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レポート1| ORIKEN揚揚セミナー達人シリーズ「多摩美の佐藤達郎って何者?」 折込広告文化研究所

【2017年5月30日】ORIKEN揚揚セミナー達人シリーズ「多摩美の佐藤達郎って何者?」が5月25日、文京区湯島・東京ガーデンパレスホテルの隣の「お茶の水エデュケーションセンター」で開催された。
この日は関係者や無関係者、ちょっと怪しい面々(お前が一番怪しいといわれそうだが)30人くらいが集まって開催された。主催は折込広告文化研究所。

佐藤達郎先生 002 (2)

折込広告文化研究所とは、元折込広告会社勤務の鍋島裕俊氏が主宰する任意団体(秘密結社)。
ORIKEN揚揚セミナー達人シリーズは今回で4回目だが、毎回今話題のユニークな人物を招待し、セミナーを行っている。

講師の佐藤達郎氏はADK、博報堂DYMPを経て、カンヌ国際広告祭フィルム部門日本代表審査員なども務めてきた広告マン。
現在は多摩美術大学の教授として広告論、マーケティング論、メディア論などを教えている。
というわけで、今回はプリント&プロモーションにも関係の深い「広告マン」のお話なので、ここでレポートする。
特に広告マンを目指す(目指さなくても)若い人に、ぜひ読んでいただきたい。

佐藤達郎先生

セミナーは、なぜか講師がギターを持った姿で登壇。
そして佐藤氏の第一声は「1曲目は…(って、おいセミナーだよな)『今宵の月のように( エレファントカシマシ)』」と宣言し、いきなり熱唱。会場からは拍手と歓声が上がった。

そしてMCに入り(もう気分はライブ?)、「普段は広告のトレンドなんかを話してるんだけど、自分の話を語れというのは変な気分」と断りを入れつつ自身について語り始めた。

 

「多摩美の佐藤達郎って何者?」

生い立ちは1959年、青森県青森生まれ。
生まれたとき、祖父と父がバイクと自転車を販売する会社を経営しており、羽振りがよかった。
しかし、自分が小学校2年生の時にその会社が倒産。ほぼ夜逃げで、歌のタイトルになりそうな「友達にさよならも言えずに」東京(だと思っていた埼玉の所沢)へ向かう。

佐藤達郎先生 003

ギターは小3から弾いており、学生時代はギターとバスケに明け暮れていた。
大学生の時、コピーライターになりたいと思い、コピーライター講座に通ったり、大学で広告研究会を作ったりした。

佐藤達郎先生 011

それにしても歌はやめられず「歌うたいとしての人生」も続けている。

――2曲目「歌うたいのバラッド」(斉藤和義)――

大学時代の一時期のあだ名は「ものぐさキング」「寝たきり青年」。
約半年間何もせずにいたが、これが非常に飽きることがわかって、むくむくと何かやりたくなった。

佐藤達郎先生 020

実は就職に関しては、そんなにしたくないと思っていた。
学生生活が楽しかっただけに、就職生活は灰色、ドブネズミ色だと思っていた。

本当はミュージシャンがよかったけれど「食うや食わず」も嫌だと考える計算高い部分もあった。

そのころ見つけたのはコピーライターという仕事。
作詞作曲みたいなことをして、給料とボーナスをゲットできる仕事というイメージ。
「やってやっても悪くないな」と思った尊大な21歳だった。

しかし、広告代理店は8割が営業職、電博への入社は希望のコピーライターになれるかどうかがわからずリスクが高いと判断した。
そこでコピーライター講座で知り合ったアサツーディ・ケイ(当時・旭通信社)の人に「コピーライターにしてくれるなら」と約束を取り付け入社した。

 

人間には「自分に比較的向いている仕事」と「向いていない仕事がある」

今、私は比較的機嫌のいいおじさんだが、向いていない仕事についていたら相当陰鬱なおじさんになっていただろう。
仕事をするなら、「やりたいことに少しでも近い方がいいに決まってる」と言いたい。

佐藤達郎先生 025

世の中のあらゆる物事は「好きなこと、嫌いなこと」「いい部分、悪い部分」がセットになっている。
ならば、できるだけ「好きなことが多くつまったセット」を手に取るようにすればいい。
やりたくないことから逆算して考えて、やってもいいかなと思えることをやっていくようにすれば、機嫌よく過ごせる。

会社員時代には、極力、土日には仕事しなかったが、今は土日もいとわずやるようになった。
ほぼ「やりたいことだけ」やって食べていけるようになったというのが今の状況だ。

――3曲目「どうしてこんなに悲しいんだろう」吉田拓郎――

レポート2につづく

 

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