日付などの賞味期限印字で活用されるモノクロプリントユニット。
期限表示に始まり、内容表示、さらには商品用名などのパッケージプリントまで用途に広がりを見せている。
担当者は「ラベルは表示が簡素になり、また少量生産のものも多いことから、デジタルプリントに置き換わるケースも出てきている」と話す。

DICは初出展で、「インクジェットインキ」を提案した。
顔料インキでは、コート紙やコート段ボールへの印刷をイメージ。水系はテキスタイル向けで「大きな市場がある」と話す。

ユニオンケミカーは、可食インクジェットインクのサンプルを多数展示。
卵焼きや和菓子にプリントしており、焼き印のような効果を出している。また、スプーンやフォークへも同様のプリントをしてこちらも焼き印のような見た目だ。
焼き印は鉄の高騰などもあり、以前の5倍程度の価格になっていることから、置き換えに需要がある。焼き印には不可能なQRコードなども印字でき、アイスの当たりくじなどで真贋判定にも活用できるという。
「キャラおせちやキャラ和菓子など、子供にアピールしたい食材で活用されている」と担当者。

デジタルイメージンググループは、efiが高速デジタル印刷機「NOZOMI」 などの段ボールサンプルを展示している。

ミヤコシはデジタル印刷機各種をアピール。特に軟包装用デジタル印刷機「MJP30AXF」では、サンプルを展示。フォルムにプリントしたパッケージでプリント品質を訴求している。

富士フイルムは「構造色インクジェット」を出品している。
この技術は、インクの中に光の反射を変える材料を入れ込み、角度を変えると色合いが変化するユニークなもの。
従来の構造色は、色合いやデザインがぶれる傾向があったが、同社の技術では「ランダムに見えるが、狙ったパターンが作れる」という。
導入する場合は既存のプリンタでも可能で、技術提供の形になる。
同社では、システムやインクの提供はもちろん、プリントサービスも受託にも対応する。

松井色素はDTF製品が中心。同社の「アートジェット」は100台以上を販売し、日本で大きなシェアを獲得している。
ブースではDTF用シート(フィルム)に加えて、プリントしたTシャツなども展示している。

Phoseon(フォセオン)はUV硬化LEDを紹介。製品は、印刷・粘着用のインク硬化装置だが、従来のメタルハライドランプに比べて、消費電力量が低く、オゾンも発生しないことから廃棄設備が必要ない。
担当者は「昨今の電気代高騰で注目を集めている。環境という切り口では市場は動きづらいが、コスト面では反応がいい」と話す。
印刷機に設置する場合は、LEDとメタルハライドのハイブリッドにすることも可能。

トライテックは産業用インクジェットプリンタ「RollJet」シリーズを紹介。ボトルや缶に直印したサンプルを展示している。
「Roll JET-FP」は、水系インクを採用した軟包装用デジタル印刷機。コロナ処理されたOPPやPET、ナイロンなど軟包装用のフィルム素材へ直接プリントできる。
独自のプレヒーティングシステムと乾燥機構を採用し、シングルパスで毎分最大45mの印刷速度を実現した。また、インクパージは連続1200mの運転まで必要がなく、少量生産では多くのケースをダウンタイムなしで対応する。

マスターマインドは、水性ヘッドの特殊プリンタをデモンストレーションしている。
インク条件に合わせて、印刷条件をさまざまに帰ることが可能ダル点をアピール。会場では出力速度を非常に遅くした往復印字を行っている。
「ユーザーの望む条件でのプリントに対応したい」と担当者。

東洋インキは水性インクジェットによる軟包装のサンプルを紹介。印刷方法による差異が少ないことを見せるため。IJを含む3つの方法による印刷物を用意している。
同社は2024年1月1日、持ち株会社を「artience(アーティエンス)」と名称変更することを発表している(事業会社の名称変更はなし)。
なお、写真は上からグラビア、フレキソ、IJ。

ゼネラルソリューションは印刷用のインク硬化装置を紹介。マイクロ波によるインク硬化はインク中の水分に直接作用するため、フィルムなどの基材へのダメージが少なく薄手の素材にも対応する。実演しているのは25μmのフィルム。
上村豪幸社長は「昨年は31㎜幅の装置を用意したが、印刷用では幅が狭いと言われたことから今年は8cmを用意した」という。


同社の実演動画

 

Adobeは、「Adobe Embedded Print Engine」「Adobe PDF Print Engine」など、プリプレスや印刷で活用されているアプリケーションを紹介。手帳やTシャツなど、同社グッズの配布も行っている。

エプソン販売は産業用インクジェットヘッドを各種紹介。

drupaはダイレクターのザビーネ・ゲルダーマン氏が来日。初日最後のセミナーでは講師を務め「drupa 2024」の開催概要を紹介した(別掲)

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