【2017年6月23日】日本プロモーショナル・マーケティング協会(JPM)は6月21日、東京都千代田区の如水会館で「第48回定時総会」「記念講演」を開催した。
定時総会では以下の議案が審議され、すべて賛成多数で可決された。
「2016年度 事業報告承認の件/2016年度 決算報告及び監査報告承認の件」
「2017年度 運営基本方針(案)承認の件
「2017年度 事業計画(案)承認の件/予算確認の件」
「役員変更選任承認の件」
「役員変更選任承認の件」では一部、異動等により、副理事長・常任理事が交代。
副理事長には、電通テックの千葉敦氏、常任理事にはレンゴーの縄田幸男氏が選ばれた。
また、事務局では空席となっていた協会専務理事に、JPM前事務局長の宮久哲実氏が就任した。
総会終了後の懇親会では、江花昭彦理事長が「日本の格差は過去最大で、日本はアメリカに次ぐ第2位の格差社会になっている。日本は株価が好調で、ある方は23,000円までいくと言っている。こういった社会の中、ますます我々の仕事が増えるだろう」とあいさつした。
このほか総会記念講演では早稲田大学商学学術院の守口剛教授・JPM協会参与が「ショッパーインサイトに基づいた店頭プロモーションの展開」の演題で講演した。
講演の概要は以下の通り。
ショッパーインサイトとは、購買者がどうしてその行動をするのかを、洞察するのがこの学問。
ショッパーのは、「なぜそのように感じ、行動するのか?」という背後にある、本質的な答えがショッパーインサイトだ。
例えば、コンビニエンスストアにおける購入個数の分布(8店舗の平均)では、買い物の個数が3,4個から構成比が大幅に下がる。
ある日、私は「買い物かごを持っていないからじゃないか?」という結論に至り調べてみたところ。
かごを持って買い物をすると半分ぐらいが6個以上になることがわかった。
そこで、入口に置いていたかごを、売場の別の場所にも置く分散配置を実施し、かご利用者が10%増加、3.1%売り上げが上がった。
ショッパーインサイトでは、実用的価値とともに、情緒的価値も提供することが重要。
情緒的価値への影響が高いのは、「新しいものを見つける」「探して見つける」こと。
あるスーパーで、以下の店舗実験を行った。
・新製品コーナー
・厳選商品コーナー
・実演販売
この中で「実演販売」が、特に青果売り場で高い数値が出た。
出口調査では青果売り場、試食した人の歩留まりがものすごく高いことも分かった。
実施したのは「リンゴの食べ比べ」でこれが非常に好評だった。
そこでさまざまな食品・飲料で食べ比べを行ったところ以下の結果が出た。
山積み107%
推薦販売262%
山積み推薦販売比較290%
こういった形で、観測しただけのレベルではわからないこと、を研究するのがショッパーインサイト。
研究の際にどういう風に読み解くかというと「対象との心理的距離が遠いと読み解きやすいく、高次レベルの解釈が行われ役くなり、インサイトの獲得がしやすくなる」と考える。
心理的距離の種類は以下の3つ。
・時間的距離
・空間的距離
・社会的距離
これらが遠いほど捉えやすい。
これは友人や知人家族ではできない
心理的な距離を遠く置くには
・目の前の課題からいったん離れる
・目の前の課題とは関連しない場所で考える
・1年後、5年後、10年後などの遠い時点に立って、目の前の課題を考え直す
・他社の視点で課題を捉えなおす
・顧客の視点で捉えなおす
・別人格になる
などをしてみるとよい。
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