【2017年6月23日】ウイル・コーポレーションと日本HPは6月15日、石川県白山市のグランドホテル白山と、ウイル・コーポレーション北國工場で「高速インクジェット輪転機オープンハウス」を開催し、プリントバイヤー、出版社、報道機関など、100人以上が参加した。
この日行われた最新事例やデジタル印刷機の現状について報告があったセミナーについて、
レポート1ではウイル・コーポレーションの若林圭太郎社長をの講演を報告した。
レポート2では、HP Inc.ページワイド・インダストリアル部門ワールドワイド マーケティング ディレクターのデビッド・マーフィー氏、今回システム構築を行ったグーフ社長CEOの岡本幸憲氏が行った講演の内容をお届けする。
HP Inc.ページワイド・インダストリアル部門ワールドワイド・マーケティング・ディレクター
デビッド・マーフィー氏
「マスコミュニケーションからマスカスタマイゼーションへ」。
この変化が起こり始めたのは30年ほど前。
印刷は死んだという表現は1984年の映画に登場したのを覚えています。
現在、ブランドとオーディエンスの関係も変わりました。
「いつ」「どういった」メッセージを送れば効果的か、その中で「なにが重要なのか」を伝えなければならなくなりました。
マスではできないですが、デジタル印刷ならこれが可能です。
HPではインクジェット印刷機を9年ほど前にリリースし、マス媒体をゆるがしました。
それから、デジタル印刷は新聞やカタログなどに広がり、さらに段ボールや包装市場に広がりを見せています。
未だに世の中では「インクジェットってなんだ」というと、小型のオフィスにあるものと想像しがちですが、我々が進めているのは
HPが販売している産業用のデジタル印刷機はこれを高速化し、連帳タイプにしたもので、毎分180mといった高速稼働が可能です。
A4用紙であればワンパスで毎分8000枚が可能という速さです。
インクジェットは新たなチャンスを生み出しています。
印刷はマスコミュニケーションの中では、シェア3位の媒体で、少なからず重要な地位を占めています。
デジタル印刷の良い点をいくつか挙げてみましょう。
まずは山のようなeメールの選別から解放されます。
紙であることは、感情面での結びつきを持てる媒体ということも言えるでしょう。
紙はざっと目を通すことができ、メッセージのアンカーとしてトータルコストを削減できるのです。
ダイレクトメールは進化し、パーソナライズされ、さらにカラー化されているのです。
今後は、もっと使い方が細分化されるでしょう。
パーソナライズDMは高いレスポンス率があり、一般的なキャンペ-ンに比べ3~5倍のロイヤルティーがあることが分かっています。
DMと他の媒体よるクロスメディアも力強く、DMからオンラインに向かうようにすればレスポンスは非常に高くなります。
この後、欧州での採用事例を紹介。
<ヨーロッパの印刷社「Symeta」と保険会社「Ethias」のパーソナルマガジンの例>
<ヨーロッパの印刷社「Symeta」とベルギーのスーパーマーケット「Colruyt」の例>
このようにインクジェットは、無駄を減らし、迅速で、より高い品質と多様な用紙対応、可変印刷性、カスタマイズが特徴です。
これが実際の市場で起こっていることなのです。
グーフ社長CEO 岡本 幸憲氏
「デジタルスマートファクトリーで提供できる フィジカルマーケティングオートメーション」
当社は印刷に歩み寄って、システム開発やソフト提供を行っており、今後はさらに上流のブランドオーナーと連携したサービスを、展開していければいいかと思っています。
今、デジタル印刷の進化で生産性が大幅に向上しています。
PODの既成概念は捨ててください。デジタル印刷は、小ロットやコピーの延長ではないもので、以下の特徴があります。
・バリアブル印刷は当たり前。WEB等のファンクションも可能
・品種小ロットから、多版メガロットへ
・「デジタル」印刷=デジタルマインド
かなりアナログだったメディアとその運用を徹底的にデジタル思考でビジネス化し、印刷はデータと直結します。
従来、印刷の依頼というのは、印刷会社と会話するということでしたが、今は「クリックから印刷へ」という時代になりました。
デジタル印刷のビジネス連携とは、Eコマースやブランドと直接つながることで、これらのビジネスと印刷は条件を合わせて展開しなければなりません。
マーケターはフルチャネルで顧客とつながりたいと考えています。
2010年代にはマーケティングオートメーション(MA)が登場しましたが、デジタルの中だけではなく紙でもしっかりMAできるようになったのです。
紙の概念は変わってきており、MA化すると、今までの工程とコストを削減できることが分かっています。
デジタルによる印刷は、時間短縮や保存性に加え、追跡性も今後さらに高まるはずです。
マーケティングテクノロジー連携で「データ×紙」が可能になりましたが、ライトタイミングでないと意味がありません。
当社がウイル・コーポレーションとつくるシステムは最終的に以下のことを目指しています。
・24時間~48時間で投函
・1日1000万件
・1枚からOK
例えば「期間契約」にして「予定総枚数で単価設定」「枚数別での単価変動はなし」といったビジネスも可能かと思います。
また、「使った分だけお支払い」というようなこともできるようになります。
現在、ウイル・コーポレーションではペラものであれば、発注から48時間以内に印刷を終え、投函できる体制を整えています。今後は冊子、立体までの対応を目指していきます。
goof / グーフ
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