【2025年5月9日】ゴールデンウィークも終わり、皆さんなかなか仕事の本調子が戻らないかと思います。なので、今回は箸休めに、記者が取材で見たこぼれ話をいたします。
昨今、マスゴミ、オールドメディアなどといわれて肩身の狭い我々ですが、これを見て記者や報道関係者になってみたいなと思う若者が少しでも増えればいいなという思いも込めて、書かせていただきます。
取材でたまにお目にかかるのが芸能人や有名人の方。新製品の発表やCMの公開に合わせて、記者を呼んでのお披露目という時に華を添えてくれます。
その中でも特に印象的だったのは、あのミスタープロ野球の長嶋茂雄さん。地下鉄の大手町駅のホームの柱をジャイアンツのレジェンド選手たちでラッピングするという企画をお披露目した際のゲストでした。
実際に電車が到着するホームでの取材なので、主催者からは「長嶋さんはこのロープの外側には絶対行きません。皆さんも絶対にロープの外に出ないでください!」とけっこう厳しめのお達しがありました。
しばらく待って、ミスターが到着、白を基調のスーツを着こなしさっそうと登場。「いや~~皆さんどうも!お待たせ~~!」などとあいさつした瞬間に、その場がパッと明るくなったような感覚に…。取材慣れしているはずのテレビクルーやスポーツ紙の記者たちからも「ザワッ!」という感じにどよめきました。背が高く格好いいのですが、とにかくその場に太陽みたいなものが現れた感じで、その体の大きさ以上にスゴイ存在感を放ち、場の空気を一気に彼が持って行きました。
スターのオーラがバンバン出ている人を見たのはこの時が初めてで、これ以上のオーラがある人はその後も見ていません。
そのミスター、柱に掲出された選手たちのビジュアルを手で触りながら「カワカミ先輩!!」「おおおお!ワンちゃん!!」などと大喜びで歩いて行きます。
そして…主催者が「その外には行かないで」と言っていたロープをサッとくぐり、いや~「いや~ハラくんもいるね~!」とスタスタ歩き出します。当然ながら報道陣も追いかけてロープの外に…その全員の顔が楽し気にニコニコしており、困ったことが起こったはずの主催者まで頭を掻きながら大笑い、完全にミスターのペースでお披露目は終わりました。
参加したクルーや記者は大満足、カメラマンも「やっぱりミスターは居るだけでいい絵が撮れるよな」などと口々に言っていました。
人気になる人って、やっぱりその存在自体が輝いているし面白い。そしてこの時は、その輝きを伝えきれない「業界紙記者」という存在が残念で仕方ありませんでした。
もう一人、そんなすごいオーラを持っていたのが、ローラさん。
当時は「タメ口タレント」として売り出し始めたころで、実は自分は彼女の存在をよく知りませんでした。
イベントは不二家の新製品発表会で、ゲストに売り出し中の彼女が呼ばれたのです。
司会の紹介で招き入れられた彼女は「ひゃああああああ!」のような声を上げながら、報道陣に手を振りステージに登壇。この時もパッと会場が明るくなったような錯覚に陥ったのは、彼女が着ていた真っ白なドレスのせいだけではないでしょう。
ステージに上がったローラは、不二家のマスコットであるペコちゃんに向かって「久しぶり~!!」。司会者は「え!会ったことあるんですか?」と聞くと「初めてだった~~」と頭を拳でポカポカ叩いて見せる…もうこれだけで会場内にいる人が腹を抱えて笑っています。
さらに彼女、じっとペコちゃんを見ると「ねえペコちゃん!ベロ乾かない?」とピョコっと出ているペコちゃんの舌を触り始めました。この辺りで会場は完全にローラに支配された笑いの空間になってしまいました。
実はこの日、ローラの助っ人としてあるお笑いコンビが来ていたのですが、完全に出る幕なしで、笑いは全部ローラがかっさらっていきました。
「この子はもっと売れる!」私も周りの人たちも思ったことでしょう。
今回紹介したお二方とも「陽性」で、その場の雰囲気を楽しくさせる天性の輝きの持ち主。そういう強烈な才能の輝きに会えるのも、報道という仕事の魅力です。
Copyright © 2025 プリント&プロモーション . ALL Rights Reserved.