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「シリーズ デジタルプリント」第9回 富士ゼロックス・前編 drupa2016で見た自動化


【2017年8月7日】新たなデジタルプリントの潮流を探るこのシリーズ。
9回目は、富士ゼロックス。

富士ゼロックス 001

デジタル印刷分野では先進的な取り組みで、オンディマンド印刷市場開拓を牽引してきた同社。近年のデジタル印刷について、その現状や今後の展望を同社グラフィックコミュニケーションサービス事業本部GCフロンティア部の杉田晴紀部長に、今年、展示内容が刷新された「お客様価値創造センター」で話を聞いた。

FujiXerox_Harunori_Sugita

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「drupa2016」で見た自動化の動き

――組織改正があったそうですね
私の所属する部署は、2017年度から組織改正し、GCS(グラフィックコミュニケーションサービス)事業本部となりました。
従来は事業計画、開発、輸出、OEM、マーケティング、営業、SEなどに分かれていたプロダクションサービス機能を統合したもので、事業バリューチェーン全体がひとつの組織となり、グローバルで活動してゆく体制となりました。その中で、GCフロンティア部の役割は、ユーザーやパートナー企業との連携により、最先端のビジネスモデルを開発・展開していくことです。

富士ゼロックス 032_R
内容が刷新された「お客様価値創造センター」

――昨年の「drupa2016」の感想は
ひとつ前の「drupa2012」では、デジタルとアナログの融合を「ハイブリッド」という言葉を使って説明していました。オフセット印刷とデジタル印刷をワークフローシステムでつなぎ、生産の最適化を進めればまだ収益拡大が可能だという、改善の発想でした。

これに対し「drupa2016」は「インダストリー4.0」に象徴されるように、IoTを中核とした生産プロセス全体の自動化へと進化しましたね。まだ全体の一元管理とか、無人化といった領域までは実現できていませんが、メーカー各社が各プロセスの自動化を当たり前のものとして出してきていました。
ただ、工作機械メーカーや、デジタルマーケティングサービス会社などの印刷業界外のトップベンダーと連携したモデルやサービス実証までは、ありませんでした。次のDrupaのテーマの一つだと思っています。

また、オフセット印刷機メーカーが、インクジェットヘッドと自社のオフセット技術を融合させたデジタル印刷機を出しており、もう、オフセット対デジタル印刷機という単純な競争の時代ではなくなったという印象があります。

 

ICTで進む二極化

――デジタル印刷戦略をとり描く環境は
先のDrupa2016での実感を含め、印刷市場においても、いよいよICT(Information and
Communication Technology)の浸透・進化により、二極化が進んでゆくと考えています。
他の産業構造を見てもそうなのですが、ICT化が産業を襲うと、規模追求型(スケール)と特化型(スコープ)といったような二極化へ向かわざるを得なくなります。
これを図に表すと上流行程と下流行程が「スマイルカーブ」を描く、「スマイルバリューチェーン」になります。この中で、従来のプリプレスやプレスなどの生産工程の価値は相対的に低下し、ますます価格競争が加速すると思われます。

富士ゼロックス smilevaluechain

このような環境変化の中、まず生産プロセスの「スマートファクトリー化」は非常に重要です。IoT(Internet of Things)や機械学習が進展すれば、今までは熟練のオペレーターが行っていた巧みの技や印刷プロセスを可視化し、ワークフローが自動化され、印刷経験の少ない人でも運用できる環境となります。
そういった仕組みやノウハウを活用できる場は、印刷会社の大小を問わず存在し、また、デジタル印刷機器自体のダウンサイジングも含めて、市役所や幼稚園など、「これまで印刷なんて難しくて素人にはできない」と思われていたところでも活用していただけると考えています。

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