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【工夫と創造のこの企業】フナミズ刃型製版 独自の手法で高品質な亜鉛版を作成 刃型発明品「エコマグ」も

【2015年11月13日】フナミズ刃型製版は1980年、船水信徳前社長(現会長)がゼンマイ刃型メーカーとして東京都練馬区で創業。1993年、現社長の木原一裕氏(2003年社長就任)が入社し、刃型事業を守りつつさまざまな事業を立ち上げていった。

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その一つは入社直後の93年に開始した製版事業、07年には他社に先がけて凸版用CTP製版機を導入。最新の設備で精度の高い版の提供している。
同社の刃型は主にラベル業界の後加工用。シールやラベルを必要なサイズに切り抜くための工夫が詰ったもの。製版もラベル用にデータ調整した版を作成、短納期での納品を確立しており、業界に貢献している。CTPで作った樹脂凸版は精度が高く、ラベル印刷の品質を一気に引き上げた。

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同時期に大判インクジェットプリンタ(IJP)を導入。顧客のラベル印刷会社では少量過ぎて受注しづらかった仕事を、同社のIJPを活用することで、取り逃がさない体制を確立した。

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その同社が近年注目を集めているのが亜鉛版の製造だ。印刷用や箔押し用亜鉛版は、安価で扱いやすいことから、印刷業界や箔押し業界で重宝されてきたが、数年前から日本では製造するメーカーがなくなり、輸入物の亜鉛版を使用することになった。
しかし、その板でそのまま製版しただけでは従来の品質を維持することが難しいことがわかり、同社ではこれに独自のレジスト処理を施した亜鉛版を開発。当初、1.0mm、1.5mm厚の製品をリリースし、これが好評なことから、より使いやすい3.0mm厚を今年追加した。

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同社の製品で最も名前が知られているのが「エコマグ」だ。マグネットを利用し、刃型をチェス板にセットする手間やムラ取りをする手間を大幅に減らしたこの製品は大ヒット。同社の看板商品となっている。
また、マシニングやエッチングを組み合わせたフレキシブルダイの作成もオリジナルのマシンで行っており、切れ味や耐久性、エンドレスなどの特殊な加工に合わせた製品を提供できる。

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「ユーザーの困りごとを解決するのが当社の仕事。亜鉛版もメーカーの三井住友金属鉱山伸銅が製造をやめてしまえば、多くのユーザーが困ると思って始めた。エコマグも同じで、刃型取り付けの不便な部分を解決したかった。今後もさらに使いやすい製品を世に出していきたい」と木原社長は今後の展望を語る。

 

◆㈱フナミズ刃型製版
所在地:埼玉県朝霞市栄町4-5-24
創 立    昭和55年9月
従業員数 28人(平成27年4月現在)
同社サイト http://www.hagata.co.jp/

 

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