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【ちょいとコラム】春に掲載しきれなかったニュース デジテキとペットと新入社員…いなば食品も時々

【2024年4月16日】今回は3月~4月に取材したいろいろを、徒然な思いとともにまとめをしていきます。
ちょっと事情があり載せきれなかったニュースがあったので、そちらを中心に紹介します。

 

デジタルテキスタイルコンファレンス

まずは「Digital Textile Conference(デジタルテキスタイルコンファレンス)」。デジタルテキスタイルプリントとは、スクリーンなどの印刷版を使用せず、布にデジタルデータ(画像)を直接プリントする技術のこと。このコンファレンス定期的の行われており、識者や資機材メーカーの技術者や責任者など、この世界の最先端の人が情報を発表します。
「2024年3月 Digital Textile Conference」は、3月19日に、文化学園大学20階Aホール(A201)で行なわれました。主催はファッションビジネス学会デジタルテキスタイル研究部会。

今回もさまざまな発表があったのですが、別件があり、最後の講演のそれも最後の方にやっと間に合いました。というわけで、書くことができず、懇親会だけ参加するという、本当に申し訳ないことに…懇親会も別件ありで、途中退席に…本当に申し訳ありません。
同コンファレンス、昨年は繊維で最大の「ITMA2023」の報告など、他では聞けない話題を発信していました。テキスタイルをデジタルプリンタで出力する流れは今後加速しそうなので、正直言って紙のデジタル印刷よりも大注目なのです。なので、ちゃんと聞けなかったことは大変残念という思いもあり、どこかで書かせてもらおうと思っていました。
ちなみに次回開催は8月27日(火)に同所で開催されます。

ファッションビジネス学会デジタルテキスタイル研究部会
https://digitex-bukai.com/

 

インターペット2024

次に「インターペット2024」(4月3日~4月6日、東京ビッグサイト)。ペットに関するいろいろが集結する展示会です。
ここにプリンティング関係の会社も数社出展していました。
日本のペット市場は約2兆円と言われており、非常に大きなもので、可愛いワンチャンやネコちゃんにお金を惜しまないという人は多く、参入したいという企業も多いのです。

佐川(さかわ)印刷は愛媛の印刷会社。近年は大判のインクジェットプリンタを多数導入しており、ネットでの印刷通販なども行っている会社です。
今回は「はこころこ」のブランドでプリンタを活用したペットのオリジナルグッズ作成サービスを紹介しました。
ペットが「生まれてから亡くなるまで」の一生で使用できるグッズを用意したそうです。「ブックカバー」や「アクリルスタンド」など定番の製品のほか、オリジナルプリントを施せるペット用棺(ひつぎ)までを披露していました。

いたばし印刷は、リコーの小型プリンタ「Ri100」を使用して、吸水性のある石「白雲石コースター」へペットの写真をプリントして、その場で手渡すサービスを行っており、これが大人気でした。

リコージャパンも別のホールで「Ri100」を展示。
「Ri100」は、Tシャツなどをプリントできるガーメントプリンタですが、使い方によっては石や木材などへの直接プリントも可能だそうです。
担当者に聞いたところ「ペット業界での採用は発売当初から多く、いたばし印刷さんもその一つ。トリミングサロンやペットグッズのお店に導入されてオリジナルグッズを提供しているケースが多いです」と話してくれました。

メーカーの想定外の使用法を導入企業が考えてくるケースは多くあり、そういった市場は成長・活性化していると言っていいでしょう。

そうそう、あの「いなば食品」も出ていましたが、やめた新入社員の方たちはどうしているのかな。犬や猫だけじゃなく、人間にもやさしくしましょうね。

いなば食品「怪文書発表」がマズいこれだけの理由(東洋経済)
https://toyokeizai.net/articles/-/748121

 

JPA卒業式

新入社員と言えば、その前の卒業式の話題もありました。
日本プリンティングアカデミー(JPA)が3月8日、文京区の同校本校舎で、「第45回卒業式」を開催しました。
今回はメディア・コンテンツ学科から川崎歩さん、陳伊璘さんの2名が卒業と、人数は少ないですが、手作りのあたたかな卒業式が行われました。
懇親会では、講師の方がウイッグ(カツラ)をかぶってスピーチする場面があるなど、和気あいあいな雰囲気を楽しませていただきました。

同校は、主に印刷会社の二代目、三代目や、若手社員が入校し印刷を学ぶ学校です。
実際の印刷機や後加工機を置いて実習できる環境があり、他では得られない印刷の基本から応用までを学べます。また、写真や漫画・雑誌などのレイアウトに関わるDTPが学べるプログラムや、入校しない人用にも企業研修プログラムを用意するなど、印刷にまつわる教育を多岐にわたって行っています。
お問い合わせは以下から
https://jpa.ac.jp/

 

電通の調査

そうそう。そんな卒業して新入社員になるZ世代の若者たちの意識調査を電通の「採用ブランディングエキスパート」が発表しました。
この意識調査「Z世代就活生 まるわかり調査2024」では、Z世代の就活に関する意識や本音を把握・分析し企業の採用活動に貢献することを目指しているそうで、2022年の第1回に続く2回目だそうです。

まず就活生の多く(66.3%)が「出社中心」の働き方を希望「ある程度拘束されても、手取り足取り教えてほしい」が約8割(78.2%)


これは意外ですよね。だって、コロナ禍で在宅ワークが中心になったときに、若者は「家で仕事したい」という要望が多くなって、企業も「週3日出社。リモートワークOK」なんていう求人を出していましたよね。あとは「ワーケーション」なんて言葉が流行ったり…。でも、やっぱりそれでは不都合があったということでしょう。

ベテラン社員で自走できる人は定時連絡以外は必要なく、「成果を報告してくれればいい」という会社の方針で動いている方も多くいます。
一方、新入社員に限らず、新しい人をチームに迎え入れる際には、その人の人柄や仕事のクセ何かを知っておく方が話が進みやすいです。特に新規プロジェクトを立ち上げる時などは、これまでにない(形のない)ものを扱うので、チームが顔を突き合わせて進行しなければ、仕事の存続も難しい状態になります(記者も経験あり)。

次に「入社先を決定する際、最も影響を及ぼした」のが「親・家族・親戚」(30.9%)だったそうです。企業は今、「オヤカク」と呼ばれる、内定者の親が入社に同意しているかを企業が確認する行為をしているんですよね。記者のところにもかかってきたことがあります。「今どきの会社は成人の入社に親が知っているかどうか聞くんだ⁉」と驚いた半面、「何かあれば私〇〇に連絡してください」と担当者が言ってくれたことで、安心して送り出せるという感覚も味わいました。
中小企業でも社長が直接、内定者の親を訪問するという企業もあり、親との顔合わせでの安心感というのは需要なのだと感じます。
漫画『サラリーマン金太郎』で主人公が「会社と恋愛をしたい」というようなセリフを発していましたが、まさにそれ!会社と新入社員とその家族の間の婚姻関係のようなものなのだと思うのです。

また、就職活動で使われるSNSや動画系サービスでは、「X(旧Twitter)」が55.0%、「LINE(オープンチャット)」が44.1%で、学生の多くがSNSを活用し情報収集しています。
就活に特化したサービスでは「ONE CAREER(ワンキャリア)」が58.8%、「エンカレッジ」が57.3%

SNSの活用を言うまでもなく、Z世代の就活生は「アフターデジタルの世界で生きている」ということを、体感で知っている世代です。
例えば「炎上騒ぎ」。すし屋で醤油さしを舐めたり、無謀運転で他人に迷惑をかけて逃げれば、それが動画で拡散されて「デジタルタトゥーになる」そういう意識を当たり前の感覚として生きています。
会社でも、上司から厳しい言葉で叱責されるならば、それを録音して拡散できることも知っています。
常にデジタルの中に生きているというのを意識しなければならない、ある意味堅苦しい社会ですが、我々はインターネットの世界の中にいるし、もう逃れようはありません。

 

最後に

話は戻りますが、いなば食品の社員の方(おそらく経営者)はアフターデジタルがまったく分かっていなかったと思うのです。
ほかの話題でも、航空機に乗ってCAを怒鳴った国会議員や、静岡県の川勝知事なんかもアフターデジタルの中にいる感覚のない人でした。
そうそう!「不適切にもほどがある」というドラマがスマッシュヒットしましたが、あれは昭和からタイムスリップした人が、時代の感覚のズレから令和で騒動を巻き起こすというものでした。経営者がアフターデジタルの感覚を持っていない会社は、昭和の人が経営しているような「不適切にもほどがある企業」と言えるでしょう。
新入社員は、そんな会社に入ったたら”脱兎のごとく”逃げてしまうし、それでいいと思います。
受け入れる側は、上記を理解した上で新入社員を迎え入れなければ、Z世代は脱兎世代なのですぐにいなくなりますよ。

まあ、このプリント&プロモーションを読んでいる「ナウくてトレンディーでイカした読者」には、そんな昭和から来たような人はいないとは思いますが。

 

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