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TOPPANら リサイクルポリアミド活用の食用油向け業務用容器「バッグインボックス)」を開発 商用化は国内初

【2025年6月19日】TOPPAN、BASFジャパン、興人フィルム&ケミカルズ、J-オイルミルズの4社は、ケミカルリサイクルポリアミドを活用した食用油向け業務用容器「バッグインボックス(BIB)」の開発で協業を開始した。
ケミカルリサイクル素材を用いたBIBの商用化は国内初となる。

今回の協業では、BASFが混合プラスチックを熱分解し生成した原料を活用し、マスバランス・アプローチによりポリアミドへ割り当てる。
興人フィルム&ケミカルズがこのリサイクル原料を用いてポリアミドフィルムを製膜、TOPPANが容器製造を担当し、J-オイルミルズが最終製品であるBIBの設計・評価を行う。
4社は2026年3月までに、このスキームの確立を目指す。

対象となるのは、J-オイルミルズの業務用食用油「長徳」などに使用される内袋プラスチック部分。BIBは内容物の保護や取り扱いやすさに優れ、業務用油脂製品などで広く利用されている。複合素材ゆえに従来は焼却・埋立が一般的だったが、本取り組みにより、同一用途への再利用を可能とする「水平リサイクル」の実現が期待される。

政府が策定したプラスチック資源循環戦略では、2030年までに容器包装の6割をリユース・リサイクルに転換する目標を掲げており、今回の取り組みはこれに即した形でバリューチェーン全体を巻き込んだ資源循環モデルの構築を狙う。

今後4社は、回収スキームの構築や熱分解技術の実装、さらには一般家庭向けプラスチック容器(PCR)への展開も視野に入れ、2030年を目標に循環型モデルの社会実装を進めるとしている。

 

各社の主な役割

TOPPAN:再生フィルムを使用したBIB容器(TL-PAK)の製造・販売・マーケティング
BASFジャパン:熱分解油の精製、リサイクルポリアミド「Ultramid Ccycled」の供給、精製プロセス検証
興人フィルム&ケミカルズ:リサイクル原料を用いたポリアミドフィルムの製膜・品質管理
J-オイルミルズ:BIBの包材設計、品質評価、業務用製品への展開

4社は今後も関連企業・団体と連携しながら、商業レベルでの水平リサイクルモデルの確立と拡大を目指す。

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