【2022年4月4日】「紙博 & 布博 in 東京」が3月26日、27日、東京都の都立産業貿易センター台東館で開催されました。
このイベント、紙と布のプリント品や加工品に焦点を絞ったコンシューマ向けの展示即売会で、「紙博」には印刷会社の出展も多いことから、以前からプリント&プロモーションでも注目していました。
事前予約制での入場な上、チケットが1,000円前後(入場時間によって料金が異なる)という条件でありながら、会場は午前中から超満員それも、9割以上が女性というイベント。その熱気を感じながら、また商品を楽しみながら記者も取材しました。
印刷の付加価値、と言われることが多いですが、その付加価値を知るためにコンシューマの反応を直接見るのは大事です。「紙博」は、コンシューマと触れ合いその反応を直接見られるイベントとして、文具メーカーやデザイナー、雑貨店などとともに、印刷会社や紙メーカーもブースを並べています。
このイベント、コロナの影響で2年ぶりだそうで、待ちに待ったという感じで多くのお客さんが商品のたくさん残っている午前中に押し寄せました。
記者が行った午後もかなりの人出でしたが、「午前中はそれ以上で、ブースが取り囲まれた」という出展者の証言にその熱気が伝わってきました。
「KUMPEL」は、切符などの印刷を手掛けてきた山口証券印刷のブランド。切符などの素材を活用したさまざまなグッズを展開して、ブースの周りは常に人だかりができていました。昔はよく見かけた、分厚くてかたい切符「硬券」の質感や見た目を使った商品が多く、ノートやレターセットなどが飛ぶように売れていました。
特に注目を集めたのが「山手線硬券マグネット」のガチャで、300円のガチャを回すと山手線の駅名が書かれた硬券風のマグネットが出てきます。
ガチャの横には硬券の種類を説明したパネルも展示され、グッズの購入とともに切符の世界を楽しめる仕掛けも施されていました。
オソブランコは大阪のギャラリー風雑貨店。このブースでは表紙や中身、そしてリングを選んでその場でオリジナルオーダーリングノートを作るサービスを展開し、行列ができていました。
最後のリングをつける作業は来場者も体験でき、「こんなことするの初めてです」と大喜びして手動のリングマシンを推す来場者の姿も見かけられました(文具ファンの情熱すごい)。料金は1200~1500円で、選ぶ部品によって値段がちがいます。
紙マルシェは、1回500円で紙袋の中に好きな付せんやシールなどの紙商品を詰め放題できるサービスに多くの人が集まりました。順路を移動しながら商品を詰めていくのですが、「あれもいいね。こっちもいい」とお友達と話しながら決めている人も多く、行列がどんどん増えていました。
紙のミルフィーユでは、紙を重ねて製造した「紙のミルフィーユ」という素材を使用した商品を多数販売していました。この素材、硬くプラスチックの代替となる上、プラにはない紙のぬくもりや断面の鮮やかさなどを楽しめます。
素材をパズル状にした商品をすくう「パズルすくい」は1回300円。これパズルとしては使えないんですが、メモのように一筆書いて手紙に居れたり、プレゼントに添えたり、中にはピアスにしている人もいるそうです。紙の使い道って幅広いですよね。
和紙田大學は、伝統とゆるデザインを融合した「ゆるディッショナル」をテーマにしたブランド。
ユニークな図柄のポチ袋「コレッポチ」や、ド派手な水引が特徴のご祝儀袋「フトッパラ」、こちらもちょっと面白いマスキングシール「おシール」などを販売していました。
運営は真面目な大阪の和紙問屋オオウエで、担当者は「真面目な感じの和紙を親しみやすく作り直しました。普段は縁がないと思っている方に和紙を身近に感じてもらいたいと思います」と話していました。
中越パルプ工業は「竹紙」の商品を多く展示していました。「竹紙」は同社が取り組んでいる放置竹林問題の解決プロジェクトから生まれた紙製品。ノートや便箋、コースターのほか、竹を模した紙筒なども販売されました。
「竹で作った紙なのに、印刷適正いいのが特長」と担当者。確かに印刷のノリがよく、独特の風合いも魅力的で「もっとたくさんの人に知ってほしい」とのことです。
特殊紙の雄「竹尾」もたくさんの紙製品を出品していました。中でもイチ押しは「オニオンペーパー」だそうです。風合いが玉ねぎの皮のように薄くシャラシャラっとした手触りで「これを使うだけでオシャレ」という雰囲気が出るそうです。
確かにこれを使った手帳やレターセットはとても格好良く、ウエディングや記念日のプレゼントに使われそうでした。
「そ・か・な」は、新潟の吉田印刷所のブランド。薄紙を使った印刷が得意な同社ですが「そ・か・な」はこれをオシャレな雑貨にしています。
来場者には「グラシン紙」を使った商品が好まれているそうで、初日の午前中で商品がなくなってしまうほどの人気ぶり。
担当者は「少しでも多くの人に、薄紙印刷の美しさや楽しさを知ってほしいです」と話していました。
KOBATOは、紙のジョークグッズをたくさん並べていました。
こちらの商品、どこかで見たことのある、あのデザインや柄を散りばめており、手に取った人が思わず声をあげて笑っている様子も見られました。
記者のお気に入りはこの2つでした~(購入)。
このほか、カモ井は、おなじみのマスキングテープ「mtシリーズ」を販売して、こちらも常に人が途切れることがありませんでした。
さて来年はどんな紙の商品が出てくるか楽しみです。
紙博 & 布博
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