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グーフ 「goof.lab 」をキックオフ 初回テーマは「デジタルトランスフォーメーションはデジタライズではない」

【2019年4月23日】グーフは4月18日、東京都港区大崎の同社本社で、セミナー「goof.lab デジタルトランスフォーメーションはデジタライズではない」を開催した。

同セミナーは「グーフラボ」のキックオフイベント。
同社の岡本幸憲CEOと櫻井智明Goof.labディレクターが講師となり、セミナーが進められた。

 

デジタライゼーションとは

まず櫻井氏が、前提として「デジタライゼーション」がデジタルを使て付加価値を高めるのに対し、「デジタルトランスフォーメーション」は、経営や事業の在り方そのものを変えてしまうことを指すと定義。

「デジタルトランスフォーメーション」によるインテリジェントなシステム作りや「阻害要因」について説明。
「阻害要因」として、「サイバーセキュリティ―」「不確実な経済環境」「リソース不足」「改革とICT「インフラのサポート不足」「エグゼクティブ層のリーダーシップ不足」などを挙げ「これらが日本の企業には多く、組織変革しなければ進められない」と解説した。

 

岡本幸憲CEO発言要旨

また、岡本CEOが以下のようにラボの意義やデジタルトランスフォーメーションについて解説した。

グーフは、テクノロジードリブンで、今の紙と未来の紙を考え直す。
昔、情報伝達手段は紙のみだったが、今は好きなチャネルから選択できる時代になった。
チラシやDMはマンションの玄関で捨てられる分も含めて刷っているが、こんなことはSDGsの立場からも変えていかなければならない。それを助けてくれるのがデジタルになる。

企業側から事業企画的なアングルで話を聞くと「無理・無駄を排除したい」という話が多く、デジタルでも無駄打ちをしたくないと考えている。この無理・無駄を排除し、全体最適が変わった時、どのように儲け方を変えるかを考えなければならない。

また現在、印刷機メーカーは、装置産業は売買で終ってしまっており、次は5年先までタッチポイントがない。
しかし、メーカーとユーザー、ブランドオーナーがトランザクションでつながり、データやニーズを共有できれば、開発費ももっと合理性を持つだろう、販売のリターンや経営手法も変わるはず、というのが我々の考えだ。

従来、印刷会社はオフセット印刷機を5年や10年回して、儲けを出してきた。
でも、これは今、合わなくなっている。「ブランドオーナー~メーカー~代理店~下請け~孫請け」という流れは、キャッシュコンバーションが悪すぎる。

 

Print of Things

サービス「Print of Things」では、デジタルと同じスピードで進むため「インク オン ペーパー」というところまで印刷を割り切り、後はみなトランザクションで動いていこうということを提案している。そこには無駄な財務や償却コストがなく、会計が変われば、粗利益率が変わると予測する。
シェアリングエコノミー型で、ブロックチェーンを使ったフィンテックのような形で利益を出していけるのだ。

ここで形成されるサプライヤー連合艦隊は、ブランドオーナーなどから「この人たちがいないとできない」と思ってもらうことが大事になるし、その仕組みを作ることが可能だ。

例えば、DM大賞を取った「ディノス・セシール」の事例だが、審査員からは「DMの歴史という本があったら2018年にこれが載るでしょう」と言われるものになった。

要はネットの上のバジェットで、追いかけてくるバナー「リタゲ(リターゲティング広告 )」なのだが、これを紙にしても同じことができるのだ。
我々はこの方法をオープンにしており「これが当たり前になればいい」「市場を作りたい」という考えで進めている。デジタルトランスフォーメーションではデータを自由自在に使えるため、正確さが増す、印刷も量の世界ではなくなってくるはずだ。

 

D.o.C(Ditector on cloud)

D.o.C(Ditector on cloud)はサービスプロバイダー~ビッグデータ~機械をつなぐ「ポストかんばん方式」。
完成すれば、POSデータからWEBにつなぎ紙に印刷ということも可能になる。
先月スーツを買った人に、30%オフのDMを送っても仕方がない。80万人に送っていたDMの数を30万人に減らしても同様の効果を得られるはず、それはデータドリブンだからだ。

メーカーも装置産業からサービス産業へ変わるべき、印刷機をサブスクリプションにし、インプラントでビジネスの中に潜り込んでいくことが可能だ。私は「MFPでできているのに、なんでプロダクションではできないのか」と思っている。
ユーザーは、このシステムに仕事を投げ込むだけで完成品を全国どこでも、送料をかけずに受け取れる。ユーザーにとって「どこに機械があり、どこで刷れるか、確認はすごく面倒くさい」もので、これを一気に解決できる。

システムを進めていくほど、タクシーとウーバーのような関係が見えてくる。
うちの近所で、おいしいたこ焼き屋があるが、2人しかおらずデリバリーできない。しかし、ここがウーバーイーツに載っており、たこ焼き屋のビジネスは、可能性が大きく広がった。

ITは今、自社開発ではなく、サービスに乗っかる時代。印刷業界も自分たちにITスタッフがいない、などということは連合艦隊の結成で解決できる。

 

じゃあどうする?

5年後、10年後、20年後をどう予想するかだが、国内は今「VSグローバル」「人口減少」「高齢化」「市場変化」「××tech」「ジェネレーション」「コスト&バリュー」などの課題がある。

この中で、印刷会社やメーカー、ミドル、ブランドオーナーが集まってさまざまなことをやっていこう、問題を解決できる場所に使用しようというのが「グーフラボ」だ。
わくわく感を増せる環境にしていきたい。

 

「グーフラボ」は次回6月を予定。「フォントのうまい使い方」などをテーマに行う。

 

グーフ
http://www.goof.buzz/

 

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