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PODiセミナー「デジタル印刷の未来が見えた!」レポート③ MTJN坂野冬樹部長 コニカミノルタビジネスソリューションズ小山直仁部長 ミヤコシ山本隆一主任


【2015年10月9日】非営利団体PODiは10月7日、中央区新富の日本印刷会館でセミナー「デジタル印刷の未来が見えた!IGAS Graph Expo Case Study」を開催。同セミナーはPODiの会員8社と米国のPODi代表が講師となり、デジタルの未来を読み解くというもの。レポート③では引き続き印刷機メーカー各社からの発表とPODi亀井代表理事の総括を掲載する。

㈱メディアテクノロジージャパンVP営業統轄部の坂野冬樹VP営業部部長は、「TP-J520HDとそれを取り巻くビジネス」について解説した。

「世界市場でのデジタル印刷の割合は14%。一方、日本のデジタル印刷比率はわずか5.4%という。米国では2015年のデジタル印刷出荷予想は約5兆円。内訳はダイレクトメール(DM)31%、書籍28%、パンフレット15%、カタログ6%、折り込み・クーポン4%」

「デジタル印刷は当社のTruePress Jet520HD も含め1200dpiの時代を迎え、ハイレゾ化(高品質化)し、ますます品質はオフセットに迫った。トゥループレスは全世界で800台を出荷。日本でも80台が稼働している」

「デジタル印刷の活用により、カタログやパンフレットなどは最少の在庫で利用できる。DMはマーケティングオートメーションが叫ばれるように、即時性を持った内容になるだろう。その時はデジタル印刷が使われるはずだ。コミュニケーションの最適化=情報提供の最適化、それが印刷の最適化につながる」

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コニカミノルタビジネスソリューションズ㈱PPG事業統括部PPG・CRD事業推進部エリア推進部の小山直仁部長は「付加価値を生むデジタル印刷とデジタル後加工~印刷会社の事業領域拡大のために」の演題で講演した。

「IGASで当社が展示した『KM-1』は29インチ幅の枚葉機。印刷解像度は1200dpiでUVインクを使用しており、前処理を必要とせず専用紙も必要がない。オフセットからそのまま移行が可能で生産性の向上に貢献できる」

「IGASではデジタル用後加工機も同時に展示。MGI Digital Graphic Technologyの『JETvarnish(ジェットバーニッシュ)』は、抜き加工からニス、箔までを1台で処理可能だ。ドイツの事例だがDURMEYER(ダーマイヤ)社では、JETvarnishの導入により、独自の『ブラックラベル』という高品質ブランドを立ち上げた。これにより5カ月で170件の新規顧客を得たという。さらに『PrintStar』という印刷に対する賞のダイレクトメール部門で金賞を受賞している」

「デジタル印刷用の後加工では無版でのニスと箔、レーザーダイでの抜き加工が必要になるだろう。これが生産性の向上と時間短縮、ひいては『マスカスタマイゼーション(個別大量生産)』を実現し、すべて付加価値となる。印刷会社は顧客の困りごと解決が重要な仕事だ。そこではデジタル印刷と後加工が重要な手段である」

「デジタル印刷機の業界ではメーカーの合従連衡が進む。それぞれの技術的を補完しあい、より強固な連携がなされていくだろう」

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㈱ミヤコシ営業本部POD営業部の山本隆一主任は「印刷の未来が見えた!~加工技術でデジタル輪転市場を切り開く」のテーマで話した。

「当社では1993年、自社の輪転搬送機にサイテックス製240dpiヘッドを搭載して追い刷りを行ったことがデジタルへの取り組みの始まりだ。2003年には独自エンジンのデジタル印刷機を開発し、販売を開始した」

「インクジェット印刷機『MJP20MX-7000』は、1200dpiの最大印刷解像度を持つ。デジタル印刷は従来、トランザクション(情報処理系印刷)や請求書明細、ビジネスフォーム用途だった。しかし、IJ印刷機の高品質化により、チラシやカタログ、販促物、トランスプロモ(広告付き請求明細書)、新聞、文庫本、書籍、フォトブックといった領域まで用途が拡大している」

「現在、高品質で、オンデマンドというだけでは、差別化が難しくなっている。これを解決するのは後加工だろう。当社では長年培った搬送技術を活用し、デジタル印刷機+後加工機の組み合わせで生産に貢献できる。可能な後加工は、ビジネスフォーム加工や圧着ハガキ生産、ブッキング(無線綴じ、中綴じ)、インラインフィニッシングなどだ。後加工設備はそれぞれモジュール化しており、他社の印刷機と組み合わせてシステム化することも多い」

「当社ではビジネスフォーム輪転機のノウハウを生かした搬送と、印刷から後加工までの一貫生産、要望に合わせたカスタマイズでユーザーに貢献したい」

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最後に総括として(社)PODiの亀井雅彦代表理事が「デジタル印刷機は非常にラインアップがそろってきた印象だ。Eコマース(EC)では紙媒体をうまく使うことが重要になってきている。今やECのショーウインドウや店内装飾、POPといえるものが、カタログやパンフレットなのだ。商品をほしいと最後に思わせるのは紙。液晶モニターではわからない部分を、紙を使って差別化できるはずだ」と述べた。

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