【2026年4月8日】ローランド ディー.ジー.は、大判インクジェットプリンタ「TrueVis」シリーズの新機種「VG4-640」「VG4-540」を市場投入した。

新製品は、サイングラフィック製作の現場に向け、出力品質を維持したままオペレーション時間を短縮する設計とし、出力工程の分業化と遠隔操作を実装している。
新開発プリントヘッドを搭載し、微細インク滴の高密度吐出により色再現性を向上。独自設定「True Rich Color」と組み合わせることで、ビビッドな色域とニュートラルグレー、滑らかなグラデーション、肌色の再現を両立する。
インクはGBLフリーの「TR3インク」を採用し、従来の9色にライトブラックとレッドを加えた構成。ブランドカラーなどの再現精度を高めるとともに、環境配慮にも対応する。
ホワイトインクは従来機比で出力濃度を約1.3倍、速度を約1.5倍に高め、ウィンドウ装飾や電飾用途の下地プリントでの工程時間を短縮した。
作業工程では、従来PC側で行っていた出力操作をプリンタ本体側に移行。これにより、出力オペレーターはメディアセットから印刷工程に集中し、デザイン担当は別系統でデータ作成と出力設定を行う分業体制を構築できる。プリンタとPCの往復操作が不要となり、現場の作業動線を整理した。
遠隔運用ではクラウド連携機能により、データをアップロードするだけで外部から出力操作が可能となった。サブ電源のオン/オフ、ヒーター制御、ホワイトインク循環、クリーニング、テストプリントまで遠隔で実行可能。出社前に準備工程を完了させ、立ち上げから出力開始までの待機時間を削減する運用が可能となる。
後加工工程では、Print & Cut機能に新たな巻き取り制御を追加した。メディアを床に接触させず巻き取りながらカット処理を行うことで、大量のラベルやステッカー制作における搬送トラブルを抑制し、連続生産の安定性を高めた。
出力ソフトは「VersaWorks 7」により、色合わせ工程を簡素化。ウィザード形式(対話形式)により、同一機種間の色差補正や経年変化の補正を短時間で実施できるほか、複数台運用時の色統一にも対応する。測色工程も専用ソフトを介さず完結し、プロファイル作成の手順を削減した。

背景には大判インクジェット市場の短納期化と多品種対応の要求がある。特にサインやディスプレー用途では、受注から出力、後加工までの一連の工程時間が受注競争力に直結する。このため、単体の出力速度だけでなく、工程全体の最適化が求められている。
同機種は、出力前後を含めた作業全体の効率を見直し、分業・遠隔・自動化を組み合わせた運用モデルを提示した。今後は複数台運用や拠点分散環境での導入を進め、サイングラフィック分野の生産体制の再構築を狙うという。
Copyright © 2026 プリント&プロモーション . ALL Rights Reserved.