【2017年7月31日】富士ゼロックスは、工業製品など物体表面に偶然生成された固有のランダムパターンを識別する一意識別技術「Yoctrace(ヨクトレース)」を開発。このほど、印刷業などを対象としたライセンス提供を開始した。
「Yoctrace」は、工業用品など物品の表面に自然に発生する固有のパターンの違いを、一般的なスキャナで読み取れる技術。これは2002年に世界で初めて開発された紙の表面を識別する技術を、紙以外の工業用素材に応用したもの。
真贋判定や、大量のデータから一つを識別する一意識別などの機能がある。偽造防止のほか、ブロックチェーン技術と組み合わせ、仮想通貨を紙で保管する際の紙媒体への印刷に適用するなど、高度なセキュリティーを実現する。
実際の運用では、対象となる工業製品の物体表面をスマートフォン、デジタルカメラで撮影、またはスキャナーで読み取り、その画像情報をサーバーに登録できる。
この技術は、指紋認証のように特徴点を抽出して照合するのではなく、画像全体を照合するため、精度が高い照合が行える。
読み取りでは、工学系のノウハウにより、濃淡や凹凸などの陰影に影響されない。
用途では、商品券やIDカードでの利用が可能。また、物体そのものを識別することから、シリアル番号やバーコードといったタグ付けが難しい物品の識別に適している。
富士ゼロックスは今後、同技術の多様な業種・業務のユーザーでの活用を目指し、さまざまな物体の個体履歴と製造履歴をひも付けるIoT技術としての利用検討をさらに進めるとしている。
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