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イメージ・マジック 国内最大規模のTシャツプリント拠点「岐阜プリントセンター(GPC)」を開設 プリンタ50台を一挙に導入

【2021年7月1日】イメージ・マジックはこのほど、岐阜県多治見市に国内最大規模となるTシャツプリントの製造拠点「岐阜プリントセンター(GPC)」を開設した。

同社では都内に4工場、埼玉1工場で生産していたが、今回、関東以外では初の製造拠点を中部地方に置いた。「オリジナルプリント.jp」をはじめ、ネットでのグッズプリントを手掛けており、ここ数年は毎年売上40%増以上を維持する高成長を遂げている。

岐阜での拠点開設は、需要の急増を支えるもので、BCP対策に加え、日本のほぼ中央に位置し物流の拠点ともなる場所での製造を意図している。

工場面積は、機材設置エリアだけで2500㎡。オープン時点には、ブラザー工業のガーメントプリンタ「GTX」50台を導入した。この「GTX」は、ブラザー工業の協力でプリントコマンドが解放されイメージ・マジックの工場内システム「ODPS(オンデマンドプリントソリューションズ)」と連携し、省力化に貢献している。
「ODPS」では、オペレーターがTシャツのタグにつけられたQRコードを読み取り、プリンタにTシャツを装着するだけでデータと連携し、正しいデザインがプリントされる。

また、ブラザー工業監修の「DIGITAL LINE(デジタルライン)」が国内で初導入された。同システムは、ガーメントプリントの「前処理」と「後処理」を省力化するもので、Tシャツをプラテン(台)に装着すれば、自動で前処理剤が塗布される。また、「後加工部分」では、プリント後のTシャツを熱処理し、デザインを定着させる。前後処理機ともに、同工場では2台を導入している。

このほか工場内の仕分け・出荷システムも充実している。
プリント順を決める商品の仕分けは「Z型自動仕分け機」を設置。QRを読み取り、出荷が近い順に箱詰めしていく。

出荷時の商品の名寄せ(箱詰め)はODPSシリーズの「名寄せDAS」を投入。こちらもQRコードを読み取るだけで、同梱の箱が分かり、出荷までの作業を軽減する。
イメージ・マジックの山川誠社長によると「従来、150坪使っていた仕分けのスペースを10畳ほどにまとめることができた」と話す。

これら「ODPS」は、自社活用するとともに、得意先などステークホルダー企業に提供。さらに受注システムも含めて外販も行っている。

イメージ・マジックでは、同所の開設により増え続ける需要に対応したいとしており、さらに今後3段階で工場を拡張していく予定。

 

記者発表会

6月30日、GPCで行われた記者発表会では、イメージ・マジックの山川社長に加え、ブラザー販売の三島勉社長が登壇し、以下のようにコメントした(いずれも要旨)。

◆イメージ・マジック 山川誠社長

当社は、ものづくりとITを融合した会社。
ビジョンでは、「オンデマンド生産できるアイテムによって、世の中の在庫をなくす」「プリント市場の拡大に貢献」「世界に通用するオンデマンドプリント企業になる」ということを掲げている。

GPCは6つ目の工場として開設。工場の規模から、1カ所で従来工場と同等以上の生産能力がある。

当社では2018年、「ODPS」を開発し、アイテム引当から、プリント加工、検品、出荷までを省力化し、作業時間も73%短縮された。
今回ブラザー工業の「GPX」と「ODPS」をコマンドで繋げ、システムからプリンタをコントロールできるようにした。

成長を続けるEC市場の波に乗り当社も成長を続けてきたが、「ODPS」を導入してからは、ECの成長率以上の成長を実現している。

現在、「Suzuri」や「BASE」「ディズニー」とも提携し、デザインを選べるアパレルの生産を請け負っている。
米国では数百億円規模のTシャツプリント会社がたくさんあり、これが国内に進出したときに負けないようにしなければならない。

 

◆ブラザー販売 三島勉社長

ガーメントプリンタを活用した新しいビジネスを模索しており、当社では「OGB(オーダーグッズビジネス)事業部」を設立した。
この事業での柱は「名入れ」や「イベント、クラスT など」「クリエーターなど個人のグッズ制作」3つ。
当社ではそこに、プリンタや刺しゅうミシン、カッティングマシンの3つを提案している。
この市場は拡大し、2018年の2倍と言われており、ECの拡大がこれを牽引している。

また、アパレルの廃棄問題も国内だけで15億着が過剰在庫になり、多くが廃棄されている。オーダーグッズビジネスを展開することで「必要なものを必要な分だけ」生産できる。

ガーメントプリンタ50台の設置は、GPCだけ。国内最大のガーメントプリンタ工場がここに完成した。
イメージ・マジックからは、供給が追い付いていないというお話もいただいていたので、本格的な需要シーズンの夏に何とか間に合いホッとした。
今回が最終形ではないので、今後も課題を把握し解決するためのソリューションを開発していきたい。

 

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