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【この人に聞きたい!】パッケージにもファン熱狂!?「明治ザ・チョコレート」・前編 明治 山下舞子専任課長


【2018年3月9日】チョコレートの歴史を紐解くと、紀元前2000年ころから人類がカカオを食してきたというから、昔から人間はあの味を好んだのだろう。
その後、コロンブスがカカオを欧州に持ち込み、以後、高級菓子や飲み物として珍重されてきた。
日本でチョコが一般的になったのは戦後カカオやチョコレートの輸入が自由化されてからで、記者が子供のころには、チョコレートは高級菓子だった印象がある。

そんなチョコレートに深くかかわってきたのがお菓子メーカーの明治。
同社が2014年に発売した「明治ザ・チョコレート」は200円超という一般的な板チョコの倍ほどの価格にもかかわらず、2016年にリニューアルしてから爆発的ヒットを記録した。

明治ザ・チョコレート

「世界に誇れるチョコレートのJapan Quality(ジャパンクオリティー)」を目指した同製品は、その売れ行きとともに、パッケージデザイン関連のさまざまな賞を獲得。包装を使った購入者の遊びも話題となっている。

今回は、この商品のデザインにかかわった明治菓子用品開発部の山下舞子専任課長スペシャリティーチョコレート担当に話を聞いた。

 

チョコもワインを楽しむように!

――大ヒットした「明治ザ・チョコレート」ですが、商品開発の経緯は
2014年にカカオを60%という特徴が際立った商品として、販売を開始しました。

日本では、スーパーやコンビニエンスストアの棚で見かけることのなかった「スペシャリティーチョコレート」という商品ラインを確立しようという狙いがありました。

――「スペシャリティーチョコレート」ですか。日本では高級洋菓子店のイメージですね
一般的には日本ではチョコレートというと、やはり「おやつ」と考える人が多いと思います。
一方、海外では嗜好品としてのチョコレートが確立されており、ワインのような楽しみ方がされています。
明治では「ミルクチョコレート」が2016年で90周年を迎えたこともあり、チョコに対する技術や思い、専門性や先進性を持っている当社が「チョコレートの文化を作っていきたい」という思いを込めて「明治ザ・チョコレート」を作りました。

今までの概念を変える「世界に誇れるチョコレートのJapan Quality(ジャパンクオリティー)」目指すというのが我々の合言葉でした。

――ワインのように楽しむというのはどういうことでしょうか
ワインも「甘味・辛口」「渋み」「香り」といったポイントがあり、この認識が定着することによって、食卓で深く楽しめるようになりました。
当社ではチョコレートに「花香」「果実香」「ビター感」「甘味」「ミルク感」「酸味」「ナッツ感」という味わいの分類を作成しました。

 

農園から作り上げる「Farm to Bar」

――大人が楽しめるチョコとして作り、分類も非常に楽しいですね。文化の醸成という部分をもう少し教えてください
日本だけではないですが「チョコがどういう風に作られているか?」という問いかけに、正確に答えられる方は少ないのが現状です。
機械があってボタンを押したらチョコが製造される、というようなイメージを持っていらっしゃるケースが多いように感じます。

チョコレートの製造には、カカオの実が非常に重要で、カカオを知ることで、非常にチョコは面白くなります。
当社では、カカオ豆からチョコレートになるまでを一貫して製造することを「Bean to Bar(豆からバーまで)」と表現しています。
さらに、「Farm to Bar(農園からバーまで)」という、カカオの農園からかかわる事業もしているのです。

――カカオについて、また明治の取り組みを教えてください
「カカオ」はチョコレートやココアの原料となる植物とその実で、赤道中心に南北20度の「カカオベルト」でしか取れないことが特徴です。
チョコレートのおいしさはこのカカオで決まると言っても過言ではありません。

カカオは数千種類ありますが代表的なのは4種。
「クリオロ」は、カカオの原種とされており、病気に弱く、あまり出回らない品種です。
「フォラステロ」は、西アフリカ、東南アジアで採れる一般的なカカオで最も多く出回っています。
「トリニタリオ」は、上二つの交雑種、香味ありながら病気に強く、専門店でも使われる高級品種です。
「ナシォナール」は、花のような独特の香りが特徴で、この豆も一般にはあまり出回ってはいません。

カカオの実はフルーツのような香りで、その中の種子の部分がカカオ豆となるのです。一つの実で約1キロのカカオ豆を採集でき、この豆を農場で発酵、乾燥させ輸出しています。

農場で収穫してから乾燥と発酵させる過程で、豆の味はほとんど決まってしまいます。
ですから「Farm to Bar(農園からバーまで)」にこだわり、生産地へ当社研究員を派遣して協力農家へのサポートや資金提供を行っています。

――「明治ザ・チョコレート」の成功は、こういったチョコレート文化への思いと活動が実を結んだ形ですね
実は一般的な小売店で販売する「スペシャリティーチョコレート」に関しては、7回もチャレンジしています。
当社では1986年に「コラソンカカオ」というスペシャリティーチョコレートを発売したのが最初で、その後も、商品を発売しては消えていくという形で、なかなか定着しませんでした。
「明治ザ・チョコレート」は、7回目のチャレンジで、やっと成功といえる形まで来られたのです。
味は「ミルクチョコ」でも、甘さだけではなくカカオの香味をしっかり楽しめるものにしています。

 

後編ではいよいよ、社内でも反対があった(?)開発秘話、パッケージファンの話へ

【この人の聞きたい!】かつてないパッケージにもファンが!?「明治ザ・チョコレート」・後編につづく

 


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