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「困ったら→タケダできく」 顧客の課題を無料で整理し資料化 竹田印刷〈シリーズ二刀流③〉

【2023年12月8日】竹田印刷は今年9月、顧客が抱えている仕事の課題を整理し資料化する無料サービス「タケダできく」の提供を開始した。

同サービスでは、顧客から聞いた仕事の課題や整理し、そのポイントを「資料化」、課題解決のためのステップをまとめる。さらにこの資料作成は無料という驚きの企画だ。
同社はどこで利益を出すのだろう、また、どのようにこのような企画が始まったのだろう。

印刷会社が行う印刷そのものではないユニークなサービス。今回はこの「タケダできく」について、同社営業1部 副部長の吉岡孝幸氏と、タケダできくを起案した大村将太氏に話を聞いた。。

大村将太氏と吉岡孝幸氏

 

強みは対応力

――貴社について教えてください
大村
 1924年1月(大正13年)、名古屋市で「武田商店印刷部」として創業し、印刷業をメインに続けて2024年に100周年目の会社です。
ここ数年で、システム開発事業も活性化し、半導体の部門もあるなど、業務が多様化したことから、2023年4月、ホールディングス化をしました。

――商圏と主な得意先の業種は?
吉岡
 広い範囲では東名阪が中心で、我々が所属しているのは名古屋を中心とした中部エリア。お客様の業種で最も多いのは製造業を中心とした工業系です。

――今回の「タケダできく」を始めた経緯は
大村
 当社もそうですが、新しいビジネスを行う場合、学習(市場調査)や投資が必要となり、その時に「伴走するパートナーがいてくれたら」と思うものです。
その思いから、お客様が何かしらの困りごとを抱えられたタイミングで、相談先となれるサービスを新たにスタートしようと考えました。

――いつ頃からサービスの企画を開始しましたか
大村
 2023年のはじめ頃ですね。当社の強み(価値)を考えた時に、とびぬけたサービスやコストメリットがあるわけではなく、では何が価値なのかとなった際に、それはお客様への「泥臭い対応力」だという結論になったのです。

――「対応力」がキモだったのですね
吉岡
 はい。当社の営業担当者は、大手の製造業様などへ訪問する機会が多く、中には一週間のうち3~4回伺うこともあります。そうすると、その会社にどんな方がいて、どんな仕事をされているかわかるものです。
逆に先方も「この仕事で困っているんだけど、竹田印刷さんなら私たちのこと分かるよね」と聞かれることも多かったのです。
この関係性は、印刷はもちろん、ロジスティック(自社倉庫)やBPO、イベント、動画サイネージ、グッズ、ネット通販など、さまざまな商材を通してお客様の課題を解決している結果だと思っています。

大村 そうですね。お客様も自社内で完結できない場合の頼る先として、当社を思い浮かべてほしいとの思いもあります。

 

困ったら「タケダ」⁉

――サービスの詳細と、想定しているお客様は?
吉岡
 困りごとを、フォームに沿って入力していただければ、それに当社が答えるというものです。
想定しているお客様は、既存のお客様はもちろんですが初めて当社を知る企業様にも活用してほしいと考えています。
先ほど大村も言いましたが、何かあったときに真っ先に思い浮かべていただける「ファーストコールカンパニー」でありたい。お客様も「何かあったら竹田印刷に相談する」という結論になっていただければ嬉しいです。

大村 “相談先”という価値を提供できることが、今後の自社のビジネスでもプラスになると思います。
もう一つ、想定のお客様を申しますと、「特定の業種に限らず業界歴が短く、若い方」ということになると思います。
当社の営業担当者がまさにパートナーとなり、悩みごとの解決に向けて一緒に取り組むイメージです。
やはり、業務をされているお客様は社内で先輩に話を聞く場合も、社外の協力先に聞く場合も「相手からどうやって対応されるかな?」という心配は付きものかと思います。それを気軽に相談できる「タケダできく」のサービスをもってして、解消したいというのがこのサービスの思いです。

――確かに専門用語などは「知らないの?」なんて言われるとつらいですよね
大村
 例えばですが、入社して間もないお客様が印刷物の制作を担当された際に「無線綴じって何?」と思っても、社内で聞きづらい場合がありますし、教えてもらえても相手からあまりに積極的に来られると「ウっと」なる場合があるじゃないですか(笑)。

吉岡 自分も経験がありますが、20代前半の頃は、上司から指令は来るけど、まとめきれなかったり、課題そのものが見えていなかったりしますよね。
上司からも、業者からも「どうなっているのか」と言われてしまい、一人でその課題を抱えて前に進めなくなってしまう。
当社は、それを整理するサポート企業になりたいと考えたのです

――昔は「見て学べ」「背中を見ろ」なんて言われました。正直きつかったです…
大村 見て学べなら「竹田に聞け」にしてほしいですね(笑)。
当社では、自社内でも「課題解決を習得する」「教育的にまとめる」というチームを作っています。ここで得た内容は共有し社内全体が学べるようにもしています。
こういった経験がある営業が対応しているので、安心してお任せください。

 

利益はどこで出す?

――これまで担当の方に持ち込まれる悩みごと・困りごとはどんな内容が多かったのですか
吉岡 例えばですが「SDGsの取り組みどうやって進めていくのか、他社の事例を教えてほしい」などですね。
当社では、環境にやさしくフェアトレードなバナナペーパーの使用や、障がいのある方の作品を展示会のブースへの採用、教育事業、フードロスの削減など、SDGsに即した事業を進めており、経験に基づいた提案ができます。
「ノベルティー会社に相談しても、手段としての商品を説明されてしまう」という声を聞いているので、当社なら適度な距離感での伴走が可能と思います。
このほか、展示会や内覧会、周年行事などの各種イベントなどについても、印刷はもちろんイベントの進行、外部への広報発信などのノウハウがありますのでお助けできます。

――利益はどこで出すのでしょうか?
吉岡 このサービス自体は基本的には見込顧客へのアプローチ手段と考えておりですので、ご相談者が将来、当社へ発注いただくことで利益が出ると考えています。

――例えば仕事が他社に流れてしまうこともあると思いますが
吉岡 全部当社に発注いただければ非常にうれしいですが、そうもいかないのは分かっています。それでもお客さんには「竹田印刷が協力してくれた」という実績が残ります。また、お客様が他社を選ばれるときも、当社の社員が「目利き」になって一緒に選定できると思うのです。
もちろん、「バラバラに発注をする方が人的負担やコストがかかる」と考えたお客様が、当社にワンストップ発注いただくことも想定しています。

――今後どのように事業を進めていかれますか
大村 竹田印刷自体が多様なサービスを取り扱っていますので、器用貧乏にならないようにこれらを具現化し、活用したいです。
お客様とともに成長していくような進め方が重要だと思っています。

吉岡 この「タケダできく」でにより課題を解決していただき、その方には次々に新たな業務にチャレンジしていただきたいと考えています。また、課題が解決した方が増えれば、他の方や他社が課題にぶつかったときに「タケダできいてみれば」と口コミで伝わることもあるのかなという想定もあります。
このような形で、少しずつこの企画の成果を出していきたいです。

タケダできく
https://www.takeda-prn.co.jp/lp/takedadekiku/

竹田印刷
https://www.takeda-prn.co.jp/

 

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