【2017年7月18日】「Too curateセミナー FONT TALK II – 文字をつくる。文字をつかう。 – 」が7月14日、東京都港区虎ノ門のToo本社内「The Gallery Too」で開催され、デザイナーやクリエイターを中心に約60人が参加した。
このイベントは「フォント」のディープな話をする「FONT TALK」の第2弾で、今回は文字そのものにフォーカスしセッションを展開した。
特にプリント&プロモーションが注目したのは、第2部の「フォントかるた制作チーム」による開発秘話「文字をつかう。 -フォントかるた大解説-」に注目。今回、主催者のTooと製作チームの方たちから取材許可をいただいて、楽しくレポートする。
一応、知らない方のために言っておくが「フォントかるた」は、読み札が文字なら取り札も文字という、まさしくフォント好きのための「かるた」。すべてに同じフレーズが印刷されており、これがどの種類のフォントで印刷されているかを推理して札を取るというものだ。
セミナーでは、このフォントを開発した伊達千代さん(グラフィックデザイナー)、星わにこさん(コミックエッセイスト)、横田良子さん(デザイナー)、せきねめぐみさん(グラフィックデザイナー)の4人が登壇した。
以下にセミナーの内容をレポートする。
この「フォントかるた」は、なんと今年(2017年)1月7日に誕生したゲーム。
遊びでフォントを家庭用プリンタで出力し、カッターマットで切っただけのものだっだが、これをツイッターにアップしたところ「ほしい」「どこで買えるのか?」と大きな反響があったという。
そこで、チームを結成し「製品として作るか」ということになった。ホントこの行動力には本当に敬服する。
デビューは2月のワンフェス(ワンダーフェスティバル2017[冬])。ワンフェスはもともと、せきねさんのご主人が出展予定で、そこを思いっきり間借りする形で展示し、ここでも大きな反響を得た。
2月26日には大阪で披露、3月5日には早くも「フォントかるた大会」を開催し、人気が加速していった。
さらに4月1日には、極小版と巨大版を発売と公式サイトで発表したところ、これにも「ほしい」「どこで買えるのか?」と大反響があったが、実はこれがエイプリルフールのジョークだった(笑)。
でもちょっと大きいのとか、美大か専門学校の学祭でやったら盛り上がりそう。
その後、印刷博物館で大会を開き、デザインフェスタに参加するなどで実績を重ねてきた。
開発時には、最初に500部を作成することにし、ネット印刷などで格安な条件を探したが、まとめて頼むなら知り合いの印刷屋さんに注文する方が安くなることが判明して依頼した。
かるたのサイズは68×90㎜。
印刷するのは「愛のあるユニークで豊かな書体。」という言葉。
これは写研の見本帳に使われていたフレーズで、チーム全員一致で「これにしよう!」と採用した。
写研は写植時代に大きなシェアを持っていたフォントの会社。
「愛のあるユニークで豊かな書体。」は、ある一定以上の年齢で印刷や写植、DTP、デザインに携わったことがある人なら、一度は目にしたことがあるはずというこの言葉、今これを読んでうなづいた人も多いだろう。
チームで写研に電話したところ、快くOKをもらい商品化にこぎつけた。
選ばれたフォントは「48書体」。選定の基準は「基本的なもの」や「パソコンなどにバンドルされているもの」だが、判別しやすいフォントから、似たフォントがあり区別しづらいものまで硬軟合わせて盛り込んだ。
全体の特徴を伊達さんは「明朝が少なくて、丸ゴシが多い」と分析すると、せきねさんが「多いと思っていない。ちょうどいいバランス」と反撃。さらに伊達さんが「やはり仕事によって、触れるフォントが異なる。書籍は明朝、広告やWeb関連はゴシックが多いので見解が異なる」と発言し、掛け合い漫才のようなやり取りで会場を盛り上げた。
さて、遊び方だが、「読み札」には書体名と解説、見本が書いてある
読み手は、まず「書体名を読み」、その次に「書体を解説」、最後に「書体を見せる」の順番でヒントを出す。
取った後はジャッジが必要で、裏側に印刷されている「MS明朝」などの書体名を読み手が見てから獲得となる。
遊び方は、読み手なしで、読み札をめくりながら戦う「源平戦」や、付属のカードケースで答えを隠して一人で取る「一人遊び」も可能。
肝心の、かるたを取るときの見分け方だが、一番の基本は「漢字と仮名の大きさの差を見ること」だという。
このあと、「ヒラギノ明朝」と「マティス」、「リュウミン」と「文久」など微妙な違いを解説。
一番判別が難しいベスト3はこれだそうで
1位 ゴシック3兄弟
2位 丸ゴレンジャー
3位 明朝三姉妹
1位の「ゴシック3兄弟」、2位の「丸ゴレンジャー」は、作者も並べてみれば分かるが…というくらい難解。当たり前だが、記者もまったく判別できない。
会場では最後に「フォントかるた体験会」を実施。
取り札が並べられ、この日のセミナー参加者がかるたを取り合った。
やはり、デザイナーさんが多いせいか、最初からお手付きなしで、当てる人が多く、体験会はけっこう盛り上がった。
ちなみに「フォントかるた」の公式サイトでは15日まで、「FKS フォントかるた選挙」が行われ、「推しフォント」の第1位が決定するなど(気になる1位はサイトで確認してください)、フォントの魅力に気づくひとが徐々に増えている模様だ。
伊達さんに「フォントを増やした増量版などの発売予定は」と水を向けると「もっとたくさんフォントを入れてほしい、という要望はある。挑戦していきたい」と答えてくれた。
「フォント百人一首」など新たな展開も、今後みられるかもしれない。
記者はさっそく、この日にフォントかるたを購入し、家で練習に励んでいる。
「フォントかるた」は現在、「アマゾン」で購入可能。なくならないうちに注文を。
「フォントかるた」公式サイト
https://www.fontkaruta.com/
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