【2023年6月5日】凸版印刷はこのほど、iOS版くずし字解読アプリ「古文書カメラ」の配信を開始した。
同サービスは、古文書解読とくずし字資料の利活用サービス「ふみのは」事業の一環として開発されたもの。
アプリでは、スマートフォンで撮影したくずし字資料を、高精度のAI-OCR技術を使い、その場で解読できる。
また、古文書の一部分だけ範囲を指定して解読する機能や、AI-OCRが提示する複数の解読候補から選択する機能、解読結果を利用者が修正する機能などを搭載。これにより、専門的で高度な利用シーンにも対応できる。
AI-OCRは、手書きと木版印刷物それぞれのくずし字資料に対応し、解読率90%の精度がある。
AI解読はAIお任せの「フルオートモード」と、さらに高精度な「範囲選択モード」が選択可能。
「フルオートモード」は、画像の中にある文字領域を自動で検出し、つなげて書かれた文字の区切り位置も含めてAIがくずし字を解読する。
さらに詳細に解読したい場合は、「範囲選択モード」を利用することで、選択した数文字に対し、AIが候補文字を複数提示する。
解読モードおよびAI-OCRの切り替えは、わかりやすいUIを採用しているという。
AIの解読結果が間違っていた場合は、利用者自身が解読した文字を直接入力でき、修正した内容はAIの再学習へ反映され、段階的にAIの精度が向上する。
また、解読結果は画像・テキストでの保存が可能。
「古文書カメラ」のインストールは無料、AI-OCRによる解読機能の利用は、1日ごとに10回まで可能。App内課金による解読機能の回数制限解除は、2023年夏のアップデートにて案内を予定している。
開発の背景には、日本国内に数十億点以上残存するという古文書の実態がある。
しかし、古文書のほとんどは「くずし字」で書かれているため現代人にとって判読が困難で、これが活用する際の大きな障壁になっている。
また、個人が所有している古文書は、内容がわからないために破棄されるケースも多いという。
凸版印刷は、これらの課題を解決する新たな手法として、2015年より大学共同利用機関法人人間文化研究機構 国文学研究資料館との共同研究を開始し、以後、多数の研究機関等とくずし字OCR技術の開発・実証を重ねてきた。
公式Webサイト
http://camera.fuminoha.jp/
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