【2025年12月14日】プリントネットは、鹿児島県日置市入来浜地区で準備を進めてきたサーモンの陸上養殖事業について、試験用設備が完成し、同日、放流式を実施した。今後、約1年をかけて育成試験を行う。

完成した設備は、地域の水資源を活用し、陸上環境でサーモンを育成することを目的とした試験用施設である。放流式では、設備の最終確認後、初期群として約1,500匹のサーモンを生け簀へ放流し、育成を開始した。
放流式には、同社関係者のほか、設備施工を担当したひらやまの関係者も出席した。今回導入された養殖方式は、複雑な大型設備を必要とせず、小規模から段階的に展開できる点が特徴で、運用コストを抑えやすいとされている。
同社が陸上養殖に取り組む背景には、国内で拡大するサーモン需要と、輸入依存の高まりがある。海水温上昇などにより海面養殖の環境が変化する中、陸上養殖は生産環境を管理しやすい手法として注目されている。
陸上養殖は、地下水や湧水、既存施設など地域資源を活用できる点も特長だ。生産から管理までを地域内で完結させることで、雇用創出や地域経済への波及効果も期待される。

印刷事業を主力とする同社にとって、陸上養殖は異分野への挑戦となるが、設備管理や品質管理といった点では共通する要素も多い。これまでに培った管理ノウハウを生かし、持続可能な食料生産モデルの検証を進める。
今後は、育成状況を継続的に観察し、得られたデータを基に本格的な生産設備の検討を行う。あわせて、地域の飲食店や流通事業者との連携、イベントなどでの活用も視野に入れ、事業化の可能性を探る。
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