【2026年3月9日】電通は、日本の総広告費や媒体別・業種別広告費を推計した「2025年 日本の広告費」を発表した。2025年の総広告費は8兆623億円(前年比105.1%)となり、2021年から5年連続で成長し、4年連続で過去最高を更新した。

企業業績の回復を背景にデジタル投資が拡大したほか、大型イベントの開催なども市場を押し上げた。動画広告やSNS広告の伸長により、インターネット広告費は総広告費の50.2%を占め、初めて過半数に達した。


当サイトに最も関係の深い「プロモーションメディア広告費」は1兆7,184億円(前年比102.0%)で3年連続のプラス成長。特に「イベント・展示・映像ほか」は4,748億円(同111.2%)と二桁成長となり、大阪・関西万博や東京2025世界陸上競技選手権大会など大型イベントの開催が寄与した。これには屋外広告や交通広告、POP、イベントなどが含まれる。

「屋外広告」は3,042億円(前年比105.3%)と堅調に推移した。飲料や情報・通信分野を中心に多くの業種で利用が拡大した。繁華街の大型ボードなど短期看板では、SNSでの拡散を意識したインパクトのあるOOH展開が目立った。屋外ビジョンは渋谷や表参道など都市部繁華街を中心に引き合いが活発だった。ネットワーク型デジタルOOHでは、広告取引や配信を自動化するプログラマティックDOOHの普及が進み、小売店舗のデジタルサイネージなどリテールメディアとの連携も広がった。
「交通広告」は1,736億円(前年比108.6%)となり、インバウンド需要の回復を背景に全国的に増加した。特に関西圏では大阪・関西万博の開催に伴い、駅構内の大型デジタルサイネージが多数新設されるなど需要が拡大した。鉄道では車内ビジョンや中づり、ステッカーなどの車両媒体が増加し、駅媒体も大型デジタルサイネージへの出稿需要が高かった。バス広告は都市部で車体広告やバス停広告の需要が強かった一方、地方では車両数の減少に伴い出稿が減少傾向となった。空港広告は訪日客増加によりデジタルサイネージを中心に拡大し、タクシー広告はAI関連サービスなどBtoB企業の出稿増加に加え、BtoC企業の利用も広がり大きく伸びた。
「折込広告」は2,354億円(前年比96.4%)と減少した。新聞購読率の低下に加え、人件費や配送コストの上昇による媒体単価の値上げが影響した。一方で、物価高による節約志向を背景に、地域密着型店舗や高齢層向けサービスの販促手段として利用されるケースも多かった。また2025年7月の参議院選挙に伴う出稿増加もみられた。
「DM(ダイレクトメール)」は2,708億円(前年比94.6%)となり、2024年10月の郵便料金改定の影響などから発送数の見直しが進み前年を下回った。通販企業を中心に、単発キャンペーン型から商品同梱型のパーソナライズDMへ移行する動きがみられ、QRコードや動画を活用したデジタル連携型DMなどオンラインと組み合わせた活用も進んだ。
「フリーペーパー」は1,056億円(前年比80.9%)と大きく減少した。デジタル移行に伴う休刊や廃刊が相次いだことが影響した。冠婚葬祭や住宅・不動産分野では増加傾向がみられたものの、求人情報関連の広告は減少した。
「POP広告」は1,540億円(前年比103.8%)となり、実店舗での購買行動の回復を背景に売り場訴求の需要が拡大した。食品や日用品分野では価格改定への対応もあり、売り場戦略の強化に伴うPOP活用が進んだ。一方で紙資材の価格上昇や環境配慮の観点から販促予算を抑制する動きもみられた。
「イベント・展示・映像分野」は4,748億円(前年比111.2%)と大きく伸長した。大阪・関西万博やJapan Mobility Show 2025、東京2025世界陸上競技選手権大会など大型イベントの開催が需要を押し上げた。企業はリアル体験の価値を再評価しており、展示会やイベントを通じて顧客接点を創出する動きが活発化している。単なる製品展示から、コミュニティ形成やテクノロジーを活用した体験型演出へと役割が変化しているという。
また、広告関連市場として推計された「商業印刷市場」は1兆7,500億円(前年比99.4%)。デジタル広告の拡大で紙媒体を取り巻く環境は厳しいものの、短納期や小ロット、可変データ印刷などの需要増によりデジタル印刷の導入が進んでいるとしている。

「インターネット広告費」は4兆459億円(前年比110.8%)で、1996年の推計開始以来初めて4兆円を突破。SNS上の縦型動画広告やコネクテッドTV(インターネット接続テレビ)向け広告など動画広告の需要拡大が市場をけん引した。
一方、「新聞」「雑誌」「ラジオ」「テレビ」を合わせた「マスコミ四媒体広告費」は2兆2,980億円(前年比98.4%)とほぼ横ばいだった。内訳は「新聞広告費」3,136億円(同91.8%)、「雑誌広告費」1,135億円(同96.3%)、「ラジオ広告費」1,153億円(同99.2%)、「テレビメディア広告費」1兆7,556億円(同99.7%)となった。
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