【2020年10月29日】ホリゾンとSCREENグラフィックソリューションズ(SCREEN GA)はこのほど、印刷工場のスマートファクトリー化を実現する目的で、人工知能(AI)を活用したソリューションを共同で開発することに合意。2022年1月以降、エンドユーザーへの導入を目指す。
近年、少量・多品種・短納期が印刷製本業界でも止められており、それに付随して工場の効率化が課題となっている。
一方、工場内では人的、機械的要因など、さまざまなトラブルが発生するとともに、これを解決できるベテランスタッフが高齢化し、後継者の育成なども問題となっている。
AIを活用したソリューション開発は、こうした背景から生まれたもの。
ワークフローシステムでは、ホリゾンの「iCE LiNK」、SCREEN GAの「TRUST NetworkService」があり、これらに集積される生産ラインの稼働データをAIで分析することで、誰もが効率的にオペレーションできる生産環境の提供を目指す。
10月27日に行われた記者発表ではSCREEN GAの柿田高徳社長は「スマートファクトリーはこれからの印刷工場には必要なもの。ただし1社ではこれを実現できない。今回SCREEN GAの力を借り、さらに顧客の皆さんとともに実現していきたい」と述べた。
また、ホリゾンの堀英二郎社長は「当社では古くからSCREENホールディングスとの付き合いがあり、かつて石田明氏(元会長)から『今後は京都連合で印刷・製本やっていこう』と言われたことがある。地の利を生かし、京都から印刷産業に役立つイノベーションを完成させていきたい。メーカー主導ではなく、あくまでもお客様に役立つモノづくりをしたいと考える」と述べた。
ホリゾン 代表取締役社長 堀 英二郎氏
これからの印刷・製本工場にはスマートファクトリー化が欠かせません。弊社ではいち早く 1990年代後半から、数値情報を機器側で受けて機器を稼働させており、今回のAIによる情報解析もその具現化に向けた取り組みの一つです。数値を統計的解析し、これまで人の経験に頼っていた微調整レベルのセットアップやトラブルの未然防止などにAIを活用することで、印刷から製本まで分断なく一元的に稼働させ、管理できるシステムとして提案できると考えています。このたびの両社協業の開発が印刷業界の発展と先進性に貢献できることを心より願っています。
SCREENグラフィックソリューションズ 代表取締役 社長執⾏役員 柿田 高徳氏
デジタル時代の生産は、人・環境・工程が相互に関係しており、一社単独の取り組みではスマートファクトリー化は実現しません。中でも、生産性に直結するデジタル印刷と後加工のシームレスな連携は特に重要な取り組みの一つです。両社の持つ専門的な知見を融合し、データと AIを活用することで生産システムを進化させ、人材のダイバーシティー化、廃棄物の削減と いった社会的な要請に応えるとともに、印刷業界が目指すマスカスタマイゼーションの実現を推進していきます。
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