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インフォトレンズ 「産業用デジタル印刷市場」に関するコンファレンスを開催 日米アナリストが市場を分析・予測

【2016年11月17日】「プロダクションデジタル印刷/POD 市場コンファレンス 2016 」(主催:インフォトレンズ)が11月15日、東京コンファレンスセンター・品川で開催された。

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「POD/プロダクションデジタル印刷コンファレンス」は、デジタル印刷関連の市場動向や業界動向、市場予測、周辺システムの状況などをインフォトレンズの日米アナリストが報告するもの。
今回は今年(2016年)行われた「drupa」や、「Graph Expo」「Tokyo Pack」などの事例を踏まえ、最新の市場動向を分析、次の展開に向けてのヒントを示唆した。
このレポートでは、注目のセッションをピックアップして掲載する。

「インクジェットdrupa 3.0が意味することとは?」

同社アナリストのジム・ハミルトン(Jim Hamilton)氏による「インクジェットdrupa 3.0が意味することとは?」では、「drupa2016」を踏まえ、インクジェット(IJ)印刷機の現状と今後を報告した。

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ハミルトン氏は、まずdrupaを開催順に
「drupa2008」が速度の早い連帳機が市場に出てきた年
「drupa2012」がIJ印刷機のスピードとクオリティーが向上した年
「drupa2016」がIJ印刷機がデジタル印刷のメインステージに立った年
と位置づけた。

2008年、12年、16年の各企業の出展面積上位10社を見ても、1位がHPになり、上位のランキングはほとんどがデジタル印刷機、それもIJ機を出品している企業になるなど、大きな変化を見せていることも示した。

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インクジェット機について「インクカバレッジ(出力面積)とインクコストがシーソーの関係にある」と課題を指摘。
「コストメリットを取り戻す方法」として以下の条件を上げた。
・濃度の高いインクを使う
・インク消費を工夫する。できるだけ黒を使う
・印刷メディアを変える
・バリアブル印刷、連番印刷などで使う

他の印刷方式との関係性についてプレッシャー(圧力)で説明。
コストと品質、用紙対応ではオフセットが、インクジェット、EPにプレッシャーを掛け、カスタマイゼーションはIJとEPがオフセットに勝る。

「ワークフローって?~誰もが必要とするワークフロー~」

同じくアナリストのパット・マクグリュー(Pat McGrew)氏は「ワークフローって?~誰もが必要とするワークフロー~」のテーマで、印刷会社に求められる ワークフローについて話した。

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現在、ワークフローソフトに求められているのはWEBtoPRINTやバリアブルプリント。これを理解しなければワークフローの最適化は難しい。
また、いわゆる商業印刷だけでなく、パッケージやダイレクトガーメントにもソリューションが必要だ。
印刷会社では、それぞれの機器は自動化が進んでいるが、孤島のように分断されているので、これらをつなぐシステムの必要性を感じる。

深刻化している問題として、小口のジョブの数が増えていること。さらに、複数のワークフローが並立しており、「担当者はそれらをマネジメントしていくことが大変なのだ」とマクグリュー氏。

ワークフローをビジネスのシーンに落とし込むと、WEBtoPRINTのワークフローが多くなってきている。
そのWEBtoPRINTでは、API(アプリケーションプログラミングインターフェース)の使用とカスタムが求められている。

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WEBtoPRINTの採用率が高まれば、この先「デジタルプロダクション マネージメント ワークフロー」が一般的なワークフローになるだろう。
これには全体を自動化させる要素が含まれている。
なぜ自動化が必要かというとマニュアルコレクション(手動修正)は、余計なお金がかかるからだ。

ワークフローを提供するベンダーには、印刷の工程を熟知していることが求められる。また、事業の成長に合わせてワークフローを成長させることも求められるだろう。
今後、印刷会社が顧客とベストなお付き合いをするには、ワークフローの改善が重要になる。

「中国ラベル・パッケージング市場分析 ~デジタル化への移行は始まったのか?~」

「中国ラベル・パッケージング市場分析 ~デジタル化への移行は始まったのか?~」では、同社日本法人のアナリスト後田雅人氏が以下のように報告した。

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中国ラベル・パッケージコンバーターの売り上げは、景気減速の影響は受けているものの成長を続けている。
パッケージ総出荷額は、2011~15年では成長率7.4%。ラベルは2010~14年に19%の成長があった。

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インフォトレンズでは中国のコンバーターに直接アンケートを行いその実態を明らかにした。
印刷方式では、フレキソが最も多く、レタープレスが続いている。
紙器、軟包装はラベルに比べ小ロット化していないという結果も出た。

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また、「海外メーカーを顧客に持てば、レベルアップできる」と考えている企業が多いことも明らかになった。
導入したい印刷機では、トップ2がデジタル関連という結果も出ている。

 

同社による今後のコンファレンスは以下の予定 

・デジタルイメージングコンファレンス 2017
2017年2月21日(火)13:30-17:55
会場:東京コンファレンスセンター
参加費:39,800円(42,984円税込)特別早期割引2017年2月2日(木)まで
49,800円(53,784円税込)早期割引2017年2月9日(木)まで
59,800円(64,584円税込)通常価格2017年2月10日(水)以降
詳細・申込:http://www.infotrends.co.jp/cf/di/

・中国ワイドフォーマットコンファレンス2017
2017年3月9日(木)13:30-17:00
会  場: 国家会展センター (上海)
参加費: 無料 (登録制)
前回(2016)のwebページ :http://www.infotrends.co.jp/cf/shanghai/

上記の詳しい内容についてはインフォトレンズ(☎03-5475-2663)まで。


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