【2017年2月27日】昨年、ドイツで開催された世界最大の印刷関連機材展「drupa2016」。
印刷機メーカーからはデジタル印刷機について多くの提案があった。
「シリーズ デジタルプリント」では、印刷機メーカーを中心にデジタルプリントにかかわる企業を取材し、デジタルプリントについて現状や将来を明らかにしていく。
今回はリコーが昨年11月16日、東京都大田区平和島にオープンした「RICOH Customer Experience Center」について、前編に引き続きレポートする。
「シリーズ デジタルプリント」第3回 <リコー・前編> 魅せる工場で実機を体感
リコーCECが他のショールームと異なるのは、ものづくりの現場であること。
「現場で起こった課題に改善策を提案しており、機材単体の良さを見せるだけでなく、工場に設置した際のセッティング方法などまで提案できる」と宝槻洋司PICグループリーダー。
「魅せる工場」は、自社製品の良い所ばかりを見せるのではなく、実際に印刷や加工工程を改善するなかで起こったさまざまな試行錯誤をノウハウとして蓄積し、公開していくことを目指しているという。
リコーCEC TOKYOは、別の場所にあった工場を移設したものだが、移設時、工場内にさまざまな改善を行った。
デジタル機器類に必須である電源コードや通信用コードなどは天井に配線する「ファクトライン」を採用。これは重量のある印刷機を設置する工場で、OAフロアのような床のかさ上げができないためだ。天井に配線することにより、機材のレイアウトがしやすく変更もしやすいことが特徴。
また、加工機の作業箇所にカメラが向けられており、用紙の入れ忘れや入れ間違いを監視し、パトランプでこれらを知らせる仕組みも備えている。
この検査方法は「不良品を検知するのではなく、不良品を出す前に察知しNGを失くす方法」を提案するものだ。
工場の一角には「展示コーナー」があり、ここでは実際にこの工場で印刷されたカタログやチラシ、POPなどを手に取って見られる。
ちなみにリコーグループの名刺はすべて、この工場で印刷されている。
通路などの壁には浮世絵などをモチーフにしたタペストリーが掛けられているが、これも大判インクジェットプリンタ(IJP)「RICOH Pro L4160」で出力されたもの。
同工場だけでなく、英国やタイのリコーCECでプリントされた事例も展示されており、海外の事例を日本に居ながら見ることができる。
新設されたリコーCEC TOKYOだが、工場、ショールームとしての機能のほか、導入企業のトレーニングの受け入れも行う。
まさに、リコーのデジタル印刷機に関する旗艦センターであることが分かる。
宝槻洋司PICグループリーダーは「当社のショールーム施設『リコープリンティングイノベーションセンター』(東京都港区芝浦)とともに、自社の提案を示せる場所としてユーザーに貢献したい」と活用に期待を込める。
「シリーズ デジタルプリント」第3回 <リコー・前編> 魅せる工場で実機を体感
<RICOH Customer Experience Center TOKYOの概要>
所在地 : 東京都大田区平和島6-5-18
RICOH Customer Experience Center TOKYO
http://www.ricoh.co.jp/pp/cec
問い合わせは(☎03-5767-9886)まで。
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