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「FESPA&LIGNA&CHINA PRINT報告会」  大野氏&中村記者の激辛トークで盛り上がる

【2025年6月16日】「FESPA&LIGNA&CHINA PRINT報告会」が6月13日、東京都中央区の日本印刷会館で開催された。主催はプリント&プロモーションと大野インクジェットコンサルティング。

同イベントでは、大野彰得氏が「FESPA2025」と「LIGNA2025」について、プリント&プロモーションの中村記者が「CHINA PRINT」について報告。後半にはパネルディスカッションも行われた。

冒頭、大野氏は「今日は多くの方にお集まりいただきありがたい。欧州と中国の展示会を紹介するが、どちらも日本人の姿が少ないと感じた。ぜひ今日の内容を踏まえて、海外の展示会に参加してほしい」と述べ、報告に入った。

 

CHINA PRINT

まず中村記者が「CHINA PRINT2025報告&中国の展示会に行こう!」をテーマに、「CHINA PRINT」に加えて、この春に開催された「Printing South China」と「APPP」という中国の2つの展示会について、以下のように解説した。

メインの「CHINA PRINT」は、5月15日から19日まで北京で開催された。4年に一度行われる印刷関連の総合見本市であり、欧米や日本の大手メーカーも多数出展しており、中国版drupaとも言える様相を呈している。出展社数は2000社を超え、来場者数も5日間で約13万人と、勢いではdrupaを上回る規模であった。

欧米からはコダック、ハイデルベルグ、HP、KBA、ダースト、BOBST、LANDAなどが、日本からは小森コーポレーション、コニカミノルタ、リコー、富士フイルム、エプソンなどが出展した。
傾向としては、中国のメーカーはこの展示会に合わせて新製品を多く投入しており、一方で欧米や日本のメーカーは「drupa2024」で展示した製品の中国向けお披露目という印象が強かった。

後半は「中国展示会へ行こう!」と題し、中国展示会への行き方や登録方法、会場での注意点などを解説した。

 

FESPA/LIGNA

大野氏は「FESPA2025報告+LIGNA2025報告」のテーマで、「FESPA」と「LIGNA」という2つの展示会について以下のようにレポートした。

FESPAは5月6日から9日まで、ドイツ・メッセベルリンで開催され、約1万4000人が来場した。毎年開催される見本市としては最大級の規模を誇る。
展示傾向は「drupa2024」と似ており、中国勢の大量出展が目立ったが、主催者側からの指導があったのか、「drupa」よりも中国ブースは洗練され、立ち寄りやすい環境が整っていた。

また、老舗の中国メーカーは定着度が増しており、もはや泡沫的な存在ではない。新技術の発表は少ないが、先進国の大手企業による最新鋭機はここで発表されていた。
機材は大型化・自動化が進んでおり、大手によるDTF(Direct To Film)機への参入も目立った。

日本企業では、ミマキエンジニアリングが会期中に「50周年記念パーティー」を開催。エプソンをはじめとする日本企業も存在感を示したが、買収したFieryとのシナジーは確認できなかった。

また、佐川印刷(愛媛)が「FESPA Award金賞」を獲得。その他の日本の印刷会社も入賞するなど、現地での活躍が見られた。

 

パネルディスカッション

パネルディスカッションでは、大野氏と中村記者が登壇し、展示会をはじめ、それを取り巻くプリンティング業界の現状について、激辛トークを展開した。

主なテーマは以下の通り。
・日本の展示会にもはや意味はあるのか?
・日本の印刷ジャーナリズムは何をしているのか?
・中国とどう向き合うのか?

また、終了後に場所を移して行われた懇親会でも、率直な情報交換が行われた。

 

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