【2016年6月17日】国際印刷・メディア産業展「drupa2016」は5月31日から6月10日まで、ドイツのメッセ・デュッセルドルフで開催された。この4年に1度行われる世界最大の印刷技術展のレポート3回目をお送りする。
2000年は「デジタル」、2004年は「JDF」、2008年は「インクジェット」がそれぞれテーマって、これなーんだ?
印刷業界の方なら当然わかると思うが、過去の「drupa」でテーマとされた事象だ。
主催者側が付ける公式テーマのほかに、毎回、来場者やメディアが、友達にニックネームを付けるように、そのdrupaを象徴する事象をアタマに付けて「――drupa」と呼ぶのだ。
前回の2012年は「パッケージ」「後加工」「B2」「オールデジタル」など、かなり分散し、絞り切れなかった印象となった。
さて、今回2016年はどうだったろう。
「デジタル」印刷機は印刷業界に広く普及した。中でも多くのメーカーが販売している「インクジェット」印刷機も印刷速度や印刷品質が向上している。しかし、これらはいずれも以前からあったものの性能が向上した製品だ。
もちろん、その技術や機能向上は素晴らしいことなのだが、印刷会社からは「印刷・プリント部分の性能が上がるのは当たり前で、驚きや新しさを感じない」という声もあった。このあたりが、「レポート1」で取り上げた来場者の減少にもつながっているのではないだろうか。
サイズでいえば「B1」サイズ機(728 × 1030 mm)が多く登場したことや、話題を呼んだLandaの「ナノグラフィ―」もこの流れの外には出ていない。
「水と空気以外なら印刷できる」と印刷会社は冗談で言うことがあったが、「水と空気に印刷できる」ようにならなければ、もうイノベーションとは言えないかもしれない(それが必用とされているかは別として)。
むしろネックになっているのは後加工や検品。いくらデジタル印刷機を使用し、無版・オンデマンドでプリントしても、後加工を別の工程、別の会社でやっていてはスピード感がない。
これらに応える形でデジタル印刷機に後加工機を接続する動きがあった。
各社がニスや箔、断裁、抜き、折り、製本などの後加工機をデジタル印刷機とインラインで提案。コダックなどは日替わりで後加工を変更し、来場者を驚かせた。
デジタル印刷では、より完成品に近い、製品として販売できる印刷物を1カ所で作ってしまう工程が理想的で、印刷会社にも多くの利益をもたらす。オール内製化の流れは間違いはない。
ただし、これにしても前回からある技術・機能向上の流れだ。
では、本当に今回の「drupa2016」を象徴するようなテーマは何であったのだろう。
少ない知見からだが、読み解いてみたい。
つづく
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