【2023年5月28日】関東グラビア協同組合は5月18日、「第53回通常総会」を「第一ホテル両国」で開催した。
今回は役員改選の年にあたり、15年間理事長を務めた田口薫氏が退任し、吉原宗彦氏が新理事長に、川田雄治氏が副理事長にそれぞれ就任した。
また、田口氏は最高顧問理事となった。
田口薫前理事長
皆様、ご多忙の中、第53回関東グラビア協同組合 通常総会にご参加賜り有難うございます。今、ロシアのウクライナ侵攻やコロナの影響、さらに人手不足等、事業環境は悪化しております。
5/1に組合員の1社が不渡りを出しました。とうとう来るべきものが来たのかと、原材料や諸物価の高騰のあおりを受けた仲間に対し慰めの言葉もありません。私共の価値を認めず安値でたたいている方々が恨めしい思いです。
さて私共は1964年創業の後発メーカーです。始めのうちは仕事がなく苦労しましたが開業10年後の石油パニックから仕事に恵まれボロ工場から軟衛協の指導書に基づき小さな衛生工場を建て最初の認定群に入り13号の認定を頂きました。
今までと違って胸をはって大得意先の上場の食品メーカーの社長をお招きして見て頂きました。しかしその方は石油パニックの時の値上げに立腹されたのか評価をして下さらず、むしろ安値を求められましたので私は売上3割のこのお客様との取引を止め私共の設備、企業姿勢を評価して下さる先に切り換えました。その後この上場会社は年々シェアーを落とし今はかつてのシェアーの10分の1になってしまいました。
人の口に入るものですから、もうけより品質、おいしさ、安全衛生が優先するはずですが、その順番が狂ったのです。「安物買いの銭失い」と申しますが、これは今も生きています。今 原料はじめあらゆるモノの価格が高騰し包材の価格交渉は大変ですが陥没価格の大幅な修正があちこちで行われています。購買側の厳しすぎる姿勢が陥没価格を生んでしまった事も事実です。
事情を十二分に説明し自社の存続をはかって下さい。包材会社をたたいても先の例のように中身メーカーさんもダメージを受けます。決して勝者にはなりません。「安物買いの銭失い」は今も通用しています。今 当業界には約600社があり1,500台以上のグラビア印刷機がありますが新規更新は、たった年15台~20台です。新しい機械に入れ替わるのに70年も100年もかかってしまう。異常事態です。
身を削ってご奉公は続きませんし、先の大戦で私達は部分最適でなく全体最適を学んだのではありませんか?我々軟包装グラビア業界は世の中のコストダウン要請に応える為、社員の待遇をはじめコンプライアンス・安全衛生あらゆるコストを削った上での倒産では誰も得をしません。グラビアインキメーカーも1社減りました。安売りだけの業界には若者もよりつきません。海外研修生とて同じです。皆さま会社に戻られ軟包材の価値を改めて見直しふさわしい値段をつけて頂くよう各方面に働きかけて下さい。
西沢前会長が先日申された「オールジャパン」で戦おう。スリット、製袋の家族労働の事業所も存続が危うくなっています。今までのように一部の人々しか乗れない小乗でなくみんなが乗れる大乗の考えで中小零細まで包み込んで参りましょう。
ここで私15年程続けてまいりました理事長職を東京加工紙㈱の吉原社長に譲ります。又、トーホー加工㈱の川田社長に副理事長にご就任頂き、組合の若返りをはかりたいと思います。外国人技能実習制度も初めての経験でとまどっていますが、何とか組合を円滑に運営して参りたいと思います。
皆様宜しくお願い致します。
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