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DNP 「じぶんフォント」をライセンス提供開始 読み書き困難者を支援する読字体験アプリに実装


【2025年10月31日】大日本印刷(DNP)は、読み書きに困難がある人(発達性ディスレクシアを含む)にも見やすく読みやすい「じぶんフォント」のライセンス提供を開始した。
第1弾として、ファシリティジャポンの読字体験サポートアプリ「MYdys(マイディス)」に同フォントを実装した。

「じぶんフォント」は、DNPが東京科学大学(旧東京工業大学)やファシリティジャポン、リアルタイプと共同で2022年から開発を進めてきたオリジナル書体。読み書きに困難のある人の主観的な読みやすさを分析し、4種類の形状(どっしりまるご/すっきりまるご/はっきりまるご/まるご)を開発した。
いずれもDNPの「秀英丸ゴシック」をベースに、画線の丸みや字間のゆとりを工夫している。

実証の過程で誤読が多いとされた「さ」「ち」「き」「ぎ」などの仮名形状は改良され、視認性を高めた。また、常用漢字や人名漢字を含むJIS第1・第2水準に準拠し、9,498文字を収録している。
今後は、利用者が自分の特性に合わせてフォントを調整できる仕組みの開発も進める。

「MYdys」は、撮影した印刷物や画像内の文字を自動認識し、フォント種や文字サイズ、行間、文字間隔、配色などを調整して読みやすく表示するアプリ。国内では多様な読み書き特性に対応するフォントが少ないことから、「じぶんフォント」の採用により、選択肢の拡充が期待される。

DNPグループは今後、法人向けのフォントライセンス提供を拡大し、誰もが情報にアクセスしやすいインクルーシブな社会の実現を目指すとしている。

 

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