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印刷博物館の新館長 直木賞作家の京極夏彦氏が就任 印刷や装丁に深い造詣

【2025年4月12日】TOPPANホールディングスが運営する印刷博物館では4月1日、小説家の京極夏彦氏が新館長に就任した。

印刷博物館は凸版印刷(現 TOPPANホールディングス)創立100周年事業の一環として2000年10月に開館。以来、印刷全般を扱う日本初の本格的な博物館として、国内外から年間3万人以上の入館者を集める施設となっている。
印刷の文化的側面を研究する印刷文化学を提唱しつつ、多数の企画展を開催し、館内の印刷工房を中心とした教育活動などを通して、社会/文化の発展に貢献してきた印刷の役割と意義を広く発信してる。

京極夏彦氏は、小説家として1994年、『姑獲鳥の夏』でデビュー以降、独自の世界観を持つ作品を次々と上梓し、直木賞をはじめ日本推理作家協会賞、山本周五郎賞、柴田錬三郎賞など数々の賞を受賞している。日本を代表する小説家のひとりとして活躍するとともに、意匠家としての顔も持ち、印刷や造本装丁について高い見識を持つことでも知られている。

印刷博物館はこれまで、戦後日本のグラフィックデザインを牽引してきた一人である粟津潔氏。西洋中世史、西洋文化史の研究者として、東京大学教授、国立西洋美術館館長を歴任した樺山紘一氏が館長を務め、活動を高度化してきた。

今回、京極夏彦氏の館長就任にあたっては、作品の装丁やフォント、版組みなど隅々までを自ら追求する京極夏彦氏と、印刷博物館が擁する膨大なコレクションとの化学反応による印刷博物館の新たな魅力の発見が期待される。

印刷博物館は新たな体制のもと、「印刷文化学」の体系を構築するというミッションの具現化、コンテンツの充実に努め、文明を支えてきた印刷の社会的価値を広く伝えていく役割を果たしていく。

 

京極夏彦氏 新館長就任あいさつ

「印刷」が与えてくれた恩恵は計り知れません。それは視覚コミュニケーション自体を変革し文化や、社会そのものに転換をもたらしました。メディアを初めとした諸事が電子化に進む現在においても、その根底にあるのは「印刷」なのです。印刷博物館は、その千年以上にわたる越し方をパッケージ化し、伝え、研鑽し、行く末に繋げる使命を担っています。一介の物書きにこの重責が務まるものか、身の縮む思いでおります。皆様のご来館をお待ちしております。

 

新館長プロフィール

京極 夏彦(きょうごく なつひこ)
1963年生まれ
1994年 『姑獲鳥の夏』でデビュー
1996年 『魍魎の匣』で第49回日本推理作家協会賞長編部門受賞
その他数々の賞を受賞。日本推理作家協会 監事。世界妖怪協会・お化け友の会 代表代行

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