【2017年3月31日】日本フォーム印刷工業連合会(フォーム工連)は3月28日、中央区新富の日本印刷会館で、国際委員会・市場調査委員会共催セミナー「広く世界を見てみよう!」を開催した。
このセミナーでは今年2月に行われた「Hunkeler innovation days 2017(HID2017)」と、この視察を行った「ツアー」の話題を中心に、世界の印刷に関する最新動向を、各講師が紹介した。
「HID2017」は、印刷後加工機メーカーHunkeler(フンケラー)の大規模プライベートショー。デジタル印刷機メーカーが、最新機や最新技術を提案する世界的なイベントとして注目を集め、期間中50カ国から約6000人が参加した。
レポート2も各講師の講演内容をレポートする。
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メディアテクノス 井上秋男氏「HID2017にみる 新聞デジタル印刷の最新動向」
「HID2017」での新聞のデジタル印刷に関する最新動向を中心に報告する。
①国際版新聞のリモート印刷
静岡新聞社が「ハワイ報知社」で印刷しているなど、40タイトルがあった。
②地域・ローカル版をデジタル印刷
オフセット印刷とデジタル印刷を統合し、複合新聞化するなどの動きがある。
③配達先、印刷別デジタル印刷
新聞にあて名まで印刷してしまう。
④パーソナル化カスタマイズ
その読者が興味のある内容やくじなど可変情報を印刷する。
⑤新聞以外の新規印刷物の開拓
商業印刷など他の用途へ新聞印刷の技術を応用。
⑥オフセット内変わるIjデジタル印刷
「Walliser Bote」を発刊する「Mengis」の事例。2015年デジタル機導入も2017年中止に。
新聞のデジタル印刷に関してのまとめは、以下のようなことが挙げられる。
「コストダウン(ROI)」
印刷機本体もランニングコストもコストを意識しなければ選ばれない。
「生産性の向上」
生産性はコストや品質とトレードオフの関係だが、一層の高速化が進む。
「品質向上」
新聞以外のブック、チラシなどを低コストで印刷できるようになった。
「マーケティング&ビジネスモデル模索」
オフセット印刷との深く出なくデジタルのメリットを追求する。
新しいビジネスを模索すれば、デジタル印刷活用場所はある。
共同通信 黒沢勇経営企画室委員 デジタル印刷ビジネス最前線~JERSEY ISLANS事例から探る~
今回紹介するJERSEY ISLANS(ジャージー島)は、別荘地。
風と濃霧で飛行機の欠航が3割もあるという土地。このため新聞が届かない日が多いことを解消するために、視察先の「KPService」はデジタル印刷機を導入し、「フィナンシャルタイム」をはじめ多くの新聞を現地で印刷することにした。
導入したのはコダックの「Prosper 6000」。毎分300mのスピードなので、トラブルがあった場合に朝まで刷り上がらない可能性があるため、追加導入している。
導入当初は各紙が品質をチェックしていたが、最近はフィナンシャルタイム以外には言われない。データはすべて海外の新聞社からPDFで入稿される。
「KPService」は全社40人で操業。ジャージー島の10万人の人口のうち3~4万人の読者に新聞を届けている。
欧州には、印刷が毎日届けられないところはデジタルという動きがある。
平日はデジタル版を読んでもらい、日曜版だけ、読者がデジタル版で興味を持った内容を紙に印刷し届けるというケースもあり、これにより新聞購読が増えた会社もある。
デジタルとアナログは相反するものではなくハイブリッドで活用できる。
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