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ミマキエンジニアリング「アニバーサリープリンティングフェア」を開催 50周年記念しユーザー80社の事業を紹介

【2025年12月15日】ミマキエンジニアリング(以下ミマキ)は12月11日、東京・丸の内の東京国際フォーラムで、同社の創立50周年を記念した「アニバーサリープリンティングフェア」を開催した。

同フェアでは、ミマキのプリンタや関連機器の出品はせず、全国のミマキユーザー80社以上を出展者として招待。ユーザー各社の最新成果物や加工事例、サービスなどを一堂に展示し、ユーザーの事業周知を図り、来場者へビジネスヒントを提供することを目指した。
開催中は1700人以上が訪れ、会場は大いに賑わった。また出展者からも「予想以上のブース訪問があった」「来場者層が的を射たものだった」といった声が多く、「定期開催を希望する」といった声も聞かれた。
同社50周年の歴史に基づく交友関係の広さが現れたユニークで稔りある展示となったようだ。

 

展示会

三鷹製版は、ミマキのフラットベッドマシン「JFX600-2513」を使ったボードへのプリントを訴求した。目を引いたのは国宝「風神雷神図」のレプリカで、ほぼ実寸の国宝を間塚で観れるような展示に多くの人が足を止めた。また、カッティングプロッタを使ってボードをカットした大型POPや行燈のような内照式のディスプレイをブース内に設置した。

郡東京店は、自社が導入した捺染顔料転写プリントシステム「TRAPIS(トラピス)」を紹介。「TRAPIS」は2024年3月に、ミマキが発表した次世代の捺染プリントシステム。生地の前処理と洗浄工程が不要なため廃水浄化設備が不要で、従来の捺染工程と比較し水の使用量を約90%削減できる。
ポリエステルのみの昇華転写方式とは異なり、綿にも対応している。
ブースでは綿とマイクロファイバーのハンカチにプリントしたサンプルを配布した。
担当者は「生地を選べることでクライアントへの対応力が増した」と話す。

シンボは、自社の大判のインクジェット出力サービスを紹介。同社は新潟県に本社を持つ企業で、もともとはテントを扱っていた。体育館サイズの工場を保有しているため、超大判プリンタを多数保有し、カッティングなども大量受注できることから、関東のクライアントも多くいる。
この日はカッティングしたスチレンボードや昇華転写プリントしたのれんなどを出品した。

ミケランジェロは、「Re-board(リボード)」でできるディスプレイや、昇華転写プリンタを使ったファブリックなどを出品した。
「Re-board」は同社ブース全体を装飾し、軽くて折りたたみ可能で繰り返し使えるディスプレイとしてアピール。ファブリックは内照式で、中の照明を点灯するとデザインが切り替わるというクリスマスツリーをイメージしたものだった。
「当社はコロナ禍中に設備投資を行ったが、これが仕事を呼んでいる。今日は当社の設備にぴったりなクライアント候補から多く問い合わせをいただきビックリしている」と担当者。

ビーアンドピーは自社の大判プリントサービス各種を展示。こちらも厚手のボードをカットできるサービスなどを紹介した。

ミマキが世界で初めて発売したフルカラー3Dプリンタ「3DUJ-553」「3DUJ-2207」に関する展示も多数見られた。

関水金属は鉄道模型で知られる会社。Nゲージの展示で使用できる人や動物のミニチュアを多数展示した。人間は年齢や性別、服装の違いなどさまざまなバリエーションがあり、鉄道模型の展示の際に華を添える。価格は税込みで3000円前後。
担当者は「金型を使用してつくった場合、大量生産になってしまいバリエーションを出しづらい。3Dプリントは1個から作れることから重宝している」と話す。

巽社も5㎝サイズのフィギュアを展示。吊り下げられた豚肉なども3Dプリントして出品し、多くの人が足を止めていた。

ユー・エスエンジニアリングも3Dプリンタで出力した大型のフィギュアを多数展示した。同社はグッズ製作で知られた会社で、キャラクターを使ったIP系OEMでは大手。ユニークだったのはアクリル板を多数重ねた参考出品の「レイヤースタンド」で、アクリルスタンドでありながら、数枚を重ねることで奥行きのある絵づくりができるというもの。アクリルをふんだんに使うため非常に効果になるというが「今日引き合いがあり、生産することになりそう」と手ごたえを感じたようだ。

シンクイノベーションもグッズの製作で知られた会社。有名IPを多く扱っており、OEMも行うが自社でも有名マンガやアニメグッズの権利を持ち自社製品として販売している。
担当者は「今回は予定枚数の名刺を獲得できた。OEMの話が多いが、大手玩具メーカーなどからも問い合わせがあった」と話す。

 

記念パーティー

同日の18時からXEX TOKYOでは「記念パーティー」が行われた。

池田和明社長は挨拶で「ユーザーと一緒に歩いてこられた50周年だった。このことから本日のフェアも当社の製品ではなくユーザーの仕事を紹介するものにした。好評であれば定期的に続けていきたい。今後もメーカーとしてユーザーをバックアップできる体制を整えていく」と述べた。

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