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【工夫と創造この企業】ユニードパック 軟包装のデジタル印刷でデータ作成などを自動化 エスコのプリプレス自動化システム「AutomationEngine」

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【2022年10月4日】ユニードパックは、香川県のグラビア印刷会社。主に食品や日用品などのフィルムパッケージを印刷・加工する会社。設立は1992年で、従業員数は100人と四国でも大規模のグラビア印刷会社である。
また、2010年頃から、デジタル印刷機を導入し、少量・多品種のパッケージ印刷を行うなど、グラビア印刷業界では先進的な取り組みで知られる。
そのデジタル印刷機で、オリジナルパッケージの「うまい棒」を作れる「うmy棒」(http://umybohonpo.com/)などの製造も行っており、印刷業界だけでなく一般からも認知されている。

今回は、同社デジタル課兼オンデマンドGrの高野明人氏に、同社のデジタル印刷や、近年導入されたエスコグラフィックスのプリプレス自動化システム「AutomationEngine(オートメーションエンジン)」などについて話を聞いた。

 

デジタル機と軟包装

――最初にデジタル印刷機を導入されたのは?
2010年くらいに、「HP Indigo ws4500」を導入し、軟包装の印刷を開始しました。

――「ws4500」というとラベル印刷のイメージですが、軟包装でも運用できるのですね
はい。最大印刷サイズが308✕450mmとほぼA3サイズをプリントできるので、小型の袋物であれば十分対応できました。1ラインに1帳付け(レイアウト)という製造方法になりますが、これで製造をまかなっていました。

――その後は?
2014年終わりに「HP Indigo 20000」を導入しました。
最大印刷サイズが740✕1,100 mmと倍以上になり、印刷速度も上がったことから、生産性は非常に向上しました。また、大きなサイズの袋を製造できるので、仕事のバリエーションが増えました。

――どういった物へプリントしているのでしょう
通常のPET、OPナイロンなどです。

――それはデジタル印刷機専用のフィルムでしょうか
いいえ。一般的なグラビア印刷で使用するフィルムです。

――グラビア印刷とデジタル印刷の違いは
グラビア印刷は、版が必要で、その価格もそれほど安くはありませんが、大量に生産する場合には速度も速く、コストが見合います。
一方、デジタル印刷機は、版が必要ではなく、同じフィルムを使用し、同一デザイン・同一ピッチなら、準備時間を必要とせず、色違いを次々に印刷していくことが可能です。
デジタルの品質はグラビアに近いものがあり、それほど意識せずには使えます。しかし、1ショットいくらでメーカーにお金を支払わなければならず、このコストは大量に刷っても安くならないのでその点は注意が必要です。
また、機械がグラビア印刷に比べて成熟していないため、トラブルはそこそこありました。一方で、停電には強く、電源が止まってもいきなり機械が壊れるようなことはありません。

――デジタル印刷で製造されるパッケージの用途は?
一般的なグラビア印刷でも、主力の「食品」が最も多く、「日用品」や「雑貨」のパッケージもあります。いずれも少量を生産するもので、グラビア印刷では少なすぎてコストが合わなかったパッケージに対応しています。
特に「食品」は、地元である香川県内で使われるものが多いですね。当県は小規模な食品会社が多く、そういった会社の場合、1つの商品の生産量が少ないことから、デジタル印刷を有効に使っていただいています。
具体的には、コメ袋や冷凍食品などがありました。今回のコロナ禍で、増えたのが、地元の飲食店のテイクアウト用パッケージでした。これも少量で、さまざまな商品があることからデジタル印刷機に向いた仕事です。

――デジタル印刷機でプリントするのは少量ということですが、どのくらいからが少量にあたるのでしょうか
そうですね。1000m前後が少量に当てはまります。デジタル印刷では、それ以下の仕事がほとんどで、あまり長いものはやりません。だだ、場合によっては10,000m以上の印刷もやる場合があります。

 

200ジョブでも楽々帳付け

――では逆にジョブ数は非常に多いのではないですが
かなり多いですね。だいたい週に100~200ジョブあり、少ない時でも50ジョブはこなします。
「うmy棒」は1つ5~6mで1度に50~100件をまとめて印刷します。
この商品はプロモーションや結婚式などで使用されるケースが増えており、こういったイベントの減ったコロナ禍で数は減ってしまいましたが、今は少しずつ回復しています。
同じようなお菓子で、80個に1つ別のガラを入れたいという、当たりくじ付きのようなものを作成したこともあります。ひとつだけデータを差し替えるというのはグラビア印刷機ではできない面白い仕事でした。

――やはりこのように細かなジョブをたくさんこなすのは、かなり大変だったのではないでしょうか。エスコグラフィックスの「AutomationEngine」導入もやはりこの辺りの課題を解決するものということでしょうか
そうです。
「ws4500」の場合、1ラインへの帳付けで、ある意味生産方法は限られていたので、煩雑さはなかったのです。しかし「HP Indigo 20000」は、帳付けに幅があり、そこで難しさが出てきます。また付属のRIPソフトではある一定の形でしかできないことから、100くらいのジョブがたまると従業員2人が1日中かかりっきりで、帳付けしていくという作業があり、業務の大きな負担となっていました。

――どのような部分が楽になったのでしょうか
プリプレスのデータ作成作業がほとんど自動化できています。これまでは印刷サイズを見て、オペレーターが1点ずつレイアウトしていましたが、これはすべて自動でできるようになりました。

――作業負担軽減や時間短縮について、どのくらいの効果がありましたか
レイアウトの作業時間で言えば5分の1、リードタイムは1日短くすることができました。
「うmy棒」は、提携先の会社がデータをまとめて送ってくれるのですが、急ぎの対応の場合「今日データが来て、翌日には印刷する」ということもありました。
とにかくデータがそろわなければオペレーターは手も足もでないんですが、そのタイムリミットが1日延びるというのは、作業的にも心理的にも大きな余裕を生むものでした。
また、今までは2人がかりで、作業を始めるとつきっきりでレイアウトしなければなりませんでしたが、今は担当を1人にし、週替わりで決定。各人の忙しさに応じて誰がやるかを決めて廻しています。作業は途中交代も可能で、マニュアル化、標準化されているので、覚えれば誰でもできます。

――それは便利ですね。自動化の最先端と感じます
さらにオートメーション化も進めており、「Web to Print」も一部実現しています。
定型のものですが、得意先が入稿したら勝手にレイアウトデータが生成され、校正刷りを出す部分までは完全に自動化できています。
データは、クラウドに入れてもらい、そこから「AutomationEngine」がとってきて、自動でレイアウト、得意先の確認までは自動で行えます。

――すごいですね。グラビア印刷系のWeb to Printは、日本ではそれほど多くないはずです。最初からそのシステムをすべて入れられたのでしょうか
なかなかの価格だったので、当初の投資は最小限にとどめました。
ハード(サーバー)を導入し、「AutomationEngine」システムのほかに「データベース」と「NAS」の機能を持たせるなど、ちょっと保険も掛けました(笑)。
ただ、数年後にはすべて肥大化し、3つを分けたので、結果は成功だったと言えます。

 

投資分は回収できた!

――いままで、このシステムにどのくらいの投資をされましたか
機能追加を2回しているので、500万円から700万円ほどですね。
ただ、先ほども申しましたように、作業時間や人員を削減できるので、すぐに元は取れました。確実に1人分の人員を削減できるほどなので、その投資は完全に回収しています。
デジタル印刷機はクリックチャージなどコスト面で多少ハードルがあり、プリプレスの自動化といった部分でコスト削減をすることは絶対に必要です。
さらに、ちょっとした作業を肩代わりしてくれる機能もあるので、その点でも非常に助かっています。

――ちょっとした作業というのはどのような部分でしょうか
データの編集作業後に、お客さんへメールやデータをPDFで送る作業などは、完成した後に1クリックで定型メールフォームが用意され、確認メールが飛んでいきます。
入稿も、得意先ごとにクラウドの場所をあてがって、そこに入れてもらい自動的にシステムが取りに行く形なので、見落としがなく、入稿確認の作業もいりません。

そうそう、コロナ禍で便利だったのは、電子ファクスの振り分け機能です。「AutomationEngine」が受け取ってファクス番号で、社員ごとに振り分けます。テレワークの際、わざわざファクスを取るためだけに出勤しなくて済むようになりました。
他社で同じ機能のシステムについて見積もりを取ったところ、50万円くらいかかるといわれたのですが、「AutomationEngine」では機能の一つで実現できました。

――最後に現状を踏まえて今後の展望などをお教えください
フィルムやインクの値上げなどで、もはや2割の値上げは仕方ない状態になっており、お客様に通知させていただきました。
現在、この値上げ前に注文したいというお客様からの発注で、工場は忙しいのですが、これは先食い感が否めません。

一方、デジタル印刷はこの先食い感はないようです。
少量・多品種で毎週、同じフォーマットで、違うデザインを刷るというのはグラビア印刷ではどちらかというと苦手な仕事です。これをできるところが強みなので、細かな仕事を多く集めて、さらにデジタルを事業の柱にしていきたいと考えています。
何かお困りの案件があればぜひ当社にご相談ください。

ユニードパック
香川県仲多度郡まんのう町炭所西800番地
TEL:0877-56-9330
FAX:0877-56-9355
https://www.yunido.com/index.html

 

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